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「税務調査あるある」&「税務調査の基礎知識」&「税務調査対策の鉄板結論」

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

まずは、この「税務調査あるある」「税務調査の基礎知識」「税務調査対策の鉄板結論」にサーッと目を通して、基本的な事項を押さえながら、税務調査の雰囲気をつかんでくださいね!

税務調査対策の鉄板結論
◎必ずと言っていいほどチェックされるのは次のポイント!

★売上の計上もれがないか
☆売上をどの時点で計上するかについては、いくつかの基準がある(「出荷基準」や「検収基準」等)
その法人が採用している計上基準に従って、期末前後の売上がもれなく計上されているか、税務調査官にチェックされる

★棚卸資産の計上もれがないか
☆売上原価・製造原価・完成工事原価は、売上に対応した分のみ計上することができる
☆別の言い方をすれば、売上に結び付いていない原価は、経費として計上できない
☆期中に「売上原価」として計上されている金額のうち、作っている途中の段階の製品等があれば、その分だけ「仕掛品」に振り替える(科目を変える)ことにより、経費から除外する
☆このような「仕掛品」等の棚卸資産がきちんと計上されているかが、税務調査官にチェックされる
☆原材料や商品、製品、仕掛品等の棚卸資産が計上されていない、ということは、その分、(売上に対応していない本来計上できない)原価が余計に経費になっている、ということだからである

★固定資産の計上もれがないか
(1)新規購入資産
☆固定資産を購入した場合、いったん取得価額で固定資産として計上し、法定耐用年数という決められた年数に渡って、その取得価額を減価償却費という費用に振り替えて、経費にしていく
☆ただし、金額が小さい固定資産であれば、一定の手続きを経ることにより、その全額を、使い始めた事業年度の経費にすることができる
備品消耗品費などの勘定科目に紛れ込んで、一定の手続きを経ることなく、経費になっている物がないか、または、金額が大きいのに経費になっている物がないか、税務調査官にチェックされる
(2)既存所有資産
☆従来からある固定資産に修理等をしてその状態を良くした場合に、そのかかった費用が、修理的なものとして経費になるか、それとも、部分的に新たに資産を取得したものとして、資産計上すべきかは、一定の決まりがある
☆その決まり通りに経理されているかが、税務調査官にチェックされる

★副産物の売却収入などの雑収入的な売上のもれは無いか?
製造過程で生じたスクラップの廃材などを買い取ってもらっている場合、その売却代金が売上に計上されているかどうか、税務調査官にチェックされる

★消費税の「課税」「非課税」「不課税」等の経理がきちんとしているか
☆法人が納める消費税を計算するには、各取引が「課税売上」なのか「非課税売上」なのか、「課税仕入」なのか「不課税仕入」なのか等がきちんと経理されていなければならない
税務調査官は、消費税の経理について間違いやすいポイントを熟知しているので、それを想定しながら総勘定元帳をサーッと見ていき、気になる取引があれば、請求書等を確認し、経理が正しく行われているかどうか、税務調査官にチェックされる

★親族に支払う人件費や地代家賃は適正か
☆他人の従業員に対して、働いた分以上に余計に給与を払う経営者はいないが、親族に対しては別である
☆身内にお金を渡せて、それが法人の経費になるからである
☆特に、ほとんど勤務実績がない親族従業員に対して、通常の給与が支払われている場合、その勤務内容についてチェックされる
☆「掃除してもらっていますから」「片づけをしてもらっていますから」「草むしりしてもらっていますから」などと言って、そこそこの給与を払うと、「他人の従業員が同じことをやっても、これだけの給与を支払いますか?」と追及される
☆地代家賃についても同様

★関係会社との取引金額は適正か
☆親族関係者だけでなく、子会社などの関係会社との取引金額も、どちらかが得するように、高過ぎたり、安過ぎたりしていないか、税務調査官にチェックされる

★貸倒損失の計上は適正か
☆貸倒損失は、ただ単純に「回収できない」だけでは計上することができないので、その計上するための要件を満たしているか、を税務調査官にチェックされる

★福利厚生費の支払は適正か
☆従業員さんに対する結婚や出産の祝い金は、定められた慶弔規程に従って支払われているか、また金額が妥当か、が税務調査官にチェックされる
☆金額が社会常識に比較して高過ぎる場合には、「給与」として所得税が課税される

★役員報酬の変更は適正か
☆役員給与が経費になるためには、一定の要件がある
☆特に、役員給与を変更した場合には、その時期や変更事由が要件を満たさないと、経費にならなくなるため、税務調査官は変更時の状況等をチェックする


税務調査の基礎知識
法人(会社)に対しては、法人課税部門の税務調査官が、個人事業主の方に対しては、個人課税部門の税務調査官が税務調査に当たる

規模が大きい法人になると、特別国税調査官(「特官:トッカン」)が対応する場合もある

★税務調査は、どの法人・個人事業主に対しても常に行われる可能性がある

★税務調査は、税務の専門的な考え方・知識をベースに話が進む。当然それに対応するためには、税務の専門家である税理士に立ち合いを依頼した方が良い


税務調査の基礎知識
<平成27事務年度の法人税の税務調査事績の概要>

★大口・悪質な不正計算が想定される法人など税務調査必要度が高い法人約94,000件(前年対比98.4%)について実地税務調査を実施

★このうち、法人税の非違(直すべき誤り)があった法人は約69,000件(前年対比99.1%)(うち不正計算があった法人は約18,000件(前年対比99.6%))、その申告もれ所得金額は、8,312億円(前年対比101.0%)(うち不正所得金額は約2,374億円(前年対比93.2%))、追徴税額は1,592億円(前年対比93.3%)

★税務調査1件当たりの申告もれ所得金額は約888万円(前年対比102.6%)、不正1件当たりの不正所得金額は約1,284万円(前年対比93.5%)、税務調査1件当たりの追徴税額は約170万円(前年対比94.8%)


税務調査の基礎知識
★所得が発生していない(赤字)法人でも税務調査はある(消費税や源泉所得税は所得の有無とは関係ない)

★無予告の税務調査もある

★売上高や所得金額(儲け)が一定金額以上になると、定期的に税務調査が行われる

★税務調査の趣旨は、基本的には申告書に記載された内容が正しいかどうかの確認


税務調査対策の鉄板結論
★税務調査があった場合に指摘されそうな取引を洗い出しておき、その取引が税務的に問題がないことをきちんと主張できるように、その立証の仕方を検討しておく。それは日々の帳簿を作成しながら行うべきであり、それこそが最高の税務調査の事前対策である(帳簿書類などは税務調査前に再確認しておく)

★税理士には、税務調査に立ち会ってもらうだけでなく、事前に税務調査時に対応する社長様や経理担当者様を交えて、当日の流れをシミュレーションしてもらう


税務調査の基礎知識
<事前通知>

★税務署の税務調査官が法人の実地調査をする場合、原則として電話により、前もって法人様・税理士・税務調査官との間で調査開始日時について日程調整を行う

★法人様が税務調査開始日までに税務調査を受ける準備等ができるよう、税務調査までに相当の時間的余裕を置いて行うこととなっている

★税務調査官は次の事前通知事項を法人様・税理士に通知する(法人様への通知は税務調査官から税理士が内容を聞いて法人様に通知するのでも可)
☆実地による税務調査を行う旨
☆税務調査開始日時
☆税務調査開始場所
☆税務調査目的(例えば、提出された申告書の記載内容を確認するため。実地の税務調査を行う「理由」については、法令上事前通知すべき事項とはされていません )
☆税務調査対象税目
☆税務調査対象期間
☆税務調査対象物件(書類等。例えば、法人様の代表者名義の個人預金について事業関連性が疑われる場合にその通帳の提示・提出を求めることは、法令上認められた質問検査等の範疇に含まれます)
☆税務調査対象者の氏名住所等
☆税務調査官(税務調査官が複数の場合は代表者) の氏名及び所属税務署
☆税務調査開始日時又は税務調査開始場所の変更に関する事項(事前通知後においても、通知した日時について、例えば、一時的な入院、親族の葬儀、業務上やむを得ない事情が生じた場合等には、申し出ることにより変更を協議してもらえる)
☆事前通知事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合にその事項に関し税務調査を行うことができる旨

<飛び込み調査(事前通知がない調査)>

★税務調査官が、申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、事前通知をすると、
(1)違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ
(2)その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ
があると判断した場合には、事前通知をしないこともある

★飛び込み調査でも、飛び込んだ後に、調査対象税目・調査対象期間調査目的などについては、速やかに説明される

★飛び込み調査が予想されるのは次のような法人様

☆現金取引(売上・仕入)が多い法人様(現金の実際有高と帳簿上の残高との突合も含め、 現金管理が適正に行われているか、を税務調査官が確認する)
☆社員様・パート様・派遣社員様等の働いている方が多い会社(人件費や労務費は経費に占める割合が高く、また、請求書や領収書が介在しない取引なので、実際の勤務状況等を税務調査官が確認する)

<帳簿書類等の留置き(預かり)>

★税務調査官が帳簿書類等を預かって税務署内で税務調査を継続した方が、税務調査を円滑に実施する観点や法人様の負担軽減の観点から望ましいと考えられる場合(例えば、法人様の事務所等に十分なスペースがない場合や検査の必要がある帳簿書類等が多量なため検査に時間を要する場合)には、税務調査官が資料を預かって税務署に持ち帰って精査する

<反面調査>

★税務調査官は、取引先(反面調査を受ける法人様)など納税者の方(法人様の取引先)以外の方に対する調査を実施しなければ、納税者の方(法人様の取引先) の申告内容に関する正確な事実の把握が困難と認められる場合には、その取引(反面調査を受ける法人様) 先等に対し、いわゆる反面調査を実施することがある

★反面調査の場合には、事前通知に関する法令上の規定はないが、運用上、原則として、あらかじめその対象者の方(反面調査を受ける法人様) へ連絡を行うこととしている

<調査終了時>

★税務調査の結果、直すべき誤りがある場合には、その金額や理由などが説明される

★説明は原則として口頭で行われるが、必要に応じて、誤りの項目や金額を整理した資料など参考となるものが示されることもある

★税務調査官から修正申告を行うよう勧奨される

★法人様の同意があれば、これらの対応を税理士が行うことができる

★直すべき誤りがない場合には、「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」が法人様に送付される

<再調査>

★原則として、同一税務調査対象期間に対する同一税目での再調査はない

★ただし、例えば、調査終了後に行われた法人様の取引先の税務調査で、当初の税務調査の際には把握されていなかった誤りがあることが明らかになった場合のように、法令上定められている「新たに得られた情報に照らして非違があると認めるとき」との要件に該当する場合は、再調査が行われることがある


税務調査の基礎知識
★税務調査には、通常の「任意調査」(「任意」と言っても、税務調査を受けることを断ることができる訳ではない) と、「強制調査」(国税局査察部の税務調査官が裁判所から許可されて資料の差し押さえ等をする。悪質な場合には検察庁に立件される)の2種類がある

★税務署の人事異動は7月の始めであり、人事異動直後の「7月の中旬から11月頃」、年が明けて、「1月から2月」、確定申告の時期を経て、「4月から6月」が税務調査が多い時期となる


税務調査対策の鉄板結論
<税務調査官の質問に対する回答>

★余計なことをしゃべらない。質問されたことに対して、的を得た回答をする

★質問された意味が分からない場合には、分かるまできちんと確認する。税務調査官に聞いても分からない場合には、立ち会っている税理士に、質問の意味を聞く

★記憶にない場合や知らない、分からない場合には、正直にその旨を回答する。そして、きちんと調べて回答する

★税務調査官に提出を求められた資料がすぐに出てこない場合には、時間をもらって、後日などに提出する


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税務調査における「電子メール」の調査については、こちらをご参考に!

(税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け))問5
Q.提示・提出を求められた帳簿書類等の物件が電磁的記録である場合には、どのような方法で提示・提出すればよいのでしょうか。
A.帳簿書類等の物件が電磁的記録である場合には、提示については、その内容をディスプレイの画面上で調査担当者が確認し得る状態にしてお示しいただくこととなります。
一方、提出については、通常は、電磁的記録を調査担当者が確認し得る状態でプリントアウトしたものをお渡しいただくこととなります。また、電磁的記録そのものを提出いただく必要がある場合には、調査担当者が持参した電磁的記録媒体への記録の保存(コピー)をお願いする場合もありますので、ご協力をお願いします。
(注) 提出いただいた電磁的記録については、調査終了後、確実に廃棄(消去)することとしています。

税務調査の基礎知識
★税務署が「更正」「再更正」「再々更正」処分をする場合には、「調査」を行う必要がある

★税務調査により、法人様が修正申告書を提出した後、税務署が「再更正」(さらに直すべき誤りに基づいて税金を追加課税)する場合には、「再調査」が必要

★この「再調査」は、税務調査官がもう一度調査したいと思ったらできる、というものではなく、その法人様の取引先の税務調査などにより、直すべき誤り(非違)が発見された場合のみ

★したがって、原則として「再調査」というものはほぼない

★税務調査により、税金が増える場合もあるが、逆に、経費の計上もれが発見され、税金が減る場合もある(その発見された事業年度の税金が減る場合もあれば、その翌事業年度に繰り越される欠損金(赤字)が増えることにより、翌事業年度の税金が減ったり、還付される場合もある。また、その事業年度の欠損金(赤字)を、前事業年度の所得(黒字)にぶつけて相殺することにより、前事業年度の税金を還付してもらうこともできる

★これらは、「減額更正」として税務署がやってくれることもあれば、法人様が税務署長に対して「減額更正の請求」をすることもできる


税務調査対策の鉄板結論
★税務調査で指摘されるポイントは、白黒がはっきり付かない場合も多く、税務調査官側と法人様・税理士側で解釈が分かれることがザラである

★税務調査官を納得させるために、「税法上」理論的に整合性・合理性のある反論をする必要があり、そのためには企業取引の内容に対する「事実確認」能力と、税務調査官と話が通じる「税務知識」が必要であり、そういう折衝ができる税理士が必要となる

★税務調査官は「税務調査」が仕事なので、それこそ毎日とは言わないまでも、数多くの税務調査を行っている

★若そうな税務調査官が来ても、間違いなく法人様よりは多くの税務調査を経験して訪問してきている

★税務調査官は税務調査が「仕事」なので、税務調査をやっていればよいのだが、法人様の社長様は、通常業務もあり、ただでさえ忙しいし、あまり経験のない税務調査では、精神的な負担も大きくなる

★税務調査に税理士の立会いを依頼して、負担を最小限に減らし、スムーズに税務調査が終わるようにしてもらった方が得


無邪気な社長の息子さん無邪気な社長の息子さん

税務調査って、どうやって連絡が来て、どうやって進むの?

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通常は「電話」で、「何月何日頃調査に伺いたい」という実地調査の連絡が税務署の税務調査官から来るよ。

この連絡もお客様のところではなく、税理士のところに来ることが多いね。

連絡が来る時期としては、税務署の毎年の人事異動が7月の上旬にあるので、その異動後とか、確定申告の時期が終わった頃に、電話があることが多いよ。

でも最近では、人事異動後にすぐに税務調査ができるように、人事異動の直前に電話がかかってくるっていうパターンもあるな。

税務調査日については、税理士が間に入って、「税務署(税務調査官)」「お客様」「税理士」間の日程調整をするんだ。

一般の人が「税務調査」って言うと、税務調査官が突然やってきて、机の引き出しとかをガサゴソやられて色々持っていかれる、っていうイメージがあるかもしれないけど、そういうのは「強制調査」って言って、脱税をしているような悪質な会社に来るときの話。

そういう場合には、令状(臨検・捜索・差押許可状)が裁判官から出ているので、強制力があるんだ。

でも普通の税務調査(「任意調査」って言うよ)の場合には、そこまでの強制力はない。

とはいえ、税務調査を拒否できるかというと、それはできないからね。

そして、税務調査の当日は午前10時に税務調査官が来て税務調査開始、午後4時頃終了というケースが多いね。

でも、税務調査の内容によっては、もうちょっと遅くまでやることもあるよ。

法人の税務調査であれば、こういった調査が2日間行われることが多いね。

最終日の終わりには、税務調査官が数日間の税務調査の内容を振り返って、問題点などを整理してお客様に伝えるんだ。

ここで結論が出る訳ではなく、税務調査官は、税務調査中にコピーを取ったりした書類を税務署に持ち帰って、さらに検討を加えるよ。

また上司等に報告・相談して、追加で税金を納めるべき部分を精査していくんだ。

とはいえ、税務署が考えた通りに追加で納めるべき税金が決まる訳ではなく、税務署側が導こうとしている結論に対して、税理士がお客様の立場に立って主張・説明・折衝をしていくよ。

税務調査を受けて、最終的にどのように追加の税金を納めることになるかというと、通常は「税務署(税務調査官)」「お客様」「税理士」間で決着した内容(結論)について、お客様が納得して、自ら「修正申告」をする形になるんだ。

税務調査が入って、最後に修正申告書を提出して税金を納めるまでは、結構時間もかかるし、精神的にも大変だから、きちんと税理士にお願いした方がいいよ。

さっき「税務調査の連絡が電話で前もって来る」って言ったけど、そういう予告なしに突然税務調査官が来る場合もあるから気をつけてね。

「飛び込み(調査)」って言われるものだね。

現金商売のお客様のところに来ることが多いね。

規模が小さくても、飛び込みで来る場合もあるよ。

無邪気な社長の息子さん無邪気な社長の息子さん

税務調査官が税務調査に行きたくなる法人ってあるの?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

まず「利益(黒字)が大きな法人」が考えられるなあ。

業種的に急成長している会社とかね。

税務調査してみたら、もっと利益が大きいことが分かるかもしれない、っていう見方をされるだろうからね。

利益が出ていない赤字の法人だと、税務調査で多少の申告もれを見つけたところで、追加の税金が出ない場合が多いからね。

とは言え、利益が出ていない赤字の法人でも、税務調査が入ることによって追加の税金を取られるケースが4つあるよ。

1つ目は、源泉所得税をきちんと天引きしていないことが発覚するケース。

「甲欄課税」という低負担率の源泉所得税で計算するための「扶養控除等申告書」が法人に完備されていないなんていうパターン。

この書類がなければ、「乙欄課税」という高負担率の源泉所得税で計算することになり、「甲欄課税」と「乙欄課税」の差額分を追加で納付することになっちゃう。

2つ目は、役員が個人的に負担すべき費用が法人の経費になっていることが発覚するケース。

例えば、個人的な飲食などの費用が「厚生費」や「交際費」に、個人的な旅行などの費用が「旅費交通費」に計上されている、なんていうことが分かれば、それらの支出は「役員賞与」に該当し、法人の経費にならないので、赤字が黒字になるかもしれないし、さらに、役員に「賞与」を支払ったことになれば、それに対応する源泉所得税を法人さんは納めてね、という話になっちゃう。

3つ目は、消費税の経理処理が間違っているケース。

法人税を計算する上では赤字でも、消費税は納税っていうケースはよくあるからね。

その消費税の計算が間違っていれば、消費税だけ追加で納付することになっちゃう。

4つ目は、多額の経費が計上されていたけど、それが経費にならないケース。

よくあるのが、決算期末ギリギリに機械を購入したりして設備投資を行い、その機械について、特別償却や特別控除を計上しているパターン。

機械を経費にするためには、決算期末までにその機械が事業に使われていないとダメなんだけど、決算期末ギリギリに買ったんで、決算期末の時点では、まだその機械を使っていない、なんていうことが発覚すれば、特別償却が認められないので、赤字から一転、黒字なんてこともある。

機械を購入した時だけではなく、除却したり、売却したりしたときにも、「除却損」や「売却損」という経費が多額に計上されていたりする。

でも、実際には決算期末までに「除却」や「売却」が完了してない、なんていうことが発覚すれば、その経費は計上できなくなるので、赤字が黒字になっちゃうかもね。

同じように、役員退職金を払った場合でも、その元役員が、実質的に退職したとは言えない、なんてことになったら、その退職金は、「賞与」扱いになり、法人税の計算上は経費にならないので、同じく「赤字」→「黒字」の可能性があるね。

それと、利益(黒字)が大きくなくても、法人の規模自体が大きい会社の場合、取引数が多くなり、取引金額も多額になるので、税務調査のし甲斐があるだろうね。

また、設立以来、税務調査をしたことがない、っていう法人様も、税務調査官にとっては気になる存在だと思うよ。

逆に、前回の税務調査で大きな問題があった法人様も、その指摘事項がきちんと修正されているか、の確認はしたくなるよね。

利益率が以前と比べて大きく変動していたり、同業他社と比べてかい離しているなど、不自然な場合も税務調査官の目に留まりやすいよ。

法人様の取引先への税務調査により、法人様に多額の売上があることが判明している場合には、その売上が法人様側で正しく計上されているかも確認したくなるよね。

無邪気な社長の息子さん無邪気な社長の息子さん

税務調査って、コワいの?

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税務調査で間違いを指摘されたら直せばいいだけなのでコワくないよ!

間違ったところは間違ったものとして正しい金額で申告し直せば(これを「修正申告」と言います)いいだけだからね!

税務調査対策の鉄板結論
★まずは当初申告で適正な経理処理をする

税務調査に強い税理士に税務調査の立会いをしてもらう


税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

税務調査に入られたってことはバレるニャンか?

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(1)来た時の挨拶でバレるかもね。

「おはようございます。○○税務署です。」という挨拶で、調査官が来たことが来店しているお客さんとかにバレるのが嫌な場合には、別の入口から入ってもらうように事前に打ち合わせをするなどの対処をすることができるよ。

もしお客さんに聞かれても、「取引先に税務調査が入って、その反面調査なんですよ。」(『うちに問題があって税務調査が来たんじゃないんだよ』という意味)とカワすという方法もあるよ。

(2)銀行に申告書を渡したらバレるかも。

融資の関係で銀行に過去の申告書を渡す場合、税務調査で修正申告書を提出していれば、その「修正申告書」と書かれた申告書を渡すことになるので、そのタイトルでバレちゃうよね。

その申告書が修正申告書ではない場合でも、修正申告をした次の期の申告書などの場合、過去の修正申告の内容を税金の計算上、調整したりするので、その部分を分かる人が見ればバレちゃうよ。

税務調査の基礎知識
★正しい申告をしていれば、絶対に税務調査が来ない、という訳ではない

★税務調査により、正しい申告をしているかどうかを「確認」する、という側面もある

大規模な法人は、数年毎に税務調査が行われることが多い

★また大規模な法人ほど、1回の税務調査における日数も増えるし、立ち会う税務調査官の数も増える

★規模が大きい分、帳簿やその他の書類の量も多くなるし、経理処理が難しい取引も増えるから、調査にも時間がかかる

規模が小さくなれば、税務調査が実施される頻度は減る

★しかし、規模が小さくても、税務調査があった数年後に再度税務調査が行われる、ということもある

★その際には、前回の税務調査の記録が税務署に残っていて、今回の税務調査において、前回の税務調査の指導事項がきちんと改善されているかどうか、を確認することも多い。


税務調査あるある
★「税務調査が入ることになりました」と伝えると、「税務調査を過度に怖がる人」と、「『税務調査で間違いが見つかって税金を納めることになったとしても、本来払うべきものだったんだから払うしかない』と覚悟を決めている人」の2パターンに分かれる

★税務調査後の修正申告の本税(法人税・地方法人税・消費税・事業税・地方法人特別税・県民税・市民税)だけでなく、附帯税(過少申告加算税や重加算税、延滞税など)までちゃんと気にする社長様が結構いる。


税務調査で指摘されやすいポイントをリストアップしてみた!

ゴルフ会員権の値下がり損は経費になりません!

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税務調査でも指摘されやすいゴルフ会員権の取扱い。

ゴルフ会員権には、「株式形態」と「預託形態」という2つのパターンがありますが、今回は代表的な「預託形態」のゴルフ会員権に限定してお話をしていきます!

税務調査で評価損の計上が認められるのは「例外的」なこと

ゴルフ会員権ではないのですが、「売買目的有価証券」に区分される有価証券については、税務調査官も評価損の計上を認めてくれます。

短期的な売り買いによって利益を得ることを目的に購入したもの(これが「売買目的有価証券」です)であれば、期末に所有しているものは、近い将来「売る」ことが前提となっているので、その評価損を経費にしていても、税務調査官は何も言いません。

しかし、これは例外的な取扱いであり、「値上がりしている」「値下がりしている」と言ったって、実際に「売って」みないと、損するか、得するかは分かりませんよね。

そんな「アヤフヤ」な利益や損失を元に法人税を計算することは、基本的には税務調査官は認めてくれない、ということです。

「ゴルフ会員権」には「売買目的有価証券」的な取扱いはない!

確かにゴルフ会員権についても、「相場のようなもの」があるかもしれませんが、上場株式の東京証券取引所のような確固たる取引相場がある訳ではありません。

ですから基本的に、ゴルフ会員権は、買った値段で売れなくなったとしても、税務調査官は評価損を経費にすることを認めてくれません

「貸倒引当金を設定」することはできる!

評価損の計上以外にも、税務調査で認められる経費の計上方法があります。

そのゴルフ場を経営する会社に「一定の出来事」が起こった場合には、帳簿上のゴルフ会員権の金額の50%相当額を、貸倒引当金として設定することができるのです

これは、「お金が返ってこないかもしれない!」「お金が返ってこない可能性が高い!」から、それが分かった時点で、半額分だけ先に「損失の見積り」として特別に経費にしても、税務調査で問題視しないよ、というものです。

「貸倒引当金を設定する」とは、帳簿上
(借方)貸倒引当金繰入/(貸方)貸倒引当金
という仕訳を切ることを言います。

この借方の金額が損益計算書に飛び、経費になります。

また、貸方の金額が、貸借対照表に飛び、ゴルフ会員権の帳簿上の金額を減らす存在となります。

「一定の出来事」とは、「会社更生法や民事再生法の申立て」などがあった場合です。

そのまま進んで、最後の段階である「会社更生法の更生計画認可の決定」などがあれば、そのゴルフ場を経営する会社に融資していた金融機関の債権は、法律上「貸倒れ」となり、回収することができなくなります。

そのゴルフ場のゴルフ会員権を持っている会員も、それと似たようなものなので、特別に「申立て」の時点で、「半額分の見積り損失の経費計上」が認められる訳ですが、実は、認められるためには、もう一歩「アクション」が必要です。

これがないと、税務調査で認めてもらえません。

必要な「アクション」は「退会届を提出」すること!

ゴルフ場にお金を出しているのは同じでも、そのゴルフ場の会員である御社と、お金を融資している金融機関では、そのお金の性質が違います。

金融機関が融資したお金は、「金銭債権」です。

後から返してもらうものです。

それに対して、ゴルフ場の会員である御社が支払ったお金は、確かに「退会したら後で返してもらえるお金」「預託金返還請求権」)の性質(権利)もあるのですが、「ゴルフ場を使うために支払ったもの」「施設利用権」)の性質(権利)がメインとなっています。

ですから、「50%経費に落としたい」という場合には、その「権利」を、100%返してもらうお金(金銭債権)にする必要があります

「ゴルフ場を使うために支払ったもの」の性質を失わせる必要があります。

つまり、退会することにより、もうそのゴルフ場でプレーできなくなることにより、その支払った「お金」全額が、「返してもらうお金(金銭債権)」になるのです。

「会社更生法の更生計画認可の決定」などがあれば、「貸倒損失の計上」が可能!

今、お話したような「半額分の見積り損失の経費計上」については、そのゴルフ場を退会することにより、購入金額の全額を「金銭債権化」する必要があるのですが、最後の段階である「会社更生法の更生計画認可の決定」「民事再生法の再生計画認可の決定」があると、お金を融資していた金融機関が返してもらえなくなるのと同様、そのゴルフ場の会員である御社は、退会したら後で返してもらえるはずだったお金(「預託金」)の一部が返してもらえなくなります。

この「返してもらえなくなった部分」(返してもらえなくなることを「切り捨て」と言います)は、まさに「損失そのものの金額」ですから、「貸倒損失」として、税務調査官も経費計上を認めてくれます

「貸倒損失」として経費に落とす場合には、「退会届の提出」は不要!

先ほど、「貸倒引当金を設定」する際には、退会することにより、そのゴルフ場でプレーできなくなることが要件だとお話しましたが、「貸倒損失を計上」する場合には、退会する必要はありません

これは、法律上「切り捨て」により、お金が返ってこなくなる訳なので、実際に、預託金返還請求権としての金銭債権が明確に消滅していると考えられるためです。

「施設利用権」と「預託金返還請求権」が併存しながら、「預託金返還請求権」の一部が消滅したのです。

ですから、最終的に貸倒損失を計上する段階(「会社更生法の更生計画認可の決定」「民事再生法の再生計画認可の決定」)になれば、多額の経費を計上できますので、そのゴルフ場を今後も使いたいのであれば、特段早めに経費計上したい場合を除き、「会社更生法や民事再生法の申立て」などがあった時点で、「半額分の見積り損失の経費計上」を狙って、プレー権を放棄(「退会届を提出」)しない方がいいですからご注意を!

経費にしたいのであれば売っちゃうこと!

基本的に、ゴルフ会員権は評価損を経費にすることができない、とお話しましたが、実際に売ってしまえば、その譲渡損は「実現した損失」なので、税務調査で問題となることはありません。

100万円で買ったのに、売ったら20万円だった、という場合の差額の80万円です。

これは「貸倒損失」と同様、実際に発生した「損失」ですからね。

でも、売る場合に注意すべき点があります。

売った後に買っちゃダメ!

ゴルフ会員権を知人等に売却し、その後すぐに、知人等から(又は他の誰かを迂回して)買い戻す(「クロス取引」と言います)と、確かに譲渡損が計上されますが、実態としては「ずっと保有していたのとほぼ同じ」と考えられます。

ですから、このような場合には、税務調査官はその譲渡損を経費にすることを認めてくれません(場合によっては税務調査によって「悪質な行為」と見なされ、重加算税の対象となります)

会議費が税務調査で交際費と疑われないようにするための工夫

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「金額が安ければ、会議の実態が伴っていなくても、税務調査で『会議費』として認められるだろう」と考えるのは間違いですよ!

税務調査で単なる飲み食いじゃないことを証明できるようにしておきましょう!

税務調査官が重要視するのは、その集まりの「目的」です。

秘匿性の高い会合のためホテルを使用したり、エリア的に高いお店しかないようなところで会議をせざるを得ないような場合には、例え金額が高くても、税務調査で会議費として認められます。

会議開催のための「稟議書」や開催時の「議事録」、「タイムテーブル」や「案内状」など、会議の実態が分かるものを、税務調査の際の回答資料として使えるように、保管しておきましょう。

耐用年数を軽く考えない!税務調査で「どうしてその耐用年数なの?」と聞かれても、すぐに答えられるように耐用年数選定の根拠資料を残しておく!

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耐用年数の選定を間違えると、毎期ずっと間違ったまま計算してしまい、税務調査で指摘されて、初めて間違いに気付く、なんてことになるのが減価償却費の怖いところです!

耐用年数の選定は結構難しい!

固定資産を購入し、それを何年で経費にしていくかは、資産の種類や構造、用途、又は細目等に応じてきちんと決められています。

ただし、その固定資産が、どの区分に該当するかは、判断が難しい場合も結構あります。

固定資産を購入した時に、「勘で」とか、「何となく」「雰囲気で」あまり考えずに耐用年数を選んでしまうと、税務調査の際に質問されても、「自分は購入当時、なぜこの耐用年数を選んだんだろう?」と悩む結果となります。

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これ、「税務調査あるある」です。

選定の理由が曖昧だと、税務調査官に「適当に短めの耐用年数を選定したのでは?」と思われてしまうかも!

「こう考えて、こう選んだ」という選定ストーリーをきちんと記録に残しておきましょう。

記憶が曖昧だと、税務調査官の主張に対抗できません。

間違えると毎年税務リスクが積み重なっていくので、減価償却費の計算はちゃんとやらないと怖いんです!

税務調査で耐用年数の選定ミスが発覚すると、前期の減価償却費も修正、その前の期も修正、さらにその前の期も修正、と1期の修正では済まなくなってしまいます。

購入金額が大きいと、結果として減価償却費のズレも大きくなるため、修正税額も多額になる可能性があります。

そんな苦労をしないように、固定資産を購入した際には、きちんと根拠を明確にして耐用年数を選定してくださいね!

役員やその親族からの借入は貸す側の資金源もチェック!

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貸してくれる人に収入がないと、税務調査官から会社の裏金を入金したと疑われる危険性がありますよ!

銀行から融資を受けずに役員が自己資金を入れることはよくあること

会社の資金繰りが厳しい時に、社長その他の役員や、その親族からお金を借りて急場をしのぐケースは、中小企業において結構ありますよね。

「銀行に利息を払いたくない」というのが一番の理由でしょう。

税務調査官に「そのお金、どうやって稼いだの?」と言われても大丈夫か?

会社の資金繰りが悪いと、社長が自分の給与を下げたりもして対応しますよね。

給与を下げるということは、社長の手元にお金がないはず、ということです。

その社長が突然、会社に多額の貸付けを行ったら、税務調査官は、「そのお金、どうしたの?」と聞かずにはいられません。

税務調査官は、個人として社長がお金を持っていないはずなのに、多額のお金を会社に入金したとしたら、それって会社の裏金?と興味がわいてきちゃうんです。

資金源泉を証明できるようにしておく!

定期収入が少ないのに会社に多額の貸付けができる理由として、
○「相続で多額の預金を相続している」場合には、その相続税の申告書の控などの資料、
○「不動産の売却代金の入金があった」場合には、売買契約書や売却年の所得税の確定申告書の控えなどの資料、
○「過去のサラリーマン時代に稼いでいる」場合には、当時の給与明細や給与の振込口座の通帳など、
を税務調査官に見せられるようにしておきましょう

子会社に費用負担を押し付けると経費になりません!

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経営戦略上、子会社を設立して事業を移管しつつ、親会社との一体感を保ちながら、グループ全体で売上を伸ばそう、とする手法は、よく見られます。

子会社は親会社とは全くの「別会社」!社内の事業部門的な感覚でやり取りしちゃダメ!

一体感があるのはいいことですが、お金の使い方はきちんと区別しないと、税務調査で痛い目にあうことになります。

子会社はあくまでも「別会社」。

「会社は利益を追求するもの」と考えられているので、親会社、子会社、それぞれ自社の費用のみを負担し、相手の費用を負担しないのが前提です。

それを崩してしまうと、税務調査官に「それはおかしい!」と言われてしまいます。

子会社が利益が出ている時が注意!

親会社があまり利益が出ておらず、資金的にも厳しく、子会社が利益が出ていて、資金が潤沢にあるという場合、親会社の経費を、子会社に支払わせようとする誘惑にかられることがあります。

子会社ならお金もあるし、子会社が支払って子会社の経費になれば、子会社の税金が減る、という安易な発想によるものです。

税務調査で問題にならない訳ないですよね。

相手のためにお金を払うのは「寄附」になります

会社がお金を払う場合、何かをやってもらって、その対価として支払うのであれば、それは経費になります。

しかし、何にもやってもらっていないのに、お金を払うということは、その相手に「寄附」をしたのと同じです。

そのような支払いを見つけた時、税務調査官は、「これは寄附になりますよね。」と言います。

「寄附」をする時って、見返りを求めませんよね?

つまり子会社が、本来は親会社が負担すべき費用を支払った場合、事業をしていくために必要な支払という経費性が乏しいので、無条件で経費にはなりません

寄附金には経費の枠がある!

税務上の「寄附金」になると、一定の算式で計算した枠までしか、経費として認められません。

その枠を超えて支払った金額は、お金が社外に出ているのに、経費にならないのです。

また、100%の資本関係がある法人間の「寄附金」の場合には「枠」は「0」です。

どういうことかと言うと、1円も経費になりません

その費用は誰(どの会社)が負担すべきものか、をきちんと考えること!

親子会社間の力関係により、親会社は子会社に費用負担をさせようとしがちである、子会社はその提案を断れない、ということを税務調査官は分かっています。

その費用の支出が、どちらの会社にも関係しそうだ、というものの場合、なぜその会社(親会社なり子会社)がその費用を負担するのかを、何となくではなく、きちんと税務調査官に説明できるようにしておくことが必要です。

もし、両社のどちらの事業にも絡む、という場合には、何割かずつ負担する、ということになると思いますが、その場合にも、なぜその割合にしたのか、という「根拠」を、税務調査官に説明できるように明確にしておきましょう!

退職金が未払のままだと経費として認められなくなります!

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金額に妥当性があったとしても、ずっと払われない費用を、税務調査官は経費として認めてくれるでしょうか?

退職金をいくら払ってもそれは会社の勝手!

退職金、特に役員退職金については、親族で経営していることが多い中小企業の場合、「自分の家族に払うんだからいっぱいあげちゃえ」ということで、金額が多額になることがあります。

それは、税務調査官も分かっています。

家族にいくら払おうと、税務調査官はそれを止めることはできません。

しかし、それが全額会社の経費なるとは限りません

大して会社に貢献していない数年勤務しただけの平の取締役と、永年にわたり会社の成長発展に多大なる貢献を果たした創業社長で、退職金が同額だったらおかしいですよね?

たくさん給与を払って、会社の業績アップに貢献してくれれば、その給与は「経費性」がある、と言えます。

だから経費になるんです。

退職金には、給与の後払い的な性格がありますから、会社への貢献度合いが高い役員に対する退職金であれば、「経費性」が認められ、経費になります。

会社への貢献度合いが「2」しかないのに、「10」払ったら、「2」に対応する金額には経費性はあるけれども、「8=10△2」に対応する金額には経費性はない、と税務調査官は言う訳です。

この「8」に対応する金額が経費にならない、ということになります。

役員退職金の基準となる計算方法はあるにはある!

「じゃあ、その貢献度合いに見合った『2』に対応する金額というのは、どうやって計算するんだい?」という話になると思います。

法人税法上、決められている訳ではありませんが、一般的には次の算式で計算されます。

税務調査官も、この算式で計算してきます。

最終月額報酬×勤続年数×功績倍率

「功績倍率」と言うのは、役職を含めた会社への貢献度合いに応じた割合です。

「『最終月額報酬』となっているけれども、じゃあ、最後の月だけ報酬を上げればそれを使って計算できるの?」なんて声が聞こえてきそうですが、そんな幼稚な技が税務調査官に通じる訳はなく、急激に上がっている場合には、最終月額報酬をそのまま使うのではなく、それ以前の役員給与の金額も総合勘案して、この部分を計算します。

ずっと未払になっている理由は?

先ほどの算式で計算した金額以下であれば、役員退職金は経費になるのですが、それは、「きちんと支払われている」ことが前提です。

例えば、役員退職金が経費になっているにもかかわらず、何年間も未払のままになっているとしたら、どうでしょうか?

相手が取引先であれば、手形で支払ったり、現金で支払うにしても、「末締め翌々月払い」なんてこともあったりして、現金を支払うのを先送りできたりするかもしれませんが、今回の相手は(個人事業主ではなく)一般個人です。

そして、支払う退職金は、「給与の後払い的性格」があるのですから、通常は支払うことが決まったら、すぐに支払われるのが当然ですよね。

それがなかなか支払われずに、未払いのままになっている、ということは、利益が出たので、税金を少なくするために、なかば強引に役員退職金を支給した、又は、役員退職金を増額した、のではないか、というように税務調査官に見られてしまいます

ですから、「ちょっとずつでも払っていればいいだろう」というのは大間違いで、「なぜ未払になっているのか」の説明が税務調査官にきちんとできるかがポイントとなります。

税務調査官から悪質な利益操作と見られると、重加算税の対象となる可能性もありますので、ご注意を!

稼働していない、管理していない資産の減価償却費は税務調査で否認されます!

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「減価償却」の考え方と、「未稼働資産」と「稼働休止資産」の違いを押さえましょう!

資産の購入金額はどのように経費になるのか?

資産を購入した場合、通常の資産は、何年かにわたり使っていきますので、その購入金額を何年かにわたって経費にしていきます。

その購入した事業年度で全額経費にすると、「経費が多過ぎる」と税務調査官に指摘されてしまいます。

この経費を「減価償却費」と言います。

資産は購入すれば経費になるのか?

減価償却費として、資産の購入金額を経費にするためには、その資産を使っていること(事業の用に供していること)が前提です。

仕事のために使われていない資産は、その事業の役に立たないので、経費にすることができません。

例え「使われている」としても、「仕事のため」ではない場合、例えば、社長の個人的使用のために使われている場合には、その資産の購入金額を減価償却費として経費にすることはできません。

例えば、社長が会社のお金で車を買って、両親にタダで使わせているような場合です。

税務調査官は、その使途を重要視します。

車が「使われている」のは間違いありませんが、「仕事のため」ではなく、「社長の親孝行のため」ですので、税務調査官は会社の経費として認めてくれません。

「未稼働資産」と「稼働休止資産」

全く稼働せず、放置されている資産を「未稼働資産」と言います。

これは、原則的な「使われていない」資産に該当しますので、減価償却費を計算しても、税務調査官は経費として認めてくれません

それに対し、稼働していないのは同じですが、いつでも使える状態に整備されている資産「稼働休止資産」と言い、この稼働休止資産に該当すれば、特例的に、税務調査官は減価償却費を経費として認めてくれます

法人税基本通達

(稼働休止資産)

7-1-3 稼働を休止している資産であっても、その休止期間中必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものについては、減価償却資産に該当するものとする。(昭55年直法2-8「十九」により改正)

(注) 他の場所において使用するために移設中の固定資産については、その移設期間がその移設のために通常要する期間であると認められる限り、減価償却を継続することができる。

「未稼働資産」と認定されやすいパターンとは?

「この資産は確かに使われていませんが、いつでも使えるように維持管理していますよ!」と口で言うだけでは、税務調査官は信じてくれません。

税務調査官との会話の中で、次のような状況が明らかになっていると、いくら稼働休止資産だと主張しても、未稼働資産と認定されてしまう可能性が高くなります。

故障したまま放置されている

故障して使える状態にない、そして、故障したのがずいぶん前である、という資産だと、税務調査官に「いつでも使える状態にある」とはとても言えませんので、未稼働資産に該当する可能性が高くなってしまいます。

たまたま最近故障した資産であれば、未稼働資産と見られないように、修理の発注書や見積書などを税務調査官に提示できるようにしておきましょう。

消耗品や予備の部品が購入されていない

「いつでも使える状態にある」というのは、「スイッチを入れれば動く」というような意味ではありません。

実際に事業の用に供している他の通常の資産と同じような取扱いになっている、ということです。

当然、オイルなどの消耗品や、一定期間使用したら交換しなければならない部品が必要になってくるはずです。

これらのものが購入されていないとしたら、税務調査官に「いつでも使える状態にある」とは主張しづらくなります。

電源が撤去されている、電源が来ていない

電気が来ていなければ、使うことができません。

「電気を入れれば動く」だけでは、稼働休止資産にはなりません。

すぐに動いて「いつでも」使える状態にあることが要件となります。

ホコリまみれである

製品を製造している機械や建物などであれば、毎日メンテナンスをし、掃除も行き届いているはずです。

稼働休止資産も同じような状態であることが要件となります。

ホコリだらけである時点で、税務調査官に稼働休止資産と主張するのは難しくなります(そんな状態で製品を製造しませんよね!)。

「稼働休止資産」であることの証明方法

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では、稼働休止資産であることを税務調査官に分かってもらうためには、どのような工夫をすればいいのでしょうか?

外部への支払いについての注意事項

その資産の「維持管理」にかかっている費用の領収書や請求書を、税務調査官にすぐに見せられるようにしておくことです。

領収書や請求書があっても、「これは他の通常の稼働している資産の分なのではないか?」と税務調査官から質問される可能性があります。

その場合には、「同じメンテナンスの費用でも、他の資産の分はこっちです」と、税務調査官に即答できるように、維持管理費用の内訳を把握しておきましょう

内部の管理についての注意事項

また、会社内部の管理書類の中で、その資産の掃除や試運転を実行した日付等を記録しておきましょう。

会社内部の書類は、税務調査官から「後から作ったのでは?」と疑われる可能性もあります(自分が税務調査官の立場だったら、そういうことも考えますよね)。

そう税務調査官に思われないようにするにはどうすればいいかと言うと、他の通常の稼働している資産と同じように管理記録を取る、ということです。

その資産だけ別のノートだったりしたら、逆に税務調査官に怪しまれますのでご注意を。

もし使わないのであれば除却する!

「稼働していない資産を経費にするのは大変だなあ~。」とお感じになるのであれば、その資産の除却(又は売却)も検討しましょう。

除却すれば、その資産の簿価(購入金額から過去の減価償却費を差し引いたもの)は税務調査官も経費として認めてくれます。

除却することにより、工場や事務所のスペースが有効に使えるようになったり、メンテナンスに係る費用を節約できたり、新しい高性能の設備を導入することで生産性を上げたりすることもできますよ!

棚卸資産(在庫)は税務調査で必ずチェックされる!

棚卸資産って何?

棚卸資産とは、簡単に言うと、「仕入れたけど売れなかった商品」「作ったけど売れなかった製品」などのことを言います。

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商品や製品は、売れた分だけが経費になります。

この点を押さえておかないと、税務調査で大変な目に遭いますよ!

例えば、単価1,000円の商品を購入して、その期に6個売れた場合、6個分(1,000円×6個=6,000円)は経費になりますが、売れなかった4個分(1,000円×4個=4,000円)は経費になりません。

この単価1,000円の商品を1,500円で販売するとしましょう。

売上1,500円×6個=9,000円
経費(原価)6,000円
差引(粗利)9,000円△6,000円=3,000円

ということになります。

1,000円の物を1,500円で売るんですから、500円儲かる、それが6個売れたんだから、500円×6個=3,000円儲かる、とも計算できます。

もし、仕入れるのにお金がかかったからといって、10個分が丸々経費になると仮定すると、

売上1,500円×6個=9,000円(4個分は売れていないんですから売り上げは立ちませんよね)
原価1,000円×10個=10,000円
粗利9,000円△10,000円=△1,000円

となり、赤字になってしまいます。

これでいいんでしょうか?

もし、次の期に残りの4個が売れたとすると、この計算方式では、

売上1,500円×4個=6,000円
原価0円(この期は仕入をしていませんし、4個分の原価は、前の期に計上済ですからね)
粗利6,000円△0円=6,000円

となります。

6個売れた期が1,000円の赤字で、4個しか売れなかった期が6,000円の黒字です。

おかしいですよね。

そこで、期中は10個仕入れて10,000円の経費を計上しつつ、決算時に売れなかった商品の数をカウントし(これを棚卸と言います)、その分の金額を10,000円からマイナスします。

今回のケースであれば、1,000円×4個=4,000円を10,000円からマイナスし、原価10,000円△4,000円=6,000円と計算します。

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この計算をきちんとしないと、売れていない商品の原価が先行して経費になってしまうので、税務調査で問題となりますよ!

棚卸資産の金額は法人税にどう影響するの?

今回のケースの場合、決算時に棚卸を行い、「4個」商品が売れ残って倉庫にある、ということが分かれば、正しい粗利を計算することができますよね。

でも、棚卸をテキトーに行い、倉庫の中をくまなく見ることなく、目についた「2個」だけを在庫としてカウントしたらどうなるでしょうか?

10,000円△(1,000円×2個)=8,000円
が原価となり、

粗利は
9,000円△8,000円=1,000円
となります。

正しくは、
(6個分売上)9,000円△(6個分原価)6,000円=粗利3,000円
となるところが、1,000円になってしまうんです。

当然、利益が減る訳ですから、税金も減ります。

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つまり、棚卸の金額が少なければ少ないほど、粗利益も減って、税金も減るということになる訳です。

税務調査官は、棚卸について、利益調整していないかという目で見ますからね!

このように、在庫の金額で、利益が簡単に変わります。

期末に慌てて決算対策と称してお金を使ったりしなくても、単価や数量をいじくるだけで利益や税金を変えることができてしまうのです。

お金を払って領収書をもらうような話であれば、相手がいますので、無茶はできませんが、在庫の金額を決定する際には、取引先などの外部の人は関係ありませんからね。

それは、税務調査官も知っています。

ですから、「税金を払いたくない」社長の会社は、在庫の金額や数量を意図的に少なく計上しているのではないか?と、税務調査官は疑って見てきます

売上との対応関係が棚卸の税務調査のキーポイント

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「決算期末なんて遠い過去のことだから、在庫がどれだけ有ったかなんて、税務調査官だって正確には分からないだろう」というのは甘いですよ!

例えば、期末間近に商品A・B・C・D・E・Fを仕入れたとしましょう。

商品A・Bは期中に売れて、商品C・D・E・Fが在庫として残っていたのに、利益を減らすために、在庫は商品E・Fしかなかった、として粗利を計算したとします。

商品を仕入れた順に売るとすれば(通常はそうですよね)、税務調査官は期末間近の売上の計上をチェックします。

主に売り先に渡した請求書の控を見ます。

そうすると、商品Aから商品Bまでの売上が計上されていることを把握します。

そして、商品C・D・E・Fの売上が計上されていないことを突き止めます。

商品C・D・E・Fは売れていないんだから、在庫に含まれているはずですよね。

でも在庫は商品E・Fしかない。

商品C・Dが在庫に計上されていませんね、とすぐに税務調査官にバレてしまいます。

税務調査官が次の期の期首の売上をチェックする場合もあります。

特に、最初の仕入が発生する前の売上を見ます。

売り先に渡した請求書の控を見ると、商品C・D・E・Fの売上が計上されています。

まだ仕入が発生していない時期の売上ということは、前期のうちに仕入れていたものを売った、ということになります。

ということは、当然、前期末においては売れていなかったわけですから、在庫に含まれていないとおかしい、ということになります。

在庫は商品E・Fしかない。

商品C・Dが在庫に計上されていませんね、とこれまたすぐに税務調査官にバレてしまいます。

税務調査では、仕掛品の方がさらに突っ込まれやすい!

今までのお話は、仕入れてきた「商品」や、当社で製造して完成した「製品」の話です。

棚卸には、実はこれ以外の物もあり、「仕掛品」という物もあります。

これは、製品として完成する前の状態の物を言います。

材料代や人件費などをかけて、製品にする途中の段階の中途半端な物という感じです。

製品を作るためには、「材料費」「労務費」「外注費」「経費」がかかります。

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その製品が機械だとすると、1つ1つの機械について個別に材料を発注したりはしないため、「材料費」のうちのいくらが、その仕掛品に投入されたのか?同じく「労務費」についても、その機械を途中まで作るのにかかった人件費は?というのをきちんと計算する必要があります!

税務調査では、仕掛品についてのきちんとした計算根拠がないと苦しい!

仕掛品は、完全に「計算で出すもの」です。

計算で金額を出さざるを得ないものであるため、税務調査官もその計算根拠に不備がないかを厳しくチェックしようとします。

仕掛品が間違っていた時に税務調査でダメージが大きい会社とは?

製造工程が長い製品を作っていると、製品として完成するまでに、いろいろな費用がかかっているはずです。

完成間近に決算を迎えたものであれば、完成した製品と同じぐらいの製造コストのはずです。

それだけの棚卸の金額が計上されているかをチェックしましょう。

また、単価が高い製品の仕掛品も、税務調査では要注意です。

単価が高いと、必然的に棚卸の仕掛品の金額も大きくなります。

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

税務調査で計算方法の誤りを指摘されて、数%を修正するだけでも、大きな金額になる場合がありますから、ご注意を。

専属下請先の従業員に結婚祝を渡すと税務調査で給与課税される?

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

当社の専属下請先の従業員から、結婚の報告を受けました。

当社の社員ではありませんが、当社専属ということで、当社の従業員と同じように働いてもらっています。

本人にお祝いを渡し、会社としては、福利厚生費として経理しようと思いますが、税務調査で問題になりますか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

業務委託のために要する費用等として取り扱われますので、経費にして差し支えありません。

給与などの源泉徴収が必要な支払いにも該当しませんので、源泉徴収も不要です。

したがって、税務調査で問題になることはありません。

高級応接セットを経費に落とすと税務調査で否認される?

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

高級家具店で応接セットを購入しました。

購入金額は115万円ですが、請求書を見ると、内訳がテーブル25万円、椅子90万円(1脚15万円×6脚)となっています。

金額が大きいので資産として計上しようと思っていたのですが、知り合いから「テーブル・椅子を個別に1つ1つ見ていくと30万円未満だから全額経費になる」と言われました。

全額経費にすると、税務調査で指摘されるでしょうか?

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「中小企業者等」に該当すると、30万円未満の資産を購入し、事業に使った場合、購入金額全額を一時の経費にすることが認められます(合計で年間300万円という枠があります)。

ただし、この「30万円未満」は、通常の取引単位毎に判定することになっています。

応接セットはテーブルと椅子全体で取引(売買)されるものですから、そのセット全体で30万円未満かどうかを判定することになります。

結果として30万円以上となりますので、この応接セットは資産として計上する必要があります。

税務調査官にもチェックされるでしょう。

建物の除却損と取壊費用を経費にしたら税務調査で否認される?

通常、建物を取り壊せば、その建物の簿価(帳簿上の金額)と取壊費用が経費になります(「建物がなくなってしまうという損失」と、「取り壊すために業者に支払う費用」)。

当然、税務調査官も何も言いません。

ところが、同じように建物を取り壊した場合でも、経費にならない場合があります。

実際は土地だけが欲しかったんだけど、上に建物が建っていて、しょうがなく建物も一緒に買った、でも邪魔だからすぐに取り壊した、という場合です。

この場合、会社は建物を買っていますが、建物が欲しくて建物にお金を出した訳ではありません。

あくまでも土地を手に入れるためにお金を出したのです。

そして、自分が自由に使える状態の土地にするために、建物の取壊費用を支払いました。

つまり、どちらも土地を買うためにお金を出しているのです。

したがって、(売買契約書上の①土地代+②建物代)+(業者に支払う③取壊費用)を土地として計上しなければなりません。

税務調査官は、建物を取り壊した後の土地の利用状況を細かく聞いてきます。

②③を固定資産却損などの経費にすると、税務調査で否認されますから、ご注意を。

社葬の際の香典収入を会社の収入に計上しないと税務調査で問題になる?

お葬式の費用は、通常、故人の遺族が負担しますが、会社の社長などがお亡くなりになった場合、会社の規模や故人の経歴などによっては、社葬という形で葬儀を行う場合もあると思います。

この場合、金額的に高過ぎると税務調査で経費性の問題が指摘されることも考えられますが、そうでなければ、その社葬費用を会社の経費(福利厚生費)にすることができます。

社葬と言うからには、会社の式典ですので、そこで参列者から受け取る香典は、会社の売上に計上しないと、税務調査で問題になりそうな気がするかもしれません。

しかし、これは会社の売上にしなくても良いことになっています。

香典は、死者を弔い遺族を慰めるために霊前に捧げるものであり、会社に対して支出されるものではないからです。

ですから、遺族が受け取っても、税務調査で問題にはなりません。

税務調査で問題とならないカーテンの経理方法は?

税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

当社は、全10室のアパートを建築したニャ。

各部屋にカーテンを取り付けて、全体で50万円かかったニャー。

各部屋ごとに見ると10万円未満なので、全額経費として計上しようと思うニャー。

税務調査で問題になるかニャン?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

資産を購入して事業に使用した場合、取得価額が10万円未満である場合には、全額を購入使用した事業年度の経費にしてよいことになっています。

お客様のアパートのカーテンについては、カーテン1枚1枚で機能を発揮するものではなく、1つの部屋の中で複数のカーテンが組み合わされてその機能を発揮しますので、部屋ごとでその取得価額を考えることになるものと思われます。

したがって、各部屋ごとのカーテンの取得価額は50万円÷10室=5万円となり、10万円未満であることから、全額経費として計上できるものと思われます。

税務調査で問題となることはありませんよ!

地方の営業所で本社役員を接待したのが税務調査でバレると問題になる?

得意先や仕入先など、「事業に関係ある者」等を接待した場合の費用は、交際費として会社の経費になります(経費になる枠はありますが)。

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それでは、会社のお金で社内の人間を接待した場合にはどうなるでしょうか?

会社のお金を私的に流用したことになり、税務調査で問題になるのでしょうか?

実は「事業に関係ある者」には社内の人間も含まれるため、例えば本社の役員が地方の営業所等に出張した際に食事やお酒で接待した費用も、交際費として会社の経費になります。

税務調査で私的流用(=「会社から給与をもらったのと同じ、源泉所得税を払いなさい」)と言われることはありません。

ただし、これを読んで「社内の人間に飲み食いさせたら何でも経費になる」と考えたら大間違いです。

出張で地方に来た役員を接待すれば、その費用は仕事上での交際費(いわゆる「社内交際費」)ですが、私的な旅行で地方に来た役員の飲食代を負担したり、ましてや宿泊代・交通費を負担したことが税務調査でバレれば、「会社が個人的費用の負担をした場合には給与を支払ったのと同じ」という考え方のもと、その支出は役員に対する給与扱いとなり、源泉所得税の対象となるとともに、会社の経費にもならない、と税務調査官に指摘されてしまいますので、ご注意を。

工場建設後の住民対策用共同アンテナの設置

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

先月、新工場を建設したのですが、その工場の近隣住民の方から、「工場が建ってからテレビが映らなくなった」というクレームの電話が相次ぎ、調査したところ、新工場に原因があることが分かりました。

近隣住民の方との間では、当社の負担で共同アンテナを設置することで話がまとまりました。

金額的には200万円ぐらいかかってしまったのですが、経費として計上しても、税務調査で税務調査官に問題視されないでしょうか?

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工場の完成引き渡し後に発生した費用であり、共同アンテナの設置により工場の価値が上がるわけではなく、またその設置が御社の売上増などに貢献する訳ではありませんので、損害賠償金(経費)の計上でOKです。税務調査で問題になることはありませんよー!

パソコン買ったらソフトの部分は別経理?!

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最近のパソコンは、買うと最初からいろいろなソフトがインストールされています。

パソコンは「電子計算機」に該当し、「器具備品」という資産として帳簿に載せることになります。

でも、ソフトは通常「ソフトウェア」という別の資産(無形固定資産)として帳簿に載せなければなりません。

税務調査では、税務調査官が資産の取得状況や経理処理をチェックします。

買った値段をどうやって「器具備品」と「ソフトウェア」に分ければいいの?と不安に思った方。

大丈夫です。

一般的なパソコンであれば、全額を「器具備品」に計上できます。

なぜなら、入っているソフトのうち、OSなどの基本ソフトは、パソコンが動くためになくてはならないものですのでパソコンの一部と考えられますし、それ以外のソフトは、パソコンを買う上でのおまけのようなものだからです。

ただし、パソコン本体とソフトの金額がきちんと区分されて分かる場合には、「器具備品」と「ソフトウェア」に分けて計上する必要がありますので、注意してくださいね!

募金しなくても寄附金

A社がB社の社長から原材料を仕入れる場合(A社の社長とB社の社長は友達同士です)、B社の業績がちょっと悪いので、相場よりも高い値段で仕入れたとします。

A社は仕入金額が増えることにより、儲けが減り、税金が安くなります。出ていくお金も減りますが、友達の会社にお金が移転するので、A社の社長はそれほど損した気分にはなりません。

B社の社長も原材料が高く売れて喜んでいます。良かった良かった。

そんなうまくはいきません。

税務調査で問題になります。

仕入値と相場との差額は、税法上「寄附金」になります。

相場が100万円の原材料を110万円で仕入れた場合、お金は110万円動いていますが、それは相場通りに100万円仕入れ、それとは別に、10万円をB社に「寄附」したと考えるのです。

「寄附金」は、経費になる限度額があります。

この限度額を超えると、いくら払っても経費になりません。

建物賃借時の出費の取扱い

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

本社事務所として使用するため、ビルの1室を借りて入居しました。その際、
①家賃2ヶ月分
②敷金
③礼金
④仲介手数料
を支払いました。
これらはどのように経理したらよいのでしょうか?

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払ったら、何でも経費になる、という訳ではありません。

こういう単発モノの取引は、会社が経理処理に慣れていないため、ミスがあることも考えられることから、税務調査では税務調査官もチェックします。

①家賃については、いつの経費になるか、債務確定基準により考えます。

これにより、原則として翌月以降分の家賃であれば、当月までの経費とはなりませんが、「短期前払費用」(支払った日から1年以内に賃貸などのサービスに係る支払いをした場合において、その支払った金額を継続して支払った期の

経費にしてOKという取扱いがあります)として、当期の経費とすることができます。

②敷金は、保証金とも呼ばれることがあります。

原則として退去時に返してもらいますので、ビルオーナーに「預けている」ような感じです。

銀行預金を経費にできないように、敷金も経費にすることはできません(返してもらうまで資産計上です)。

ただし、敷金(保証金)という名目でありながら、そのうちの一部が返してもらえないことが最初から決まっている場合があります。

その場合には、その返してもらえない部分については、「借家権利金等」という名の「繰延資産」としていったん経理(勘定科目は「長期前払費用」)し、何年かかけて経費にします。

③礼金は、全額返してもらえません。

上記②後半部分の「借家権利金等」扱いです。

④仲介手数料は不動産業者に支払いますが、これは経費として経理することができます。

同じ不動産業者に支払う仲介手数料でも、土地や建物を購入する際に支払ったものは、「土地」「建物」として経理しなければなりません。

一時的な経費というよりは、固定資産の取得のためにかかった費用なので、購入代金と同じように、資産計上する必要があるということです。

売上と原価は対で考える

税務では「売上」と「原価」の個別的対応が求められます。

商品の仕入については、売れた分しか原価に計上できない、ということです。

売れていないのであれば、今期は資産(「棚卸資産」)として計上して、翌期売れたときに原価に計上してね、ということです。

税務調査で必ずと言っていいほどチェックされるのが、期末の「売上計上」と「棚卸計上」が適正かどうかという点です。

Aという商品が売れているのであれば、Aについての売上が計上され、Aについては棚卸資産に含まれていない(手元にない)ということになります。

逆に、Aという商品が売れていないのであれば、Aについての売上が計上されないのは当然ですが、Aについては棚卸資産に含めなければなりません。

棚卸資産に含める(棚卸計上する)ということは、その分利益が増え、税金が増えることになります。

当期100円の商品を100個仕入れて全部売れたのであれば、100円×100個=10,000円の原価が計上されますが、80個しか売れなかったのであれば、20個分(100個×20個=2,000円)を棚卸資産として10,000円からマイナスします。

つまり10,000円△2,000円=8,000円しか原価に計上できません。

2,000円原価が減れば、その分、税金は増えることになります。

税務調査において、税務調査官は「期中の仕入だけしっかり計上して、売れていないのに棚卸計上していないような商品はないだろうか?」という目で見ているのです。

通常、期末において「実地棚卸」というものをします。

実際に手許に商品があるかどうか確認するのです。手許にあれば売れていないということですので、棚卸計上することになります。

それでは、逆に手許になければ棚卸計上しなくて良いのでしょうか?

実はそうではありません。

その商品が手許になくても、例えば「まだお客様のところに届いていないから売上は計上していない」という状態だったらどうでしょうか?

棚卸計上しないことにより、売上を計上していないのに、原価だけ計上されている状態になってしまいます。

期末の「売上計上」と「棚卸計上」は、税務調査で税務調査官にしつこく徹底的にチェックされますので、ご注意を。

翌期以降に値引きを受けた場合の経理方法

税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

前期において500万円の機械を購入したのだが、動きに気にニャる点があったため、メーカーに来てもらって、その原因を見てもらったニャー。

その結果、メーカー側の当初の設置不備によるものだということが分かったのだが、一度据付してしまったため、完全には直せないとのことなのだニャー。

交渉の結果、150万円の値引きをしてもらったのだが、この150万円は値引きということなので、機械装置の計上額からマイナスしても税務調査で税務調査官に問題視されないかニャン?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

150万円を丸々機械装置からマイナスすると、税務調査で税務調査官に否認されます。

仮に、前期において減価償却が10%進んで帳簿価額が450万円(取得価額の90%)になっていたとすると、値引きとして機械装置の金額からマイナスできるのは、値引額の90%相当額(150万円×90%=135万円)のみです。

残りの10%(150万円×10%=15万円)については、前期の減価償却により既に貸借対照表から消えてなくなっている部分について、お金をもらっていることになりますので、ボロ儲け的な会社の収入となりますから、注意してくださいね!

固定資産税を日割で支払ったら?

税務調査が心配な老犬社長税務調査が心配な老犬社長

先日、中古の事務所を購入したワン。

その際、その建物と土地に係る固定資産税のうち、購入日以後の当社が所有する期間(購入日~年末)に対応する部分について日割計算し、売主に購入金額とは別に支払ったワン。

直接、役所に支払った訳ではないワンが、この支払金額は、租税公課として経費に計上しても、税務調査で税務調査官に問題視されないかワン?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して課税されます。

御社は1月1日時点に土地建物を所有していませんので、その土地建物に係る固定資産税を納める義務はありません。

したがって、御社が売主に対して支払った「固定資産税相当額」は、固定資産税ではなく、土地建物の購入代金の一部という取扱いになりますので、ご注意を。

中小企業でも儲かり過ぎると中小法人の特例が受けられなくなります!

法人税の税率は、資本金1億円以下の一定の法人(中小法人)が儲け(所得金額)のうち年800万円超部分について23.4%、年800万円以下部分について19%。でもこの19%が現在、特例的に15%。その特例も期限を迎えるはずだったが、平成29年度税制改正で2年延長。
平成29年度税制改正により中小法人でも儲かっている会社(前3年平均所得15億超の会社)は年800万円以下の所得金額について15%ではなく19%の税率を平成31年4月以後開始事業年度から適用。中小企業投資促進税制・30万円未満一括経費の少額減価償却資産の特例等も同様。
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「中小企業は規模が小さいから経営が大変だよね。税金も少し負けてあげる。」という趣旨の下、中小企業は税金が安くなる特例がいっぱいあります。

でも、そんな中小企業でも、メチャクチャ利益を出しているところは、「経営も大変じゃないし、税金を負てあげなくてもいいんじゃね!」ということで、特例が使えなくなります。

使えなくなるのは、租税特別措置法上の規定のみです。

具体的には、
○15%減税率
○中小企業投資促進税制
○商業・サービス業・農林水産業活性化税制
○少額減価償却資産の特例
○研究開発税制・所得拡大促進税制の上乗せ措置

です。

他にも、次のような法人税法上の中小企業優遇措置
○軽減税率(大法人は全所得金額に対して23.4%の税率だが、中小法人は年800万円以下は低税率)
○貸倒引当金
○欠損金関係
○留保金課税

がありますが、これらはそのまま使えます

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厳密には、中小企業じゃなくて「中小法人」なんですが、この「中小法人」、資本金が1億円を超えると該当しなくなり、それ以外にも、大きな会社と一定の資本関係がある場合には、資本金が1億円以下であっても、「中小法人」に該当しなくなります。

つまり、「資本金が潤沢だったら『中小』じゃないでしょ!」「大きな会社に守られているんだったら『中小』じゃないでしょ!」ということです。

そして今回、「メチャクチャ儲かっているんだったら『中小』じゃないでしょ!」という考え方が追加された、ということです。

メチャクチャ儲かっている会社の社長さんは、税務調査で税務調査官に指摘されないように、気を付けてくださいね!

売上は金額が確定していなくても見積もりで計上する!

金額が確定していないからといって、売上を計上しなくても良いということにはなりません。

もし確定するまで計上しなくても良いということになったら、確定していないことにして、売上を翌期に回せるようになってしまいます。

手順としては、合理的に(「適当に」ではありません)売上金額を見積もって計上し、翌期、売上金額が確定したら、見積額と確定額の差額を、確定した翌期の売上金額に加減算します。

見積もった期までさかのぼって、修正申告や更正の請求をする必要はありません。

「売上の金額が決まっていないんだから、計上しようがないじゃないか!」は、税務調査で税務調査官に通用しませんので、ご注意を。

貸している資産は何年で償却?

税務調査に動じない美人社長税務調査に動じない美人社長

事情により、当社で購入した機械を他社に貸している場合、機械自体は他社にあっても、決算書上は当社の貸借対照表上にありますので、減価償却費は当社の損益計算書に計上されると思います。

ただし、当社で使っていない資産なので、減価償却費を計上すると、税務調査で税務調査官に指摘されそうな感じもするのですが、どうなんでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

レンタカーなどの貸付業用の資産を除けば、借りている方の会社の用途等により耐用年数を判断することになります。

当社の減価償却費に計上することができますので、ご安心を。

税務調査で税務調査官に指摘されることはありません。

ただし、貸しているのですから、賃料をきちんと取りましょう。

取らないと、賃料相当額を借りている会社に「寄附」していることになり、その方が税務調査で税務調査官に指摘される可能性が高いですから、注意してくださいね!

没収された手付金の経理

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

当社は、業容拡大に伴い、新しい本社事務所を探していました。

A市にいい物件があったため、契約をし、手付金を支払いました。

ところがその直後、B市にさらに条件のいい物件が見つかり、悩んだ末、このB市の物件に本社を移転することにしました。

これにより、A市の物件の契約の際に支払った手付金は、返してもらえることもなく、払い損のような感じになりましたが、別の見方をすると、B市の物件を取得するために支払った費用とも考えられる気がします。

そうなると、この手付金は経費として計上するのではなく、B市の物件の取得価額に含めることになるのでしょうか?

経費計上したら、税務調査で税務調査官に指摘されるのでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

A市の物件の購入契約とB市の物件の購入契約は、それぞれ別の取引ですので、B市の物件の取得価額に含めなくても良いものと思われます。

損になってしまったことは事実ですので、損失として経費計上することは、問題ないものと思われます。

寄附金は未払計上できない?

税務調査に動じない美人社長税務調査に動じない美人社長

会社で市に寄附をすることにし、今期、寄附申出書を提出しました。

ただし、お金を出すのは来期になります。

寄附申出書を提出したことにより、必ず寄附をすることになると思いますので、申出書を提出した今期の決算において、未払で計上し、今期の経費にしようと思います。

税務調査で問題にならないですよね?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

寄附金は、法人税の計算上、お金が出た時に経費になります。

ですから、未払では経費になりません。

税務調査があったら、税務調査官に指摘されるでしょう。

「お金が出た時」とは、現金や預金で支払った時ですので、例えば手形で支払って決済されていなければ「未払」となり、経費になりませんので、ご注意を。

地方公共団体に対する寄附金は、全額経費となりますが、寄附金には経費になる「枠」があり、寄附金の種類によっては、「枠」を超えるといくら支払っても経費になりませんので、こちらもご注意を。

社葬の際の香典収入は会社の売上?

お葬式の費用は、通常、故人の遺族が負担しますが、会社の社長などがお亡くなりになった場合、会社の規模や故人の経歴などによっては、社葬という形で葬儀を行う場合もあると思います。

この場合、金額的に高過ぎるということがなければ、その社葬費用を会社の経費(福利厚生費)にすることができます。

社葬と言うからには、会社の式典ですので、そこで参列者から受け取る香典は、会社の売上になるような感じがします。

しかし、これは会社の売上にしなくても良いことになっています。

香典は、死者を弔い遺族を慰めるために霊前に捧げるものであり、会社に対して支出されるものではないからです。

建物を取り壊しても経費にならない?

通常、建物を取り壊せば、その建物の簿価(帳簿上の金額)と取壊費用が経費になります(「建物がなくなってしまうという損失」と、「取り壊すために業者に支払う費用」)。

ところが、同じように建物を取り壊した場合でも、経費にならない場合があります。

実際は土地だけが欲しかったんだけど、上に建物が建っていて、しょうがなく建物も一緒に買った、でも邪魔だからすぐに取り壊した、という場合です。

この場合、会社は建物を買っていますが、建物が欲しくて建物にお金を出した訳ではありません。

あくまでも土地を手に入れるためにお金を出したのです。

そして、自分が自由に使える状態の土地にするために、建物の取壊費用を支払いました。

つまり、どちらも土地を買うためにお金を出しているのです。

したがって、(売買契約書上の①土地代+②建物代)+(業者に支払う③取壊費用)を土地として計上しなければなりません。

②③を固定資産却損などの経費にしてはいけません。

土地は減価償却できない資産なので、売ったりして手放すまで①②③の合計額は経費になりませんのでご注意を。

ISOを取得するために払った費用は何年かけて経費にする?

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この度、当社はISOを取得しました。

それにかかった審査登録料金については、ISO取得による取引先等に対する信用力アップの効果が来年以降にも及ぶと思うので、当期全額経費にせず、3年後の更新審査の時までの期間で月数按分しようと思います。

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ISOの取得は意義あるものと思いますが、ISO自体が法的な権利ではなく、また譲渡できないものであるため資産性がなく、また、取得しても、その後の取消し等の措置があったり、広告宣伝効果が確実にあるとは言い難い面もあることから、支出した事業年度の経費にしても良いことになっています。

機械の試運転代は何費?

機械を購入したら、最初は使い方が分からないので、分かる人にお金を払って来てもらい、教えてもらうということがよくあると思います。

この場合の支出は雑費でしょうか?

支払手数料でしょうか?

いえいえ、機械の取得価額の一部として帳簿に載せる必要がありますので、ご注意を。

資産を購入した場合、その資産の購入代金に、その資産を使い始めた(正確に言うと、本格的に使い始めた)時までにかかった費用全部を足したものが、その資産の取得価額になります。

試運転は、資産を本格稼働させるためにやることです。

ということは、試運転をした時にはまだ本格稼働していない、ということですので、機械の値段に入れる必要があります。

工場の太陽光発電設備の耐用年数

税務調査が心配な老犬社長税務調査が心配な老犬社長

当社は、食料品製造業を営んでいるワン。

自社の工場の屋根に太陽光発電設備を設置したんだワン。

この設備により発電した電力は、工場内の食材洗浄設備を稼働するために使用するんだワン。

他の会社の社長に聞いたら、太陽光発電設備については、耐用年数17年で減価償却していると言ってたワン。

当社の場合も耐用年数は17年になるのかワン?

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お話の他の会社の太陽光発電設備は、発電した電力をすべて電力会社に売る全量売電なのではないでしょうか?

その場合には17年になるものと思われます。

御社の場合にも、一次的には、その太陽光発電設備により製造される「製品」は電力なのですが、さらに、その電力を用いて最終的に製造される「製品」は食料品ですから、「食料品製造業用設備」の耐用年数「10年」を採用することになります。

LEDへの取り替えは価値アップで資産計上?

蛍光灯をLEDランプに取り替えた場合、まとめて何本も取り替えると、総額では大きな金額になることがあります。

この場合でも、基本的には資産に計上せず、修繕費として費用計上して良いこととされています。

通常、固定資産の価値が高まったり、耐久性が増すと、資産計上しなければならないこととされていますが、LEDランプに替えることにより、節電効果が向上したり使用可能期間が延びたとしても、照明設備(資産)の一部の部品の性能が高まっただけであって、その資産の価値が高まったなどとまではいえないからです。

期の途中で役員報酬は変えられる?

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

役員報酬を変更したいんですけど。

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どうされたんですか?

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以前、「期の途中で役員報酬を変えると、経費にならない部分が出てきてしまう」とお教えいただいていましたが、弊社の副社長のDが病気になってしまったため、取締役のEが新たに副社長に就任することになったんです。

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

なるほど。

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

取締役から副社長になるEの役員報酬を上げたいんですけど、上げた分は経費にならなくなってしまうんですよね?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

そういう場合には、役員報酬に変動があっても「経費にならない部分が出てくる」ということはありません。

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

そうなんですか?

「定期同額給与」(役員報酬を期中に変えていない)とされるもの

(1)その期の支給額がずっと一定

(2)次のタイミング、事由により支給額を変えたが、変える前と変えた後で、それぞれ一定
①期首から3ヶ月を経過する日まで(定時株主総会で変えるのはここに該当)
②臨時改定事由(役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更等)
③業績悪化改定事由(会社の経営悪化で役員報酬を減額)

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御社の場合には、(2)②の「職制上の地位の変更」に該当します。

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

そうですか!相談して良かったです!

接待用別荘の購入金額は交際費に該当する?

税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

重要得意先の接待に使うため、別荘を購入したニャン。

この場合、土地建物全体の購入金額が交際費に該当してしまうニャンか?

そうなると、交際費の経費枠である800万円は完全に超えてしまうため、かなりの金額が経費にならなくなってしまうニャー。

それとも、毎年の建物の減価償却費相当額が交際費に該当することになるニャンか?

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法人税法上、交際費として取り扱われるのは、簡略化すると「接待行為のために」「各事業年度において支出されたもの」とされています。

「資産の購入」という行為は、それ自体は接待行為に該当しません。

別荘を使って接待すれば、それは「接待行為」ですが、その時には「支出」がありません。

また、決算書上、減価償却費が発生したとしても、その減価償却費の金額だけ「支出」があった訳ではありません。

したがって、購入金額が交際費として取り扱われることはありません。

ただし、接待時の電気代や別荘の維持管理費などは、交際費に該当しますので、ご注意を。

役員昇格時のボーナス

税務調査に動じない美人社長税務調査に動じない美人社長

このたびの定時株主総会の決議により、初めて従業員を役員に昇格させました。

当社は従来から、役員に対して賞与を支払わないのですが、今回の7月支給の夏のボーナスについては、この者については従業員であった期間(前年12月から今年の5月)を支給対象期間とするものであったため、他の従業員と同様の基準・支給日でボーナスを支払いました。

役員に対するボーナスは、事前確定届出給与に関する届出書を提出していない限り、経費にならないのは分かっていますが、今回のような場合でも、経費にならなくなってしまうのでしょうか?

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形式的には役員に対するボーナスの支給となっていても、使用人であった期間に係る使用人分の賞与と認められますので、経費として計上することができます。

役員報酬の日割計上はできません!

決算の時に未払となっている給与(例えば給与の締日(しめび)が20日であれば、21日から期末までの期間に対応する給与)は、支払っていなくても当期の経費にすることができます。

締日後から期末までの期間に従業員の方が働いている訳ですから、それに対する給与を、会社は必ず支払わなければならないからです。

ところが役員にはこの考え方はありません。

役員は株主からの委任により会社全体に係る業務を行うものとされ、勤務時間の定めすらないからです。1ヶ月のうち1日だけ働いても、31日間ずっと働いても、役員報酬は基本的には同額になります。

ですから役員報酬については、従業員の給与と同じように期末に日割で未払を計上してはいけません。

カーナビやETC車載器を取付けた場合の経理方法

税務調査が心配な老犬社長税務調査が心配な老犬社長

営業車を買った時に、カーナビとETC車載器を取付けたワン。これらの購入費用及び取付費用は購入取付事業年度の経費にして良いのかワン?

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営業車(車両)の取得価額に含めなければなりません。

つまり、その事業年度の経費にするのではなく、いったん車両の金額に含めた上で、 減価償却を通じて各事業年度の経費になることになります。

新品の営業車であれば、耐用年数は6年になるものと思われます。

営業車が中古車であり、営業車について中古の耐用年数(法定耐用年数よりも短い年数)を使用する場合には、カーナビやETC車載器についても、その短い中古の耐用年数を使用することになります。

同じ新品のカーナビやETC車載器を取付ける場合でも、取付ける車両が新車か中古車かで耐用年数が変わりますので、ご注意を。

もらった商品券の処理

取引先から会社として商品券をもらった場合、それも収入になります。

その商品券で、会社の備品を買ったりして使ってしまえば、同額の経費が計上されますので、収入-経費=0で税金はかかりません。

使うのをためらって、毎年どんどん商品券が貯まっていってしまい、その金額が多額になると、その商品券を「貯蔵品」として資産計上する必要が出てきます。

「貯蔵品」として計上する分、収入も計上することになりますから、税金がかかります。

税金がかかるのが嫌だ!といって、社員の方に配ってしまうと、それは給与と同じですから、社員の方に所得税(源泉所得税)がかかってしまいますので、ご注意を。

上記とは違って、従業員が取引先から個人として商品券をもらった場合には、もらった従業員の所得(雑所得)になりますが、その会社からもらう給与以外に収入のない方でしたら、雑所得が20万円以下であれば確定申告は不要となりますので、おそらく税金はかからないでしょう。

ただし、「30万円分の商品券をもらって、個人的な支出に10万円分使った、残り(儲け)が20万円以下になったのだから、確定申告しなくていい」ということにはなりません。

個人的な支出は経費にならないからです。

※商品券を収入に計上する場合には、上記の例では額面で計上していますが、理論的には時価で計上すべきです。

非常勤役員に交通費を支払っていいか分からない『あなた』へ!

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当社で顧問をお願いしている方がいます。

週に1回又は2回お越しいただくのですが、その方は遠方にお住まいであるため、お越しいただく都度、新幹線代を含めた交通費の実費相当額をお支払いしています。

週2回お越しいただく事が続くと、1ヶ月の交通費が10万円(通勤手当の非課税限度額)を超えてしまうのですが、この場合、10万円を超える部分については、所得税を課税しなければならないのでしょうか?

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非常勤の役員や顧問の方が会社に来るのは、「通勤」とはみなされないため、通勤手当の非課税限度額は適用されません。

交通費として妥当な金額を実費で支払った場合には、旅費交通費と同じ取扱いとなり、源泉所得税の対象とはなりません。

建物賃借時の出費の取扱い

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本社事務所として使用するため、ビルの1室を借りて入居しました。その際、
①家賃2ヶ月分
②敷金
③礼金
④仲介手数料
を支払いました。
これらはどのように経理したらよいのでしょうか?

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①家賃については、いつの経費になるか、債務確定基準により考えます。

これにより、原則として翌月以降分の家賃であれば、当月までの経費とはなりませんが、「短期前払費用」(支払った日から1年以内に賃貸などのサービスに係る支払いをした場合において、その支払った金額を継続して支払った期の経費にしてOKという取扱いがあります)として、当期の経費とすることができます。

②敷金は、保証金とも呼ばれることがあります。

原則として退去時に返してもらいますので、ビルオーナーに「預けている」ような感じです。

銀行預金を経費にできないように、敷金も経費にすることはできません(返してもらうまで資産計上です)。

ただし、敷金(保証金)という名目でありながら、そのうちの一部が返してもらえないことが最初から決まっている場合があります。

その場合には、その返してもらえない部分については、「借家権利金等」という名の「繰延資産」としていったん経理(勘定科目は「長期前払費用」)し、何年かかけて経費にします。

③礼金は、全額返してもらえません。

上記②後半部分の「借家権利金等」扱いです。

④仲介手数料は不動産業者に支払いますが、これは経費として経理することができます。

同じ不動産業者に支払う仲介手数料でも、土地や建物を購入する際に支払ったものは、「土地」「建物」として経理しなければなりません。

一時的な経費というよりは、固定資産の取得のためにかかった費用なので、購入代金と同じように、資産計上する必要があるということです。

まず最初に押さえたい、グループ法人税制における完全支配関係(基本編)

100%持株関係のある法人間の取引等については、法人税法上「グループ法人税制」が適用され、1,000万円で買った土地をグループ会社に売って売却益が生じても、1つのグループ内(身内)でやった取引だから、儲けを認識しない、と書いたことがあります。

この「グループ法人税制」が適用される場合の「100%持株関係」は、正式には「完全支配関係」と言います。

完全支配関係は、基本的には次の3つの形態に分けられます。

グループ法人税制(基本編)

①は、親子関係のような感じです。一番分かりやすいですね。

②は、直接支配している70%+(100%直接支配しているA社を介して)間接支配している30%=100%支配という関係です。直接「又は」間接支配関係ですから、「直接」でも「間接」でも、又はどちらも有の合わせ技でもいいということです。

②は合わせ技です。

「直接」のみの場合には、①になりますよね。

③は、兄弟関係のような感じです。

A社とB社との間に直接のつながりがなくても、一の者がA社もB社も支配している訳ですから、A社-B社間の取引は一の者の思うがままという関係です。

建物賃貸時の敷金(保証金)の取扱い

以前の記事で触れた通り、借主側が支払った敷金(保証金)で返してもらえない部分については、繰延資産として経理することとなり、何年かかけて経費にします。

それでは、貸主(大家)側も、返さなくてよい敷金(保証金)は何年かかけて収入にするのでしょうか?

答えは「ノー」です。

最初から返さなくてもよいのであれば、その全額を収入として計上しなければなりません。

一定期間経過したら、一定額を返さなくてよい、という契約を結ぶ場合もあります。

その場合には、その「一定期間経過」した時に、返さなくてよくなった「一定額」を収入に計上する必要があります。

敷金(保証金)をただ預かっているだけで、後々返す場合には、当然収入に計上する必要はありません。

貸主側も、契約内容をきちんと確認しましょう。

「良番」の電話番号を取得したら?

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営業上の理由から、覚えてもらいやすい電話番号を仲介業者から購入しました。

人気のある番号なのか、かなり高額になってしまいました。

電話加入権は資産として計上し、減価償却できないことは知っていますが、今回の場合には、通常の電話加入権相当額を超える部分の金額をどう経理していいか分かりません。

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俗に言う「良番」の電話番号ですね。

業者への「支払手数料」部分が高額になったものと思われますが、「資産」自体の金額だけではなく、取得するためにかかった費用も資産の取得価額に含めなければなりません。

したがって、業者に支払った金額全額を電話加入権として資産計上する必要があります。

白紙の領収書は受け取らない!「レシート作戦」

レジから出るレシートは、購入したモノの明細が分かるので、信憑性があります。

手書きの領収書は、税務調査の際に「明細を見られたくなかったので、領収書を発行してもらったのではないか」と推察される可能性があります。

最悪なのは、金額の記入をこちらでやっている場合。

つまり、領収書の発行をお願いしたら、白紙の領収書を渡された場合です。

「お客さんの方で書いておいてください」というパターンです。

後ろにお客さんが並んでいると、「待たせるのは悪いな」と思いますよね。

でも、これは最悪です。

なぜ最悪かというと、水増ししてウソの金額を書き込んでいる、と思われることがあるからです。

ですから、白紙の領収書はもらわないことです。

領収書は、「お店が発行するもの」です。なぜ、それを「お客さん」であるあなたが書くのでしょうか?

白紙の領収書を渡されて、やむを得ない場合、最低でも、金額だけはレジの人に書いてもらうようにしてください。

頭のいい会社さんは、この辺りは良く分かっています。

金額は必ず書いてもらって、宛名を書いてもらえない場合には、社名の判子を押しています。

「お店側が名前を書いてくれなかった、しかし、それでは、消費税の仕入税額控除の要件を満たさなくなってしまう、だから、やむを得ず判子により、仕入先の名称の「記載」はした、こちらで書き込んだわけではない」というスタンスです。

社長のあなたや、あなたの親族が金額を書いた場合、あなたやあなたの親族が、何か不正をしているのではないか、と疑われます。

ですから、領収書の宛名に筆跡を残さず、相手に書いてもらうようにしてください。

とは言え、白紙の領収書を受け取らざるを得ない場合はあると思います。

例えば、取引先と一緒にお昼時に繁盛店に入ったような場合。

金額が小さければ、調査官の指摘を受ける可能性は少なくなりますし、取引先を待たせるのも失礼ですから、白紙の領収書でもしょうがないと思います。

でも、そういう領収書が多い場合には、目を付けられる可能性がありますので、注意しましょう。

期末ギリギリの資産購入へのアドバイス!「棚卸計上作戦」&「給油作戦」

機械装置や車両運搬具など、固定資産を購入し、その減価償却費が経費になるためには、買っただけではダメです。

使い始めることが必要です。

税務調査の際には、期末に購入し、経費にしている資産について、使い始めた日(事業供用日)をチェックされます。

もし、使い始めたのが翌期ということになれば、計上した減価償却費は経費になりません。

また、特別償却や税額控除の適用もできません。

これらの特例の適用が受けられなくなってしまうと、税額に大きな影響が出ます。

機械装置の注意点

機械装置については、検収を経て、納品が完了します。

まず、検収日が分かる書類を保存しておきましょう。

では、検収が終わっていれば、減価償却費を経費にできるのでしょうか?

検収を受けただけでは使えない場合には、まだ、この段階ではダメです。

例えば、床に据付ける(固定する)ことが必要な大型の機械の場合、据付け工事が翌期に行われていれば、当期は経費になりません。

また、機械装置で製品を製造している場合、作ったものが出荷されて、期末ギリギリに製造を開始した場合には、製品なり仕掛品などの棚卸資産が決算で計上されていないと、理論的にはおかしい、ということになります。

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機械装置は、期末までに使い始めています。ちゃんと製造を開始していますよ。

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そうですか。であれば、完成した製品、又は製造途中の仕掛品が決算書に計上されていますよね?

という会話の流れになります。

車両運搬具の注意点

車両運搬具については、基本的には「納車の日」が使い始めた日になります。

実際の納車日が分かる書類を販売店の人からもらっておきましょう。

車両運搬具については、購入したからと言って、機械装置のように、何か物が出来上がる訳ではありません。

製品や仕掛品のようなものが決算書に計上されたりはしません。

納車日にガソリンを入れに行きましょう。

そうすれば、領収書が発行されます。

そしてそこに、「納車日に給油」と書いておくのです。

ガソリン代もきちんと費用計上します。

砂利を敷いたら経費になると思っている『あなた』へ!

税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

未使用だった土地を駐車場として使用するため、砂利を敷いたニャン。

整地する必要があった土地であったため、砂利を敷いたのだが、砂利を敷くことにより土地の価値が上がったように見えるので、この砂利を敷くのにかかった支出は、土地として経理することになるニャンか?

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これについては明確な通達があり、「表面に砂利、砕石等を敷設した砂利道又は砂利路面については、別表第1の「構築物」の「舗装道路及び舗装路面」に掲げる「石敷のもの」の耐用年数を適用する。」(耐用年数通達2-3-13)とされています。

したがって、構築物として計上し、15年の耐用年数で減価償却することになります。

消耗品は棚卸しなくても良いと思っている『あなた』へ!

商品や製品などの棚卸資産は、期末に「棚卸し」を行い、期末在庫を計算します。

事務用消耗品などについても、使わずに期末に残っている分があれば、本来は「貯蔵品」として計上しなくてはなりません(貯蔵品として計上する分は、経費になりません)。

ただし、毎期毎期同じように購入し、同じようなサイクルで使っているのであれば、棚卸をやってもやらなくても同じなので、棚卸しをしなくてもよいことになっています。

包装紙やひも、段ボールなどについては、上記に該当すれば、棚卸しは省略できます。

ただし、製品を入れる化粧箱など、製品の最終形態の一部を構成するようなものは、棚卸しが必要となりますので、ご注意を。

製品のデザイン料をどう経理していいか分からない『あなた』へ!

①デザインを意匠登録する場合

意匠権(無形固定資産)に該当し、7年で経費化します(耐用年数7年)。

②デザインを意匠登録しない場合

繰延資産(自己が便益を受けるために支出する費用で、その支出の効果が1年以上に及ぶもので一定のもの)に該当し、そのデザインを使用する期間(計画期間)で経費化します。

製品のデザイン料ですので、①②のどちらの場合でも、製造原価に算入されます。

売った株の配当が振り込まれてきて困っている『あなた』へ!

名前は「名義書換え失念株」

株を売ったのに、買った側が名義書換手続きを忘れてしまっている場合には、株主名簿上では、まだ御社が株主だということになっていますので、御社に配当が振り込まれます。

このような株式を、「名義書換え失念株」といいます。

御社の元に振り込まれてきたものですから、御社のものにしてしまってよいようにも思えるかもしれませんが、本来は御社が受取るべきものではありません。

もう株は売ってしまったんですからね。

買った側が「すみません、手続きが遅れてそちらに配当が振り込まれてしまいました。本来は私のものですから、返してもらえませんか?」と言ってきたら、この配当は返さなければなりません。

買った側が何も言ってこない場合には、自動的に御社のものになります。

税務上の取扱い

通常、配当金を受け取った場合には、「受取配当等の益金不算入」という適用を受けることができます。

配当の儲けの全部又は一部について、法人税がかからないようにしてくれる制度です。

売った側が買った側に配当を振り込んであげた(本来もらうべき人に返してあげた)場合には、その返してもらった側の人は、「受取配当等の益金不算入」を適用することができます。

買った側が何もいってこないことにより売った側の儲けになった場合には、その売った側の人は、「受取配当等の益金不算入」を適用することはできません。

本来受取ることができなかったものが転がり込んできただけです(その中身が他人の株の配当であるだけです)。

「不当にもらったもの」には適用されないのです。

配当権利落後の売買に注意

ところで、決算日の直前は、株価が上がると思いますか?下がると思いますか?

実は下がるんです。

決算日の直前に来る、この日に株を持っていれば配当がもらえるという日を「権利取り日」と言います。

この「権利取り日」を過ぎると、その株はもう配当金を受取ることができません。

つまり、買う側は、配当金がもらえない株式を買うということになります。

ということは、理論上、配当の分だけ売買取引金額が下がることになります。

売った方は、低い金額で売ることになるので、ある意味損しています。

でも、「権利取り日」に持っていたので、配当をもらうことができます。

この配当は、買った側に返す必要はありません。この場合の配当については、「本来もらうべき人」は売った側だからです。

「権利取り日」に株を持っていたんですから。

そして、株式を安く売った分の穴埋めとしての側面もあり、「不当にもらったもの」ではありません。

従ってこの売った側は、「受取配当等の益金不算入」の適用を受けることができます。

税務調査を所轄する税務署及び地方税の修正申告書の提出先はここ!

栃木県宇都宮市の税務調査を所轄する税務署はどこ?

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宇都宮税務署です!


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栃木県宇都宮市における税務調査の結果、修正申告をすることになった場合、県税の修正申告書の提出先は、宇都宮県税事務所です。


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収税課 028-626-3029・3033
地方税協働徴収担当 028-626-3171・3172

栃木県宇都宮市の税務調査後に市民税の修正申告書はどこに提出する?

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栃木県宇都宮市における税務調査の結果、修正申告をすることになった場合、市民税の修正申告書の提出先は、宇都宮市役所です。


〒320-8540 栃木県宇都宮市旭1丁目1-5
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理財部 市民税課 法人市民税グループ 028-632-2206