インデックス

遺言はやっぱり公正証書遺言で!

今回の結論
★公正証書遺言は、原本を公証人が保管し、そのコピー(謄本)で登記手続き等が可能。
★公正証書遺言を紛失したり、又は、破棄されたり隠されたりしても、原本が公証役場にあるので、その謄本が入手できる!


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自筆証書遺言は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要なんですが、公正証書遺言であれば、この「検認」も不要であり、開けてみたら使えない(不備がある)ということがありません

なぜなら、遺言を作成してくれる公証人は法律の専門家であり、作成した遺言の記載内容に不備がある、ということがないからです。

公証人がいる公証役場というのは全国にあるんですが、公正証書遺言を作れば、それがデータベース化されます。

そして、遺言検索システムが構築されていて、全国の公証人が使えるようになっています。

だから、亡くなった者がどこの公証役場で遺言を作ろうが、相続人などが最寄りの公証役場に行けば、その者の遺言があるかどうかは分かるようになっているんです!

とは言っても、遺言を作成した者が生きている間は、例えその者の配偶者や子供など、将来的に相続人となる者であっても、遺言があるかどうかは確認できないことになっています。

亡くなった後であれば、相続人などが、除籍謄本などを持参して、「遺言作成者が亡くなったこと」「自分が相続人などであること」を証明できれば、遺言があるかどうか、そしてある場合には、どこの公証役場が遺言を保管してい

るかを教えてもらえますよ。

自筆証書遺言は「すぐに開けない!」「ほったらかしにしない!」

今回の結論
★自筆証書遺言は、そのままでは使えない(効力を生じない)。
★自筆証書遺言を勝手に開封すると罰金が科せられる!


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自筆証書遺言は「検認」という手続きが必要です。

検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の

偽造・変造を防止するための手続きです。

検認をすれば、その自筆証書遺言が有効になる、というわけではありません。

記載内容に不備がある場合には無効になるし、その遺言の内容では財産をもらえない相続人が、その遺言が無効であると訴える場合もあります

しかし、検認をしないと、登記やその他の手続で自筆証書遺言を使うことはできません。

これを怠ると、5万円以下の過料がかかります!

自筆証書遺言は、封印されていない場合もあります。

封印されていないからといって無効にはなりません

封印されている場合には、家庭裁判所で相続人やその代理人の立会いの下、開封しなければなりません。

それを怠ると、同じく5万円以下の過料です!

遺言はできるだけ公正証書遺言で作成するようにしましょう!

遺留分を知らないと遺言を書いても失敗する!

今回の結論
★遺留分とは、例えば「全財産を長男に相続させる」という遺言を書いたとしても、他の相続人(例えば次男)が請求すれば財産を必ず相続することができる割合のことを言う。
★遺留分を請求してきた相続人に渡さなければならない財産の金額を計算する際には、「特別受益」を加味しなければならない!


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遺言を書いても、その通りに相続することができない結果となるのは、遺言で財産をもらうことができない、又は、少ししか財産をもらうことができない相続人から、「私にも財産を相続させて」と、「遺留分の減殺請求」がなされるからです。

「遺留分」は具体的には次のようになります。

①相続人が配偶者と子の場合=配偶者1/2×1/2・子1/2×1/2を子供の人数で頭割り
②相続人が配偶者と直系尊属の場合=配偶者2/3×1/2・直系尊属1/3×1/2を直系尊属の人数で頭割り
③相続人が配偶者と兄弟姉妹の場合=配偶者3/4×1/2・兄弟姉妹は0

つまり兄弟姉妹には遺留分がなくて、それ以外の者は相続分の1/2となります。

でも、次の場合は1/2ではありません。

④相続人が直系尊属のみの場合=直系尊属1/3を直系尊属の人数で頭割り

金額ベースの遺留分を計算する際には、遺言により移転する財産や、生前に贈与された財産(これらを「特別受益」と言います)を加味して計算します。

つまり、亡くなった時点で現にあった財産(相続財産)だけではなく、生前に贈与した財産も対象となるので、注意が必要です!

また、生前に贈与した財産については、「贈与した時の金額で加味するの?相続の時の金額で加味するの?」という疑問が出てくるかもしれんが、原則的には、相続の時の金額で計算することになります。

遺言で生命保険金の受取人を変更できる?

今回の結論
★遺言で生命保険金の受取人を変更できます!
★のんびりしていると、従前の受取人に支払われます!


メモ魔税理士のメモ
死亡保険金の受取人は、遺言によって変更することができる。ただし、保険会社は遺言の存否を知らないので、相続人などが保険会社に受取人変更の記載がある遺言を持ち込むなどのアクションを起こさない限り、従前の指定された受取人に保険金を支払う。アクションを起こすなら、支払いがされる前に!


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例えば父親を被保険者とした生命保険の保険証券があって、受取人が長男になっていたとしても、その受取人を次男にするという遺言があれば、受取人が次男になる、ということです。

ですから、生命保険の保険証券だけでは、実際の受取人が誰になるかは分からないのです。

新受取人(次男)は、長男が生命保険金の支払請求をし、保険金を受け取る前に、保険会社に遺言を持ち込む必要があります。

次男のアクションが遅くて、長男に生命保険金が支払われても、次男は保険会社に文句が言えないことになっています。

(遺言による保険金受取人の変更)
保険法第四十四条 保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2 遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者(生命保険会社のことです)に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。

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スピード勝負になりますので、この場合の次男さんは、遺言を出来るだけ早く探しましょう!

代表的なのは「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」

メモ魔税理士のメモ
遺言にはいろいろな種類がある。
①公正証書遺言(費用はかかるが、法律のプロ(公証人)が内容をチェックし、原本も保管してもらえる)②自筆証書遺言(不備があると無効。本当に自筆なの?という話が出てくるかも。死後、家庭裁判所に相続人が集まる必要有)③秘密証書遺言(内容を知られずに作成できるが、費用もかかるし、不備があると無効。死後の家庭裁判所の手続きも必要)④特別方式遺言(通常の状態にない場合に許される方式。「一般危急時遺言」・「難船危急時遺言」・「一般隔絶地遺言」・「船舶隔絶地遺言」)


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トラブル回避のためにも、公正証書遺言がお勧めです。

証人が2人必要ですが、それも公証人に相談すれば、紹介してもらえます。

自筆証書遺言の場合には、家庭裁判所で「検認」の手続きが必要です。

秘密証書遺言も、公証人が関与しますが、内容をチェックする訳ではないので、公証人が関与したからといって、安心できる訳ではありません。

公正証書遺言の方が確実です。

相続人のことを考えた遺言を作るなら、相続税の知識が必要!

メモ魔税理士のメモ
遺言作成者は、相続人が仲良く遺産を分けられるように遺言を作る訳ですが、相続人は、その「遺産分け」の次に「相続税の申告・納税」をする必要があります。税制上の特例も踏まえた、相続税が安くなる遺産分けの内容になっていれば、相続人にさらに感謝されます(尊敬されます)。


割合で分ける遺言は作成しない!

メモ魔税理士のメモ
遺言を作る場合、安易に割合で分けるだけの遺言にしないこと(包括遺贈)。どの財産を誰にあげるか、個々に指定すること(特定遺贈)。包括遺贈を選択した場合、割合は決まったとしても、結局、どの財産を誰が相続するかの遺産分割協議が必要になるため、相続人にとっては面倒くさい。


遺言執行者も必ず決めておく!

メモ魔税理士のメモ
効力のある遺言を作れば、その内容の通りに勝手に遺産分けが進むと思ったら大間違い。金融機関に出向いて預貯金を解約して相続人に分配するなど、実際の手続きが必要。その手続きをする人(=「遺言執行者」)を決めておくこと。特にモメそうな場合は必ず!


納税資金も考慮した遺言を作る!

メモ魔税理士のメモ
遺言を作る場合、相続人の相続税の納税の負担まで考慮してあげられれば最高。納税額に見合った現金や預貯金も一緒に相続させたり、それらがない場合には、換金性の高い有価証券などとセットで相続させる。その前提として、まず相続税がいくらかかるのか、税負担はどれくらいなのかの試算が必要。


遺留分も考慮した遺言を作る!

メモ魔税理士のメモ
遺言を作る場合に、特にモメそうな場合には、必ず、遺留分を考慮した遺言を作成すること。遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に認められた、一定の取り分のこと。相続人が遺留分を請求(遺留分減殺請求)すれば、遺言に記載されていなくても、財産を相続することができる。結果的に遺言通りにならない。


遺言を作るにはどんなものが財産になるかの知識も必要!

メモ魔税理士のメモ
遺言を作る場合には、当たり前だけど、どんなものが相続財産になるのか、分かっていないと作れない。子供に掛けていた保険は代表的なもので、そのほか、死亡後に受取る入院給付金、未収給与や未収家賃など、細かなものも出てくることを想定して、全財産をうまく包含した遺言を作ること。


ちゃんと真意が伝わる遺言を作る!

メモ魔税理士のメモ
遺言(特に「付言事項」)作成時は、自分の文章能力を過信しない。口頭と違い、自分の意図がきちんと伝わらず、誤解される危険性大。言わなくても分かる、は大間違い。モメさせたくなければ、どうしてそういう分け方にしたのか理解してもらえるか、皆に平等に気を配った内容になっているか、を再確認。


相続人にとって不都合な内容の遺言だったら?

メモ魔税理士のメモ
遺言があったら、その遺言の内容通りに遺産分割しなければならないか、というと、必ずしもそうとは言えない。相続人全員が、その遺言の内容と異なる遺産分割に同意すれば、その内容で遺産分割できる。この場合、遺言の代わりに、その遺産分割の内容を記載した遺産分割協議書を作成する。


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お亡くなりになった方が、「財産をこう分ければ、みんなが喜ぶだろう」と思って遺言を書いても、相続人の希望とズレてしまう場合が考えられますよね。

遺言に従わなくてもいい、といっても、それは簡単に言うと、遺言の内容に、相続人が全員が反対している場合です。

遺言があるのを知っている相続人が、自分に不利な内容だからと言って、その遺言を隠して、遺言がないフリをして、遺産分割協議に誘導したりすることは許されません。

遺言を隠すと、相続する権利を失います。

親が相続人になる場合に考えておくべきこととは?

今回の結論
★相続放棄による相続税節税効果をシミュレーションしてみる!


「相続税額の2割加算」はあるけれど……。

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亡くなった方にお子さんや配偶者がいない場合には、その方の親が相続人になります。

その亡くなった方に兄弟姉妹がいる場合、その親が相続放棄をすると、兄弟姉妹が相続人になります。

この場合、兄弟姉妹は、相続税を2割増しで納めなければなりません。

相続税額の2割加算という制度があるからです。

相続税の2割増課税の対象者とは?

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それでも、相続放棄をした方がトータルの相続税が安くなる場合があります

例として、
○亡くなった者が長男で所有財産が3,500万円
○兄弟は次男のみ
○生きている親は母親のみで所有財産が3,000万円

の場合で考えてみます。

相続放棄をしなかった場合

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母親は長男の相続で放棄をしなければ、3,500万円の財産を相続します。

法定相続人は母親1人だから、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×1人=3,600万円」となり、長男の相続財産は基礎控除額以下ということで、相続税はかかりません。

しかし、母親が亡くなった場合には、母親の相続財産は、元々持っていた3,000万円+長男から相続した3,500万円=6,500万円となります。

母親が亡くなったときの法定相続人は次男1人だから、同じく相続税の基礎控除額は3,600万円です。

母親の相続の際には、相続財産が基礎控除額を超えるので、次男は相続税を納めることになります。

相続放棄をした場合

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長男の相続の際、母親が放棄をしても法定相続人は母親1人なので、相続税額の基礎控除額は上と同じで3,600万円です。

母親が相続放棄したことにより、次男が財産を相続しますが、長男の相続財産3,500万円は基礎控除額以下なので、上と同じく相続税はかからりません。

次に、母親が亡くなったときにどうなるか考えてみると、母親の相続財産は3,000万円だけですよね。

長男の所有財産は既に次男が相続済なので、母親は持っていませんから。

母親が亡くなったときの法定相続人は次男1人だから、相続税の基礎控除額は上と同じく3,600万円です。

またもや相続財産が基礎控除額以下となりました!

次男は今回も相続税を納めなくて済むという訳です!

このように、パターン別に試算をすることが重要ですよ!

土地は活用しながら評価額を下げ、収支を良くするという発想が大切!

メモ魔税理士のメモ
★国税庁発表の平成27年分の相続税の申告状況(修正申告を除く相続税額のある申告に関するデータ)によれば相続財産に占める土地の割合は38.0%。平成6年の70.9%から割合がどんどん低下しているが依然として最も大きな割合を占める財産であることには間違いない。相続対策はまず土地から。


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土地を持っていると、羨ましがられるかもしれないけど、地主の方は大変ですよね。

更地で何もしなくても固定資産税がかかるし、近隣から苦情が出ないように、草むしりもしなくちゃいけない。

そういった管理が自分でできない場合には、お金を払って他の人にやってもらわなければいけません。

つまり、土地自体に価値があるのは分かるんだけど、何もしないとただお金が出ていくだけなんですよね。

だから、本当にどうにも活用できない場合には、手放すことも積極的に検討すべきです。

ただ持っているだけでは、どんどんお金がかかるし、相続の時には相続税がかかります。

とは言え、土地は活用すれば、お金を生み出します

そして、活用すればするほど、相続税の評価も下がるんです。

更地が一番相続税が高いんです。

何も建っていないということは、自由に使える訳ですからね。

活用しながら土地の評価額を下げる、収支を良くする、という発想が大切です。

自宅を建てるだけでも、相続税評価額が下がります。

うまく引き継げば、330㎡まで8割引評価できます。

自宅はお金を生みませんが、アパートに住まなくて済む分、家賃を払わなくても良くなります。

さらに、住宅用地は固定資産税が安くなります。

それは、アパートの敷地も同様です。

アパートの敷地も、相続税が安くなります。

約1割引きの値引きをした後、200㎡まで5割引き評価です。

共有者の特典?他の共有者が手放せばその財産は自分のもの?

今回の結論
★タダで移転するから税金の対象!
★生きている方からなら贈与税、亡くなった方からなら相続税


メモ魔税理士のメモ
共有者が持分を放棄したり死亡した場合には、他の共有者に税金がかかる

①Aさん・Bさんが共有で所有している土地について、Aさんが持分の放棄をすると、Aさんの持分はBさんに移転する
この場合には、AさんからBさんへの贈与があったものとして、Bさんに贈与税が課税される

②Aさん・Bさんが共有で所有している土地について、Aさんが死亡して、Aさんに相続人がいない場合、Aさんの持分はBさんに移転する
この場合には、AさんからBさんへの遺贈(Aさんが相続人ではないBさんに遺言で土地をあげるような感じ)があったものとして、Bさんに相続税が課税される


相続人になるのは誰?

メモ魔税理士のメモ
「相続人=配偶者+血族」
配偶者は常に相続人。
血族は、①子(子死亡の場合には、その子、というように下にいく)・②直系尊属(父母、父母がどちらも死亡の場合には、祖父母というように上にいく)・③兄弟姉妹(兄弟姉妹がなくなっている場合には、その子)で①→②→③の順でいたらその人。


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血族の中で、最初に相続人になり得るのは「子」です。実子、養子、嫡出子、嫡出でない子、みんな「子」です。

「子」や「兄弟姉妹」が、先に又は同時に死亡している場合には、それらの子が相続人になります。これを「代襲相続」と言います。死亡している「子」や「兄弟姉妹」の配偶者は、代襲相続人にはなれません。

「代襲相続」する人も死亡していたら?と思う方がいるかもしれません。この場合、「子」の「子」の、さらに「子」が「代襲相続」できます(再代襲)。でも、「兄弟姉妹」の子が死亡している場合には、再代襲は認められません。

「子」やその代襲相続人がいない場合には、「直系尊属」が相続人となります。「直系尊属」は、まず「父」と「母」です。「母」が生きていて、「父」が既に亡くなっている場合には、「父」の「父母」が相続人になるのか、というと、そうではなく、この場合には、「母」のみが相続人となります。

「子」やその代襲相続人、及び、「直系尊属」がいない場合には、「兄弟姉妹」が相続人となります。

特別養子と普通養子の違いは?

メモ魔税理士のメモ
特別養子→①養親は原則満25歳以上の夫婦②養子は6歳未満③家庭裁判所の審判要④実父母の同意要⑤実父母との親族関係が終了
普通養子→①養親は成人②養子は養親より年少者③養子が未成年者でなければ当事者の届出のみ④養子が満15歳未満のときは法定代理人が承諾⑤実父母との親族関係は存続


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上記の他に、
A 特別養子の場合には、戸籍に養子と明記されませんが、普通養子の場合には、戸籍に養子と明記される
B 離縁をする際には、特別養子の場合には、家庭裁判所の審判が必要で、養親からの請求ができないのに対し、普通養子の場合には、当事者の協議で可能であり、養子・養親とも訴えの提起ができる
などの違いがあります。

相続税対策は、①遺産分割対策・②納税資金対策・③節税対策を同時進行で考える!

メモ魔税理士のメモ
★相続税対策は、①遺産分割対策・②納税資金対策・③節税対策からなる。
★①②③のどれかから順に考えるということは賢明ではない。①②③を同時に考える必要がある。
★ただしファーストステップとしては、相続人全員が協力し合って遺産分けの話し合いをするという土台作りが必要(ある意味①)。


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①遺産分割ができないと、「配偶者の税額軽減」や、「小規模宅地等の特例」などの各種特例の適用を受けることができないため、相続税が高くなります。

つまり、③節税に影響を及ぼします。

そして、①遺産分割ができないと、お亡くなりになった方の口座が凍結されたままなので、その預貯金を相続税の納税に充てることができません。

つまり、②納税に影響を及ぼします。

「だったら、何でもいいから①遺産分割だけ早めにしてしまえば、②納税も③節税もできていいのか」というと、そうではありません。

③節税の観点から考えると、「誰が相続するか」によって特例が受けられたり、受けられなかったりします。

どう分けるかが重要です。

②納税の観点から考えると、「相続した後に相続税が払えるのか」を検討する必要があります。

換金性のない財産ばかり取得した相続人は、相続税を払えないかもしれません。

納税まできちんと考えることが重要です。

このように、①遺産分割・②納税・③節税がすべてうまくいくように、話し合いを進めることが必要です。

もし、それが難しそうな場合には、遺言やその他の方法を検討しましょう。

会社に株を売って相続税の納税資金を確保する!

今回の結論
★会社の株式(例として「A社株式」)が相続財産の大部分を占めている場合、相続しても相続税が払えない場合が多々ある。
★会社に現金がある場合には、A社にA社株式の一部を買い取ってもらい、手元に納税資金を確保するのも手。
★ただし、A社の株式をA社に売ると、高い所得税を取られることがある!


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税法上は、「時価取引」が原則です。

昔100万円で買った株式でも、その会社がずっと高業績で、利益を貯め込んでいて、資産内容が良い会社だと、時価が1,000万円になっていることもあります。

この場合、受け取る1,000万円のうち、100万円(正確には「資本金等の額」です)を超える部分の900万円(=1,000万円△100万円)は、「本来は株主に配当すべきものなのに配当しないで社内に貯めこんでいた、それを今、株主に渡した、それは、遅ればせながら配当したのと同じ」という考え方から、もらった個人の方は、配当所得として所得税が課税されることになります。

これを「みなし配当課税」と言います。

配当課税は「総合課税」なので、所得が多くなればなるほど、税率が高くなります

普通、株式を売った場合には、譲渡所得として20.315%の税金がかかりますが、この場合には、そのほとんどが総合所得として課税されるので、「100万円で買ったものを1,000万円で売ったんだから、譲渡所得が900万円で、そこに20.315%の税金がかかって終わり」というようにはならないので注意が必要です!

遺産分けって何を根拠にやるの?

メモ魔税理士のメモ
遺産分割は、まず遺言がある場合には、その遺言の内容に従って分割するのが原則。遺言がない場合には、相続人全員の協議によって分割(遺産分割協議書を作成)。協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停で分割。それでもまとまらなければ、家庭裁判所の審判で分割。