【前の記事】帳簿がなくても従業員がマイナンバーを扶養控除等申告書に記載しなくて済む方法!
扶養から外れた人のマイナンバーは、マスキングして扶養控除等申告書を保存?
Q1-9 扶養控除等申告書に記載された扶養親族が年の中途で扶養親族に該当しなくなった場合(結婚、就職等)は、当初提出を受けた申告書を二重線などで補正させてもよいですか。また、補正する際には、マイナンバー(個人番号)を復元できない程度にマスキングする必要はありますか。
(答)
扶養控除等申告書に記載した事項について異動が生じた場合には、異動が生じた後最初に給与の支払を受ける日の前日までに、その異動の内容、従業員の住所・氏名・マイナンバー(個人番号)、給与支払者の所在地・名称等を記載した申告書を給与支払者に提出する必要がありますが、この申告書は、当初提出を受けた申告書を補正する形で提出しても差し支えないこととしています。したがって、ご質問のように扶養親族に該当しなくなった親族の情報については、二重線等で補正させても問題ありません。
扶養親族や控除対象配偶者に変更(異動)があった場合には、その旨を会社に報告する必要があります。
その報告の仕方として、
①新たに扶養控除等申告書を提出する(再提出)
②既存の扶養控除等申告書の変更部分を修正する(補正)
があります。
これは、マイナンバー云々以前のお話です。
(参考)扶養控除等申告書の裏面の注意書きより
「この申告書の提出後、記載内容に異動があったときは、別に異動申告書を提出するか、あるいはこの申告書の該当項目を異動後の内容に補正してください。」
また、当初提出する申告書と異動の際に提出する申告書は別の申告書となります。このため、一枚の申告書を補正する場合であっても、当初の申告書の保存義務がなくなるわけではありません。したがって、当初の申告書の記載事項である扶養親族のマイナンバー(個人番号)は当初の記載事項が確認できる程度に補正を行う必要があります。
当初の扶養控除等申告書の扶養親族の記載が完全に「誤り」であれば、その内容を抹消するという形で、マスキングする、という話は出てくると思いますが、扶養親族に変更があるまでは、その記載内容は「正しい」ものだったはずです。
そして、その記載内容に準じて、源泉所得税の計算もしていたはずです。
ですから、その「変更前の事実」の証拠を残しておくことは、当然に必要、ということになります。
もし、記載内容が完全に「誤り」(全く扶養していない人を扶養親族として申告していたなど)だったとしても、それに準じて源泉所得税の計算をしているのであれば、その「計算の根拠」として、「従前」の扶養控除等申告書の記載内容を保存しておく必要がある、ということになります。
そして、それらの扶養親族に付随するマイナンバーについても同様に保存する必要がある、ということですね。
Q1-17 扶養控除等申告書のマイナンバー(個人番号)部分をマスキングした上で保存してもよいですか。
(答)
提出を受けた扶養控除等申告書はその原本を保存する必要があります。記載事項の一部にマスキングをした場合、原本を保存しているとはいえないため、扶養控除等申告書のマイナンバー(個人番号)部分をマスキングした上で保存することはできません。
平成27年10月2日の所得税法施行規則等の改正により、本人交付用の源泉徴収票には、マイナンバーを記載しないことになりました。
それ以前にマイナンバーを一生懸命勉強した方は、その記載されたマイナンバーを「マスキング」する、という話になっていたので、マイナンバーと聞くと、マスキングしたくなっちゃうかもしれませんが、しちゃダメです。