財産家の老犬社長財産家の老犬社長

会社の資金が不足している時に会社にお金を入れるのは、経営者の責任としてやむを得ないと思っておったのじゃが、それで相続の時に痛い目に遭うと聞いたが、本当かワン?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

確かに、会社の資金繰りが苦しい時に、その会社の社長がお金を入れるのって、良くあるよね。

金融機関から借りてもいいけど、既にいっぱい借りちゃっている場合や、業績があまりよくない場合なんかで貸してもらえないときなんかもあるし、銀行と交渉するのは面倒くさいから「自分のお金を入れちゃえ!」っていう感じで、会社の預金口座に、個人のお金を入れちゃうんだよね。

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そうそう!そうなんだワン!

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何となく、会社と社長って、「一心同体」みたいな感じがするけど、法律的な見方としては、同じじゃないんだよね。

だから、会社のお金と社長個人のお金はきちんと区別しなくちゃダメだよ。

社長が会社にお金を入れるということは、「会社に対してお金を貸す」ということになるよ。

つまり、これは会社に対する「貸付金」という財産を社長が所有するということ。

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か、貸付金?

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「ちゃんと返してね」ということで会社にお金を渡すんだもん。

この貸付金にも相続税がかかるよ。

だから、もう既に貸付金があるなら、それを減らす相続税対策をしていこうね!

会社にお金を入れても「貸付金」にならないようにするためには?

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じゃあ、「会社に返さなくてもいいよ」と言って、お金を渡せば、貸付金にならないから、相続財産にもならないのかワン?

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確かに、会社と実質一心同体の中小企業の社長であれば、返さなくてもいいよ、っていうお金の出し方もあるかもね。

この場合には、確かに「貸付金」にならないので、相続税はかからないよ

だから、相続税対策も不要になるね。

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それでいいワン!

相続税はかからないけど、法人税がかかる!

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返さなくてもいい、ってことは、会社にあげちゃう、ってことだよ。

でも、それで話は終わらないからね。

会社が、お金を受け取ったのに返さなくてもよい、ということは、その分、会社は得しちゃってるよね。

「えっ?返さなくていいの?ラッキー!」という感じだもんね。

これ、「利益」だよね。

だから、法人税がかかるんだ

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ほ、法人税?!

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相続税がかからないので、相続税対策は不要だけど、社長はお金を出しても返ってこないし、会社には税金がかかっちゃうの。

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じゃあ、どうすればいいんだワン!会社が資金不足だったら、お金をどこからか持って来なければいけないんだワン!でも、会社に貸すと、相続財産になる、会社にあげちゃうと、会社に税金がかかっちゃう!

法人税がかからない場合もある!

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実は、相続財産にならずに、会社に税金がかからない場合もあるんだよね。

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ど、どんな場合だワン?

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会社が赤字の時に、お金をあげちゃうのさ。

会社はその事業年度(通常は1年間)で、どれだけ儲かったかを計算し、法人税を納めるよね。

例えば、1,000万円の赤字の事業年度であれば、その事業年度に800万円のお金を会社にあげても、税金はかからない。

1,000万円のマイナスと800万円のプラスを相殺しても、まだ200万円のマイナス(赤字)だからね!

こういう、大きな赤字がある時に、会社にお金をあげちゃえば、法人税はかからないし、社長が会社に入れたお金は相続財産にならなくなるよ!

でも、社長の個人財産が会社に吸い取られてなくなってしまう訳だから、会社は得しているんですけど、社長個人としては損しているんだからね。

「税金がかからないこと」イコール「得なこと」っていう訳じゃないからね。

実体のない財産に相続税を課税されるのなら・・・。

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会社が社長にお金を入れて、その時には、ちゃんと後々返してもらうつもりだったので、「貸付金」にしたんだけど、会社の資金繰りが悪化しているので、もう返してもらえそうにない、でも「貸付金」になっているから、社長に万が一のことがあったら、相続財産になってしまう、というような場合には、その貸付金の返済を会社から受けることを「あきらめる」というのも1つの手だよ。

このあきらめることを「債権放棄」と言うんだ。

あきらめるということは、「返さなくていいよ」ということだから、その時に会社にあげちゃう感じだよね

あげちゃうんだから、債権はなくなるよ。

相続財産を減らす、相続税対策だね。

「どうせ返してもらえないのであれば、あげちゃおう」ということ。

会社に大きな赤字があって、法人税もかからないのであれば、さらにいいな、ということね!

その事業年度が赤字じゃなくてもOKの場合がある!

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さっき、1,000万円の赤字の事業年度であれば、800万円の債権放棄をしても、まだ200万円の赤字の余裕があるので、税金がかからないって話をしたけど、その事業年度が黒字の場合でも、法人税がかからない場合があるよ。

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それは、どんな場合だワン?

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「繰越欠損金」がある場合さ。

その事業年度が赤字でなくても、過去の事業年度が赤字の場合、その赤字を「繰り越して」、今の事業年度の黒字と相殺することができるんだ!

例えば、その事業年度が200万円の黒字だったとするよね?

800万円の債権放棄をすると、200万円+800万円=1,000万円の黒字(利益)になっちゃう。

なんだか、余計に税金がかかってしまいそうだワン。

でも、「繰越欠損金」(という過去の赤字)が1,300万円あれば、1,000万円の黒字を相殺して消すことができるよね。

残りの300万円は、また次の事業年度で黒字の相殺に使えるんだよ。

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過去の赤字を繰り越して黒字と相殺するのかワン!

「返ってこない貸付金」のまま相続税が課税されるよりはマシ!

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会社の業績が回復して、貸付金の返済を受ける見込みがあるのであれば別だけど、そうでないのであれば、「債権放棄」をしようね。

返ってこない名目上の貸付金に相続税が課税されることほどバカげたことはないからね!