自分の会社には安易にお金を貸してしまう…。

「お金を貸してください!」と言われたら、「はい、どうぞ。」ってすぐに貸しませんよね。

でも、「はい、どうぞ。」って中小企業の経営者の方が貸してしまう相手がいます。

それは、『自分の会社』です。

同族会社は社長と一心同体

会社と個人の人格は別とは言え、中小企業の場合は実態的には同じようなモンです。

法人成り(個人事業主が会社を作って事業を移管すること)をしたばっかりの時なんか、まさに社長=会社です。

会社が大きくなってきても、中小企業の場合、ある意味(いい意味でも)社長の「ワンマン」で会社が回っていますから、やっぱり社長=会社です。

返済はいつでもできる、と思ってしまう

会社の資金繰りが厳しい、だけど、銀行には借りたくない(又は借りられない)という場合、社長が個人のお金を会社に貸し付けます

自分に貸すようなもんだから、全然抵抗感がありません。

返して欲しくなったら、自分(みたいな会社)が返せばいいんですから。

自分のお金だと感覚がユルくなる…

ところが、会社に貸し付けたお金が、あっという間に無くなってしまったりします。

無くなってしまえば、返してもらえません。

会社として、社長から借りたお金をどう使うかも、貸した社長が決める訳ですが、自分から借りたお金だからか、あんまりシビアに使わなかったりするんですよね…

死亡したらチャラ?

この社長が亡くなりました。

会社にお金を注ぎ込んだので(貸付けまくったので)手元にはお金がありません。

相続人は、「ああ、相続税がかからなくて良かった。」なんて言ってます。

自分に貸しても貸付金

その会社が社長と一体だろうが、社長が会社にお金を貸し付けたのは事実です。

その会社が社長と一体だろうが、会社に対する「貸付金」という財産を社長は有していたのです。

その「貸付金」に、相続税がかかります。

返済を受けられなくても貸付金

亡くなった時点で貸付金の残高があれば、それが相続財産になってしまいます。

会社にお金があるかどうかは関係ありません。

恐ろしいことに、回収の可能性がなくても、相続税がかかります。

生きている間に債権放棄を!

本当に回収の見込みがないのであれば、債権放棄をするのです。

社長側は、貸付金がパーです。

会社側は、借入金がパー、とはならず、「借入金を返さなくて良くなった。ラッキー!」という利益が発生することになります。

このラッキー利益に課税です。

赤字のタマリがあれば税金がかからない!

「なんだ、社長に相続税がかからない代わりに会社に法人税がかかっちゃうんじゃん!」という声が聞こえてきそうですが、前期以前の赤字の繰越(欠損金)があれば、そのラッキー利益も相殺して消せちゃいます

逆に言うと、欠損金がいっぱいあるのであれば、ラッキー利益が発生しても税金が出ないので、債権放棄をどんどん進めればいいのです

貸借対照表の「役員借入金」勘定が多額に膨れ上がっていませんか?

放っておくと、社長の死亡とともに大変なことになりますよ!