簡単に作れる魔法の経費、それは給与!

「法人税をできるだけ払わないようにしたい」と、多くの中小企業の社長さんが考えています。

「法人税はぜーったいに払いたくない!」という社長さんも一部いらっしゃいます。

そういう場合に採用するのが、自分に支払う役員報酬の増額です。

役員報酬という経費を増やすことによって、法人の利益を減らし、法人税を払わないようにしよう、とするのです。

所得税がやってきても抵抗感なし!

役員報酬を増額すると、その分、源泉所得税も増えます。

つまり、法人税は払わなくて済むようになりますが、所得税が増えるのです。

「会社」として支払う税金(法人税)は確かに減りますが、中小企業は、会社と社長が一心同体です。

<会社+社長>全体でのキャッシュフローを考えた場合、所得税というキャッシュアウトはダメージのはずです。

しかし、所得税が増えても、それは許容されちゃったりします。

それは、次の2つの理由からです。

1つ目は、税金の取られ方が「源泉徴収」だから(もらう時に既に引かれているから重税感なし)

2つ目は、「自分の収入が増える」から(自分の手取りが増えるならいいや、とそこだけに焦点が当たっちゃう)

「法人税を絶対に払わない!」というミッションが達成できれば、所得税の増税ぐらい、大したことはないのです。

青天井ではないよ!

しかし、「法人税を払わない代わりに、所得税を払うんだったらいいよ」なんて税務署は言ってくれません。

税務はそんな単純じゃありませんからね。

社長に対する役員報酬が、社長の働き度合いに比べて「適正な相当額か」という視点でチェックします。

働き度合い相当額を超えて支払っている金額は、経費になりません。

経費にならなくても、もらった社長側は収入(給与所得)ですから、源泉所得税はかかります。

つまり、役員報酬を上げ過ぎると、法人税も減らないし、所得税が増えるのです。

支払いを後回しにすると…

役員報酬を上げた結果、役員報酬を未払で毎月計上する会社さんがたまにあります。

「会社に今、お金はないけれども、後で払うよ」ということで、役員報酬という「経費」だけ計上して、支払いは後回しにするのです。

役員報酬は、毎月変更することはできません。

変更できるようにすると、「利益が出そうなら増額してしまえ」という小細工ができてしまうからです。

法人税を払わないために高めの役員報酬にいったん設定したら、その期の最期までその金額です。

払えないので、毎月未払で積み重なりがちです。

死亡すると相続財産

その社長が死亡したとします。

その給与の「未払金」、社長の側から見れば、「未収入金」ですね。

これが「相続財産」になります。

会社にお金がなくてもらえなくても、相続財産です。

いつか払えばいい、と思って未払金をタメていると、最後に相続税課税です。

遺産分けがモメる原因に!

遺産分けでモメます。

本当にもらえるかどうか分からない財産なんて、誰も欲しがりません。

同じように相続税がかかるんだったら、預金の方がいいですからね。

決算書を見て、社長に対する未払金(役員借入金勘定で経理している会社もあるかもしれません)が膨れ上がっている会社さん、ヤバいですよ!