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配偶者への給与の支払いは節税になる?

概要

例えば社長が男性の場合、奥様を役員にして給与を支払うことを言います。

社長の給与の一部を減らして、その減らした分を奥様が受け取ることにより、社長1人で受け取るよりも、源泉徴収される総額の所得税等が少なくなります。

結果として手取りが増えます。

どうしてそうなるかというと、給与に係る所得税の税率は一定ではなく、所得が多くなればなるほど税率も高くなるからです。

逆の言い方をすれば所得が少なくなればなるほど税率が下がるので、1人の高い給与を2人で分けることにより1人当たりの所得を減らし、適用される税率を下げることができるということです。

検討

社長と奥様は夫婦であり、言ってみれば財布が一緒ですから、社長に払おうが、奥様に払おうが、同じだという考えに基づいています。

⇒<注意!>浪費家の奥様に支払うと、奥様の趣味などに使われてしまいます。だからといって奥様にお金を渡さないと、奥様の名義を借りているだけで、実際には社長の給与だということになってしまいます。

税務の前提

役員や役員の親族については、その仕事内容などに照らし、高過ぎる給与を支払っている場合には、その高過ぎる部分については、会社の経費になりません。

なぜそのような税法になっているかというと、役員や役員の親族の給与の金額については、いくらでも操作することができるので、利益が出そうだから給与を上げて利益を0にしよう、ということがまかり通ると、法人税の税収が国に

入らなくなってしまうからです。

⇒<注意!>単純に奥様に払えば良い、という訳ではないということです。仕事内容や責任に応じた金額しか経費になりません。

補足

奥様が他に収入がないと仮定すると、年間103万円を超える給与を奥様に支払うと、奥様が配偶者控除の対象とならなくなり、社長の所得税が上がります。

立場によって違うタクシー代の取扱い

①取引先を接待する場合の、行き帰りのタクシー代
②取引先から接待を受ける場合の、行き帰りのタクシー代

同じタクシー代でも、①②の税務上の取扱いは異なってきます。

①は、相手を「おもてなし」することによって、取引の円滑化を図り、取引量の増大など、自社がメリットを受けようとするためにかかった費用です。

当然仕事のためにかかった費用なのですが、「仕事のため」ということで無制限に経費にすることを認めてしまうと、無駄遣いを助長してしまい、さらに税収の減少にもつながってしまいます。

そこで、このような費用は「交際費」というくくりで他の費用とは別扱いにし、経費になる枠を定めています。

従って、交際費に該当すると、金額によっては一部が経費になりません(ただし、最近の税制改正により、800万円までは経費になるため、通常は全額経費になりますが)。

それに対し、②はどうでしょうか?

接待を受けることによってメリットを受けることはありません(タダ酒・タダ飯を飲み食いできるくらいです)。

逆に接待を受けることにより、相手に強く言えなくなってしまうかも。

つまり、②は仕事の関係上やむを得ずかかった移動のための費用であるため、「交際費」には該当しません。

したがって、全額経費になります。

立場が有利な方が、税務上も有利なのでした。

会社にすれば日当が経費になる!

サラリーマンの方は、遠方に出張した場合、会社から日当が支給されると思います(一般的には)。

日当は、出張することによりやむを得ずかかってしまう費用を負担してあげましょう、ということで会社が支給するものです。

支給基準に基づいて決められた金額が支払われ、何に使ったかは問われません。

日当は役員ももらえます。社長だってもらえます。

高過ぎなければ、日当は会社の経費になります。

ところが、個人事業主の方は、自分が出張しても、自分に日当を支払ってそれを事業の経費にすることはできません。

どんなに小さくても、会社であれば、「会社」と「社長」は「別」です。

でも「個人事業主」と「自分」は「イコール」です。

「自分が自分にお金を払って経費」ということを税法は認めてくれません。

法人なら「自分」ではないので認めてくれます。

給与も同じです。個人事業主の方は、自分で自分に給与を払って経費にすることはできません。

税率引き下げと特別償却と税額控除

法人実効税率がどんどん引き下げられようとしています。

つまり、「今」と「未来」の税率が違うということです。

「今」税金を払うより、「未来」に税金を払った方が安く済むということです。

そう、「利益の繰延べ」により税金が安くなるということです。

一定の資産を購入した場合、初年度に多額の減価償却費を計上することができる「特別償却」と、減価償却費の計上はそのままに、それとは別に税額をダイレクトに減額することができる「税額控除」のどちらかを選べます。

通常、毎年利益が出ている会社であれば、「税額控除」を選択した方が有利でした。

「特別償却」を選択した場合、その期の減価償却費が増えても、その分翌期以降の減価償却費が減ってしまうため、逆に翌期以降の税金が増えてしまうからです。

トータルで経費になる減価償却費が同じであれば、それにプラスしてダイレクトに減税効果のある「税額控除」の方が断然有利です。

ただし、これはその期と翌期以降の税率が同じ前提の話です。

「今」と「未来」の税率が大幅に違う場合には、「特別償却」により「未来」の減価償却費を前倒しで使いまくって、高い「今」の税金を払わず、その分、安い「未来」の税金を払った方が良い場合も出てきます。

同じ利益を圧縮(減らす)にしても税率の高い「今」圧縮した方が減税効果が高いから「特別償却」を選ぶか。

通常の減価償却を選択することにより「未来」の低い税率での減価償却費の計上に甘んじながら「税額控除」という減価償却とは別のプラスアルファを享受するか。

どっちが得か。

引き下げ幅と各優遇税制の償却率や税額控除率を元にシミュレーションを!

あまり語られない「法人化」のメリット

事業形態としての個人と法人の違い

事業をする場合、個人事業主として仕事を受けるか、法人を設立して仕事を受けるかで、かかる税金が変わります。

個人でやる場合には「所得税」です。

その他、復興特別所得税や個人住民税、個人事業税、消費税もかかってきますね。

法人でやる場合には「法人税」です。

その他、地方法人税や、事業税、地方法人特別税、都道府県民税、市町村民税、消費税がかかってきます。

税目の数だけ見ると、法人の方がいろんな税金が課税されるため、重税感がありますが、節税をしようとする人は、みんな法人化したがりますよね。

なぜでしょう?

儲け(所得)のゾーンによって有利不利がある

儲けがない場合

事業をやっても、全く儲からなかった場合、個人であれば、税金がかかりません。

例外として、太陽光発電事業なんかは、「収入」に対して課税するスタンスなので、税金がかかる場合があります。

それに対し、法人は都道府県民税、市町村民税の「均等割」というものが必ずかかります

メチャクチャ儲けがある場合

所得税の最高税率は45%です(45%を掛けた後に控除できる金額があるため、正確にはもうちょっと下がります)。

法人税の最高税率は23.4%です。

一目瞭然ですね。

その他の税金もかかりますが、法人の方が、税負担が圧倒的に少なくなります。

法人化の本当のメリットは「税金計算上」の継続性

会社には永続性が求められる、という話がありますが、そういう求められるみたいな話じゃなく、税負担を軽減するという側面からも、「永続性」にメリットがあります。

赤字が繰り越せる、というのをご存じでしょうか?

前期が赤字で、今年が黒字の場合、前期の赤字で今期の黒字を相殺することができます。

でも、個人の場合、赤字が積み重なった段階で個人事業主がお亡くなりになった場合、その赤字は切り捨てられます

法人であれば、社長がお亡くなりになっても、その会社の赤字は切り捨てられません。

新社長が後を継いで、法人を継続させれば、赤字はそのまま翌期以降で黒字の相殺に使えます。

事業には波がありますから、黒字の時もあれば、赤字の時もあるでしょう。

事業年度ごとに税金を計算する、という基本構造の中では、黒字の時だけたんまり税金を払って、赤字の時には還付も受けられず何もない、ということになります。

それではかわいそうなので、赤字を翌期以降の黒字の相殺に使えるようになっている訳です。

でも、個人がお亡くなりになった場合、最後の確定申告で黒字の相殺に使い切れなかった赤字は、切り捨てられます。

相続人の確定申告で黒字と相殺することができないのです。

赤字が少なければ影響もあまりないかもしれませんが、設備投資を伴う事業だったりすると、一時的に大きな赤字が生まれてしまう場合があります。

それを次の期に使えるかどうかで、次の期の税金は全く変わってしまうでしょう。

「赤字」が翌期以降で確実に使える、というのが、特に儲けが大きかったり、事業の年毎の変動が激しい場合の、法人化の、見逃しやすいけれども、しかし重要なメリットです。

覚えていてね!赤字の時に忘れちゃいけない「欠損金の繰戻し還付」

「欠損金」って何?

毎期毎期、利益を出している会社は、「欠損金」とは無縁です。

「欠損金」とは、法人税法上の「赤字」のことですが、「なんだ、単なる赤字かあ」で済まされるものではありません。

まずは「欠損金の繰越控除」からお話します

この「欠損金」は、翌期以降の「黒字」(正しくは「所得」)とぶつけて、「黒字」を消すことができるんです。

これを「欠損金の繰越控除」と言います。

この繰越控除、期限が決められていて9年間です。

9年間のうちに使い切らないと、「黒字」にぶつけることはできなくなります(会社が解散・清算するとき等、特例的に、このような期限切れの欠損金を使える場合もあるんですけどね)。

臨時的で多額の赤字

通常、「赤字」なのは嬉しくありませんが、経営戦略上、不採算部門の設備等を除却したりして、多額の赤字になった場合には、その赤字で翌期以降、税金を納めなくてよくなる(又は、税負担が軽くなる)というのは、キャッシュフローの面からはプラスですよね。

試算を除却しなくても大きな「赤字」が出る場合として、「即時償却」「特別償却」があります。

通常、資産を購入した場合、何年かに渡り経費にしていく(「減価償却」と言います)のですが、即時償却と言うのは、資産の購入金額全額を一度に経費にすることを言います。特別償却は、通常の減価償却の他、取得価額の30%を経費にしたりすることを言います。

過去にさかのぼる「欠損金の繰戻し還付」

利益トントンのところで、即時償却や特別償却をすると、大きな赤字になることがあります。

この場合、翌期に欠損金を回すのもいいのですが、前期が黒字だったら、前期に回すこともできます。

「前期なんて終わってるじゃん」と思うかもしれませんが、出来るんです。

それを、「欠損金の繰戻し還付」と言います。

今期の赤字を前期の黒字にぶつけて、前期の税金を還付してもらえるのです。

「欠損金の繰戻し還付」のメリット

欠損金が9年間繰り越せる、と言っても、9年間赤字だったら、繰り越しても使えません。

だったら、前期の税金を還付してもらった方が得ですよね。

また、日本の法人税率は、どんどん下がる方向に向かっています。

ということは、将来の税負担よりも、過去の税負担の方が大きいんです。

同じ赤字をぶつけるんだったら、税負担が高い方にぶつけた方が得ですよね。

(例)1,000万円の黒字に1,000万円の赤字をぶつける場合
(前期)1,000万円×法人税率20%=200万円
(将来)1,000万円×法人税率15%=150万円

前期の法人税率が20%で、将来の法人税率が15%だとすると、前期の1,000万円の黒字に1,000万円の赤字をぶつけて200万円還付になるのと、将来の1,000万円の黒字に1,000万円の赤字をぶつけて150万円税金が安くなるのは、どちらが得か、一目瞭然ですよね。

臨時的な経費、損失で赤字になった場合、「翌期の黒字と相殺できるからいいな」ではなく、前期の黒字にぶつけられることを覚えておいてください!

「節税!節税!」って言って、機械を買うことの是非

法人税を払うのが嫌な場合、大抵、機械を買ったりしようとします。

通常、機械を買った金額が全額経費になる訳ではありません。

固定資産は、その「耐用年数」に応じて毎年毎年少しずつ経費(減価償却費)になっていきます。

「この機械は10年使えるので、10年かけて経費にするように!」という風に、種類毎に経費化する年数が税法で決まっています。

だから、買った年に全額経費にできる訳ではありません。

でも「特別償却」の適用を受ければ、通常の経費(減価償却費)の他に、買った値段の30%相当を追加で経費にすることができたり、場合によっては、通常の経費と合わせて買った値段を丸々経費にすることができます。

丸々経費にすることができた場合には、例えば1,000万円の利益が出ているとすると、1,000万円の機械を買えば、利益1,000万円-経費1,000万円=利益0円となり、法人税を払わなくて済むようになります。

目的達成です。

でも、お金も1,000万円減ります。

もし1,000万円の機械を買わなければ、法人税などを支払うことになりますが、実効税率を30%と仮定すると、1,000万円-1,000万円×30%=700万円のお金が手元に残ります。

最悪なのは、買った機械を節税の目的は達成したからといって、大して使わないことです。

これでは、700万円の損です。

毎年そんなことをやっていると、会社が潰れます。

売上アップや経費削減に結び付く資産の購入が大前提です。

「1,000万円払って300万円得した」なんてことにならないように!(えっ?その通りになっている?)

補助金をもらって固定資産を購入した場合の税金先送り方法

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

県から補助金をもらって機械を購入しました。

「圧縮記帳」をすると、今期の税金が安くなると聞きました。

どういうものなのでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

1,000万円の補助金をもらって、1,000万円の機械を購入しても、機械は一度に経費にならない(減価償却により何年にもわたって経費にする)のに対し、補助金は、その期の「収入」として課税されてしまいます。

機械を購入するためにもらった補助金が、税金を払った後の手残りが1,000万円ないのに、それで1,000万円の機械を購入する、ということになってしまうため、補助金「収入」に対する、固定資産「圧縮損」というものを計上して、その「収入」を相殺しようというのが、圧縮記帳の考え方えす。

ただし、この「圧縮損」は、機械の帳簿価額を減らして経費化するので、機械の帳簿価額が「圧縮損」を計上した分だけ減るため、翌期以降に計上できる減価償却費が減ってしまいます。

補助金をもらって「得した」ことには変わりないので、結局は課税される、という訳です。

この一連の処理を「国庫補助金等の圧縮記帳」と言いますが、その対象となる補助金には範囲がありますので、ご注意を。

償却資産税の非課税狙いで一括償却資産(3年均等償却)で処理!

税法では、例えば100万円の資産を購入して使用した場合、100万円お金が出ていったからといって、100万円全額を購入使用した時の経費にすることはできません。

その資産が5年間使えると税法で決められている場合には、5年間かけて経費にしていきます。

ただし、金額が小さい資産については、全額を購入使用した時の経費にできたり、3年で経費にしていい、という決まりがあります。

①10万円未満 →A「購入使用時の経費」OK・B「3年経費」OK(※1)
②10万円以上20万円未満→A「購入使用時の経費」OK・B「3年経費」OK
③20万円以上30万円未満→A「購入使用時の経費」OK(一定の法人のみ)(※1)

②の部分ですが、通常はA「購入使用時の経費」にすることを選びます。

3年待たないで早めに経費にすることにより、法人税が安くなり、キャッシュフローが良くなるからです。

しかし、AとBで決定的に違うことがあります。

それは、Aを選んだ場合には償却資産税がかかるのに対し、Bを選んだ場合には償却資産税がかからない、ということです。

毎期儲けの出ている会社であれば、AであろうとBであろうと、いつかは全額経費になるのは同じです(※2)。

それが早いか遅いかの違いがあるだけです。

それならば、償却資産税がかからない分だけBの方が得です。

安易にA「購入使用時の経費」を選択しないようにしましょう。

(※1)①については、Aを選んでも償却資産税はかかりません。③については、Aを選ぶと償却資産税がかかります。

(※2)事業年度によって税率が違う場合には、税率が高い事業年度に経費にした方がトータルでの税金は安くなります。例えば、復興特別法人税が翌期において廃止される場合には、当期に費用を計上した方が節税効果が高いことが考えられます。

一括償却資産のウィークポイント

試算を購入した場合に、「一括償却資産」で処理すると償却資産税がかかりません。

ただし、一括償却資産で処理した場合には、デメリットもあります。

通常の資産であれば、除却したり滅失した場合に、その時の簿価を経費にすることができます。

資産がなくなるんですから資産を帳簿上0にする、簿価が損失として経費になる、当然ですよね。

ところが、一括償却資産については、使えなくなったからといって除却しても、簿価を経費にすることができません。

除却や滅失に関係なく、3年均等償却です。

耐用年数50年の資産でも、2年目に除却したのであれば2年でその全額が経費になりますが、一括償却資産については、いつ除却や滅失をしても3年間での償却となりますので、ご注意を。

簿価より時価が下がっている土地の売却は節税になる?

概要

含み損のある土地を売却すると、簿価と売値との差額が売却損として経費になります。

税務の前提①

税務は「時価取引」が前提です。

上記の「簿価と売値との差額が売却損」というのは、厳密に言うと、「簿価と時価との差額が売却損」です。

安く売れば売るほど売却損が出ます。

例えば、簿価5,000万円・時価3,000万円の土地を売却する場合、通常の取引であれば時価売買となりますので、3,000万円-5,000万円=△2,000万円の売却損が計上されます。

「友達の会社に安く売ってあげよう」ということで、この土地を友達の会社に1,000万円で売った場合、繰り返しになりますが、税務は「時価取引」が前提ですので、3,000万円-5,000万円=△2,000万円の売却損が計上されます。

「えっ?3,000万円じゃなく1,000万円で売ったんだよ!」とお思いになるかもしれませんが、税務においては、「いったん時価の3,000万円で売って、受け取った3,000万円のうち2,000万円を相手に寄附した」と考えます。

法人税法上、寄附金には、経費になる枠がありますので、この2,000万円のうち一部しか経費にならないことが考えられます。

税務の前提②

上記の安く売り買いする会社との間に、法人による完全支配関係(「完全支配関係」については、以前の記事をご参照ください)がある場合には、この取引は全く節税にならなくなります。なぜなら、
(イ)売却損2,000万円が1円も経費にならない(以前の記事をご参照ください)
(ロ)寄附金部分は一部しか経費にならないどころか1円も経費にならない(以前の記事をご参照ください)
からです。

税務の前提③

土地の売上がいつ有ったのか、という点も大変重要です。

期末ギリギリの売却だと、もしかしたら来期の経費になってしまうかもしれません。

税法上は、下記の日における売上として考える必要があります。
(イ)買主側がその土地を使えるようになった日など
(ロ)上記(イ)が不明な場合には、「代金の相当部分(おおむね50%以上)を受取った日」又は「所有権移転登記申請(登記申請に必要な書類の買主への交付を含む)の日」のいずれか早い日でもOK
(ハ)売買契約効力発生日(通常は契約締結日)でもOK

実務

そもそも「その土地の時価がいくらなのか」という問題があります。不動産鑑定士に評価してもらったり(鑑定料がかかります)、公示価格などを元に計算したりします。

給料いっぱい取って会社を赤字にしとけばいいんじゃね?と思っている『あなた』へ!

法人税を払いたくないからといって、役員給与を高く設定することにより、経費を増やして利益を圧縮、でも、お金がないから役員給与は払えない、という状態を続けていると、役員給与の未払の金額がどんどん増えていきます。

会社側から見ると「未払(金)」ですが、役員側から見ると「未収(入金)」です。

これは、「会社から貰うべきお金」です。会社にお金を貸している(「貸付金」)のと同じです。

役員が万が一お亡くなりになった場合には、それが「相続財産」としてカウントされます。

会社の資金状態を見ると、とても返済を受けられそうにないな、という場合でも、財産は財産です。

法人税を節税して、うまくやったつもりでも、相続人が相続税で損してしまうことがありますので、ご注意を。

30万円未満の資産の一括経費化はどう改正された?(平成28年度税制改正大綱ポイント)

固定資産を買った場合、普通は資産の内容毎に決められた「法定耐用年数」にわたって買った金額を経費にしていきます。

税金対策で資産を買う、なんていうことを耳にすることもあるかもしれませんが、資産を100万円で買ったら、100万円の経費ができる訳ではありません。

その資産の「法定耐用年数」が5年であれば、100万円を5年にわたって経費にしていくので、定額法であれば、1年当たり「100万円÷5年=20万円」しか経費になりません。

しかし、買った期に経費にできる場合があります。

その1つに「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の特例」というものがあります。

これはどういうものかというと、資産の取得価額が30万円未満であれば、その買った期に全額経費にしていいよ、というものです。

この取扱いは、『中小企業者等の』とある通り、「中小企業者等」に該当する会社の特権です。

現在の法律上は、この取扱いが「平成28年3月31日までに取得した資産」に限定されていますが、これが「平成30年3月31日までに取得した資産」に延長される予定です。

この期間以外にもう1つ改正があります。

常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人が除外されます。

1,000人前後の会社は、常時使用する従業員の数の判定が大変そうですよね(笑)

「常時使用する従業員の数」の概念の問題もあれば、1,000人もいれば、該当するか検討しなければならない従業員の数も多そうですから。

990人ならOKで1,010人ならダメってことがある訳ですからね。

ちなみに「租税特別措置法関係通達(法人税編)」には、こんな記載があります。

(常時使用する従業員の範囲)
42の4(2)-3 措置法令第27条の4第5項に規定する「常時使用する従業員の数」は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、工員等(役員を除く。)の総数によって判定することに留意する。この場合において、法人が酒造最盛期、野菜缶詰・瓶詰製造最盛期等に数か月程度の期間その労務に従事する者を使用するときは、当該従事する者の数を「常時使用する従業員の数」に含めるものとする。(昭60年直法2-11「二」により追加、平11年課法2-9「三」、平12年課法2-19「二」、平15年課法2-22「ニ」、平19年課法2-3「二」、平20年課法2-14「二」、平27年課法2-8「二」により改正)

(注意点)
①正確には、一括経費にするためには、資産を「取得する」だけではダメで、「使用する」必要があります。
②30万円未満のものを何個買っても経費になるという訳ではなく、合計額が年間300万円までという総額の縛りがあります。

傷病手当金をもらうと役員給与が経費にならなくなるとお嘆きの『あなた』へ!

ケガや病気で会社を休んでいる場合、一定の要件に該当すれば、傷病手当金が支給されます。

これは役員であっても支給を受けることができます。

ただし、役員給与を受け取っていると、その分だけ支給額が減額されてしまいます。

傷病手当金を満額もらうためには、役員給与を0にしなければなりません。

しかし、役員給与は基本的に毎月同額(「定期同額」)であることが会社の経費にできる要件となっているため、傷病手当金をもらおうとして給与を0に下げてしまうと、他の月に支払った給与が会社の経費にならなくなってしまいます。

という話になりそうで、実はなりません。

ケガや病気で役員としての職務が執行できなくなった

これは役員の職務内容の重大な変更に該当する

だから役員給与を減額した(臨時改定事由による改定)

ということであれば、やむを得ない事情によるものとして、ケガなどで給与を下げた、治ったので給与を上げた、ということがあっても、「定期同額」の要件は守られているものと認められます。

取引先の株主に注意!

栃木太郎さんが100%株式を持っているA社と、同じく太郎さんが100%株式を持っているB社。

A社とB社は株主が同じですので、いわゆるグループ会社ですよね。

100%持株関係のある法人間の取引等については、法人税法上「グループ法人税制」が適用されます。

例えば、A社が大昔に1,000万円で買った土地を、B社に時価3,000万円で売った場合、A社に土地売却益2,000万円が生じます。

通常、この2,000万円の売却益は、法人税の課税の対象となりますが、グループ法人税制が適用されることにより、この売却益は繰り延べられ、課税されません。

1つのグループ内(身内)でやった取引なんだから、儲けや損を認識しないという考え方です。

所変わって、群馬一郎さんが100%株式を保有しているC社と、一郎さんの次男である群馬二郎さんが100%株式を保有しているD社。

C社とD社は株主が同じではありません。

しかし、一郎さんと二郎さんは「親族」であるため、一体とみなされ、「群馬家」がC社もD社も100%所有していることにより、グループ法人税制が適用されます。

取引先の株主が面識のない「親族」だったら、その売却益は税金を払わなくてもいいかもしれませんよ!

実際に使っていない商標権や特許権の取得費用は経費にできない?

固定資産は、決められた年数(法定耐用年数)で経費化(「減価償却」)していきます。

法定耐用年数5年の資産を100万円で買った場合、100万円を5年で減価償却していきます。

ただし、固定資産を買ったからといって、すぐに減価償却できる訳ではありません。

実際にその資産を事業のために使っていることが減価償却できる前提条件です。

ただし、商標権や特許権などのように、有効期間(存続期間)があるものについては、使っていないからといって経費にしないで存続期間を過ぎてしまうと、権利が消滅してしまって事業のために使うこともできず、いつ経費にできるの?、という話になってしまいます。

したがって、これらの資産については、使っていなくても減価償却することが認められています。

社会保険料の延滞金

税務調査に動じない美人社長税務調査に動じない美人社長

大変お恥ずかしい話ですが、経理を担当していた社員が突然辞めてしまい、社員の給料から差し引いていた源泉所得税・社会保険料の納付が遅れてしまいました。

源泉所得税については延滞税、社会保険料については延滞金というものを払わなければならないのですが、これは会社の経費になりますか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

源泉所得税の延滞税は経費になりません。

ただし、社会保険料の延滞金は経費になりますので、ご注意を。