「相続税申告あるある」&「相続税申告の基礎知識」&「相続税対策の鉄板結論」

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まずは、この「相続税申告あるある」「相続税申告の基礎知識」「相続税対策の鉄板結論」にサーッと目を通して、基本的な事項を押さえながら、相続税申告・相続税対策の雰囲気をつかんでくださいね!

相続税対策の鉄板結論
★相続税対策は相続直前になればなるほど難しくなる。早い時期に総合的にじっくりと検討することにより、最適な手段・手法を選択することができる

★節税対策に重きを置き過ぎないこと。相続した財産の性質や相続人の状況など、色々な問題が絡んでくる。それらを踏まえて、いくつかの手法の中から最適な解を選ぶように心掛ける

★相続人間の仲が悪いからといって、「争族」になるとは限らない。譲るところは譲り、護るべきところは護る。すべてを自分の思い通りにしようとしてはいけない

★最終的には相続税をきちんと納めることができるように納税資金対策をする必要がある。節税対策により納税額を減らすとともに、納税資金(要はキャッシュ)も確保すること


相続税申告の基礎知識
★相続税は期限内(相続開始から10ヶ月以内)に遺産分けの話し合いがきちんと決まり、かつ、それに基づき申告も完了すれば、様々な特例の適用を受けることにより、相続税の納税額を減らすことができる。それを実現するためには、「争族」になってはいけない。また、無事「遺産分け」「申告」ができても、その申告した相続税を納められなければ、大変なことになる


相続税申告あるある
★「相続税の申告は亡くなってから10ヶ月以内にすればいいから、まだまだ時間がある」と気を抜いていると、財産の確定や遺産分けに予想以上に時間がかかり、あっという間に申告期限が目の前に迫ってくる

★相続税の試算をしてみたら、思いの外、相続税が高く、「長い時間をかけて計画的に節税をしておけば良かったなあ」と後悔する


相続税申告の基礎知識
★まずは相続財産をもれなくリストアップし、各財産の評価額を計算し、相続税額の概算を試算する。その資産の内容を精査し、財産の全容を把握・分析し、「争族」「納税資金不足」「高額納税」にならずに済む分け方を検討する


相続税対策の鉄板結論
★最初の試算は概算でも構わないので、大体の相続税額を早めに計算する。納税資金の確保には時間がかかる場合もある。どれくらい相続税がかかるか分からないと、確保のしようがない。また打つべき手も検討できない。正確な試算よりも、迅速な資産が必要。財産の概要と概算の相続税額が分かれば、とりあえずは安心できる。概算でもいいから「具体的に数字で相続税額を把握する」ことが重要

★生前にまずやるべきことは、「相続人の確定」である
☆想定した範囲外に法定相続人がいるかもしれない→先妻のお子さんがいるかもしれない
☆民法などの知識がなかったので、思わぬ人が相続人であることが死亡後に気づくかもしれない→亡くなった方(Aさん)の子供(Bさん)が、Aさんよりも先に亡くなっていたら、Bさんの子供(Cさん=Aさんの孫)がAさんの相続人(代襲相続人)になる

★財産をリストアップする。全体の財産の金額が分からなければ、どれくらい相続税がかかるかも分からない。借入金の有無も確認する。借入金があれば、その分、正味の財産は減るので、相続税も安くなる。もれなくリストアップして、場合によっては遺言につなげる

★遺言書を作成しておく(「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がある)。「争族」を避けるためには有効。ただし、各相続人が納得できるように配慮して、財産の取得者を決定するように。そうしないと、遺産分けはできても、相続人間の仲が悪くなってしまう

★遺言を作らない場合でも、相続人が相続しやすいように(分割しやすいように)財産を組み換えることはできる


相続税申告・相続税対策のチェックポイントをリストアップしてみた!

相続時精算課税制度で多額の財産を移転できる代償として暦年贈与の旨味をあきらめきれるかが鍵!

メモ魔税理士のメモ
相続時精算課税制度を使う場合には、暦年贈与ができなくなることに注意。生前に(その時は)無税で多額の財産を移動できるメリットと、暦年贈与でちょこちょこ無税でお金が渡せなくなるデメリット+贈与時の贈与税は無税でも相続税がかかるデメリットの慎重な比較検討が必要です。


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相続時精算課税制度は、基本的には節税の効果はありません。

もしあるとすれば、相続時精算課税制度で動かした財産の金額が、相続時に贈与時よりも値上がりしている場合です。

相続時精算課税制度は、その名の通り、相続時に「精算」するものであるため、相続時に相続税が課税されます。

その際、相続時の財産の金額ではなく、贈与時の金額で計算するため、値上がりしていても、値上がり前の贈与時の金額で相続税を計算することができます。

でも、相続税が課税されることには間違いありません(全体の財産の金額が相続税の基礎控除以下であれば課税されませんが)。

暦年贈与であれば、相続税の課税対象から完全に切り離すことができます。

将来、相続税がかかるという心配はなくなります。

ただし、暦年贈与でも、死亡日前3年以内の贈与については、その財産を相続税の課税対象とする決まりがありますので、その点は注意が必要ですね。

相続が続いた場合には相続税の値引きがある!

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親が亡くなり、その財産を相続した子が亡くなった場合、引き継がれた相続財産には、親死亡時に相続税、子死亡時に相続税と、短期間に二重に相続税がかかることになります。

「これでは可哀想!」ということで、子の相続税を計算する際に、
『相次相続控除』
という相続税の値引き制度を使うことができます。

10年以内に二度目の相続があった場合が対象です。

一度目と二度目の相続の間隔が短いほど値引きが大きく、間隔が長いほど値引きが小さくなります。

「一度目にいっぱい払っているから、二度目の時は可哀想だから値引きしてあげるね」というものですから、一度目に相続税を払っていない場合には値引きはありません。

例えば、一度目の相続では、相続財産が少なかったために相続税がかからなかったり、配偶者が相続したので、相続税がかからなかった場合(「配偶者の税額軽減」と言って、一緒に財産を築いてきた配偶者が相続した場合には、相続税がかなり値引きされます)がこれに該当します。

海外に住んでいる相続人に注意!

今回の結論
★海外に住んでいて、日本に住民登録していない場合には、日本の印鑑登録証明書が取れない!
★代わりに日本領事館で在留証明とサイン証明書を取得するのが一般的!

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通常、遺産分割協議書には、実印を押して、住民票や印鑑登録証明書を添付して、相続登記(土地建物の名義変更)や相続税の申告をするんですが、国籍は日本のままでも、海外支店に赴任したりすると、日本の住民票や印鑑登録証明書が発行されなくなり、そのままだと遺産分けができません

そこで、実印の代わりに拇印(ぼいん)を遺産分割協議書に押すんですが、それを有効にするために、日本領事館や日本大使館に行って、サイン証明書(署名や拇印が本人のものに間違いない事を証明するもの)を取得し、また、海外版の住民票である「在留証明」を取得する必要があります

その際には、未記入の遺産分割協議書を持参することになりますからね!

ただし、日本領事館又は日本大使館で、海外版の印鑑登録証明書が取得できる場合もあるので、確認してみてくださいね!

森林を相続した人必見!やらなきゃダメなことがあるよ!

今回の結論
★森林を取得した場合には、届出が必要!
★農地と違って、「90日ルール」がある!


メモ魔税理士のメモ
農地だけではなく森林を相続した場合にも届出が必要な場合がある。届出が必要な森林と必要じゃない森林がある。届出が必要なのは「森林法で定める地域森林計画の対象となっている民有林」。この民有林に該当するかどうか分からない場合は市町村で確認すること。

この民有林に該当する場合には、相続開始後90日以内に、その森林が所在するところの市町村に「森林の土地の所有者届出書」を提出しなければならない。90日以内に遺産分割が確定していなくても共同相続人が届出しないとダメ。分割確定したら再度届出要。農地と同様に罰則(10万円以下の過料)有。


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森林についても、取得した場合には、市町村への届出が義務付けられています。

森林については、売買や贈与についても、この届出の対象となります。

平成24年4月1日以降に取得した場合には、この届出が必要です。

相続税の申告をしなければならないのはどんな場合?

今回の結論
★「いくらを超えたら申告してね」という基準があります。
★申告しないと相続税がかかるけど、申告したらかからない、という場合があります!

誰もがみんな相続税の申告をしなければならない訳ではない!

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「相続財産がちょっとでもあれば、相続税がかかってしまうの?」かというと、そうではありません。

「この金額以下であれば、相続税は課税しませんよ」という金額基準があります。

これを、「基礎控除額」と言います。

基礎控除額は、次の算式で計算されます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数

例えば、旦那様がお亡くなりになり、法定相続人が「妻・長男・次男」の3人だった場合、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
となります。

このご家庭であれば、相続財産の合計額が、4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

このように、旦那様が遺された相続財産を合計して、その合計額が基礎控除額を超えるかどうかで相続税の申告をしなければならないかどうかが、決まります

相続税が出なくても相続税の申告をしなければならない場合がある!

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相続税の計算においては、「そこまで課税したら可哀想!」という特例規定があります。

代表的なものとして、「小規模宅地等の特例」という規定があります。

これは、「ご自宅の敷地や事業に使用している土地については、生活していく上で必要な財産なのだから、少し税金を安くしてあげるよ」という内容のものです。

ちなみに、ご自宅の敷地にこの特例の適用を受けた場合、最大で「330㎡までの部分について8割引で評価」することができます。

2,000万円の土地の場合、400万円の土地としてカウントして良い、ということになります。

例えば、上記の法定相続人が3人のご家庭の場合、自宅の敷地以外の財産が4,000万円、自宅の敷地の評価が2,000万円だった場合、この特例の適用を受けることができれば、「4,000万円+400万円(8割引)=

4,400万円」となり、基礎控除額4,800万円以下となるため、相続税はかからない、ということになります。

「相続税がかからないから何もしない」だとアウト!

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ここでご注意いただきたいのは、この小規模宅地等の特例の適用を受ける要件として、「相続税の申告書を提出しなくちゃダメだよ」というものがあるということです。

ですから、「計算上は相続税が『かからなくなる』としても、申告だけは必要」ということです。

別の言い方をすれば、「小規模宅地等の特例の適用を受ける前の状況で、基礎控除額を超えたら、相続税の申告書を提出しなければならない」ということなんです。

見知らぬ相続人がいないかどうかをまず確認!

メモ魔税理士のメモ
まず、誰が相続人なのかをはっきりさせる(確定させる)ために、お亡くなりになった方の、出生から死亡までの戸籍謄本を用意する必要がある。遺産分割協議書に署名と判子をもらわなければならないのは誰なのか、をきちんと確認するため。予想外の相続人がいるかもしれない。


遺産分けがうまくいかない『あなた』へ!

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「仲良く遺産分けをするつもりはあるけれども、『会社関係の財産は会社を引き継ぐ兄が相続するしかない』『自宅の土地建物は同居していた兄が相続するしかない』という感じで分けていくと、弟である自分がもらえる財産がほとんどなくなってしまう」とおっしゃる方がいます。

このような場合には、「代償分割金」を兄から弟へ支払うのが良いでしょう。

自分の財布から他の相続人にお金を渡すのです。

「生きている人(兄)からお金をもらったら、もらった人(弟)に贈与税が課税されてしまうのでは?」とお考えになるかもしれませんが、遺産分けの一環としてお金を渡すのであれば、贈与税は課税されません。

「遺産分けの一環としてお金を渡す」とはどういうことかというと、遺産分割協議書にその旨を記すということです。

兄が1億円の土地を相続し、弟に自分の財布から代償分割金として5,000万円支払った場合、兄には1億円△5,000万円(支払った代償分割金)=5,000万円に対する相続税が、弟には5,000万円(受け取った代償分割金)に対する相続税が、それぞれかかります。

「兄」は「代償分割金」を支払えるよう、お金を貯めておく必要がありますので、ご注意を。

生命保険の活用

メモ魔税理士のメモ
★生命保険金等

みなし相続財産

通常の相続財産ではない

遺産分割の対象外

生命保険金という「現金」の受取人を生前に指定することができる

遺言を書くのと同じ効果


相続人が先に亡くなっている場合の法定相続人の数の考え方

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相続税には、基礎控除という非課税枠があります。

全体の財産がこの金額以下であれば、相続税はかかりませんよ、という非課税枠です。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

という算式で計算します。

相続人が妻と長女1人の計2人だったとします。

この場合、

3,000万円+600万円×2人=4,200万円

となります。

もし、この長女が先に亡くなっていて、その長女の子2人(長男・次男)が相続人となる場合には、非課税枠はどのように計算すると思いますか?

結論から言うと、

3,000万円+600万円×3人(妻・長男(孫)・次男(孫))=4,800万円

となります。

長女の代わりに長男(孫)・次男(孫)が相続しているからといって、非課税枠を計算する際の「法定相続人」は長女ではなく、相続人となる長男(孫)・次男(孫)ですからね。

玄人向け!ゴルフ会員権による相続税対策

時価と相続税評価額との差額が節税メリット

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相続税対策で有名なのが、アパート建築です。

1億円の借入をしてアパートを建てると、そのアパートの評価額が4,200万円ぐらいになります。

1億円の借入をして、1億円の買い物をしただけなのに、△1億円+4,200万円=△5,600万円の節税効果(相続税を計算する際、このマイナスを他の財産の評価額と相殺できる)があります。

アパートの評価額は、まず市区町村が値付けする固定資産税評価額をベースに計算するのですが、建築費用の約60%ぐらいの評価額になるのが一般的です。

さらに、自分で使う建物ではなく、他人に貸すことにより使用に制限があることから、さらに70%の評価となります(1億円×60%×70%=4,200万円。建物だけでなく敷地の評価も下がります)。

実は資産の流動性が重要

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ただし、このアパート建築で注意すべき点は、現金化が難しい、ということです。

好立地で高い家賃収入があり、入居率も高水準で推移するような物件であれば、買い手が付くかもしれません。

しかし、一般的なアパートは、途中で売却しようとしても、なかなか思うような値段では売れません

アパートだけでなく、更地や一軒家でさえ、路線価や固定資産税評価額の価格水準では売り買いされていません

ましてや、それらより高い金額水準となる、お上が計算した「時価」とされる「公示価格」や「基準地標準価格」の価格水準では売買されていません

ゴルフ会員権は実は時価より安く評価できて換金性も高い!

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相続税を計算する際の、ゴルフ会員権の評価額は、通常の取引価格(時価)の70%です。

アパートは、その建物が自分で使えなくなるから3割引で70%評価です。

ゴルフ会員権は、自分で使えるのに70%評価です。

さらに、ゴルフ会員権は、相場が形成されているので、換金が容易です。

相続の後に、現金にすることができます

価格変動リスクや所有コストに注意

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相場が下がるリスクがあることを忘れずに。

相場が形成されているとはいえ、ゴルフ場によっては、なかなか値段が付かない場合もあります。

ゴルフ場の選択には失敗しないようにしましょう。

経営が安定していて、ゴルファーの評価が高いところでないと危険です。

また、購入したり所有し続ける際に色々な費用がかかります。

その分のキャッシュアウトも考慮しましょう。

このあたりがクリアできれば、相続税対策としては有効な資産となります。