住宅手当の非課税限度額

会社が貸している社宅の家賃として「通常の賃貸料の額×50%」以上の金額を会社がもらっていれば、所得税は課税されません。

では、従業員が直接大家さんと賃貸借契約を結んで貸家やアパートに住んでいる場合、会社が住宅手当を支給して、ただし全額は支給せず、従業員の負担が「通常の賃貸料の額×50%」以上となるように住宅手当の金額を調整すれば、所得税は非課税になるかというと、そうはなりません。

この「50%以上非課税基準」は、所得税基本通達上「使用者が使用人に対して貸与した住宅等につき」という出だしで規定されています。

つまり従業員に対して会社が住宅を貸しているのではなく、大家さんが貸している場合には、非課税の考え方は出てこないのです。

会社が住宅を貸している場合には、あまり安い金額だと安く貸した分が給与と同じになっちゃうから、「通常の賃貸料の額×50%」で区切って、安く貸した分を給与にするか決めるよ、というのが「50%以上非課税基準」です。

従業員が大家さんから直接借りている場合には、「会社が住宅を安く貸す」という話は出てきません。

ですから「50%以上非課税基準」も出てきません。

ということで、住宅手当はその全額が給与として源泉所得税の課税対象となりますので、ご注意を。

新幹線の通勤定期代の非課税通勤手当適用の可否

税務調査に動じない美人社長税務調査に動じない美人社長

来年採用する社員は、遠方のため新幹線通勤になりそうなのですが、新幹線の通勤定期代も、通勤手当の非課税限度額の範囲内であれば、所得税を課税しなくても良いのでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

新幹線を利用して通勤することが、最も合理的かつ経済的であると認められる場合には、新幹線の通勤定期代も、通勤手当として認められます。

一般の通勤定期代と、新幹線の通勤定期代の合計額が、非課税限度額の10万円以内であれば、源泉所得税の対象とはなりません。

ただし、特定の役員のみが新幹線を利用して通勤しているような場合には、通勤手当としては認められません(源泉所得税の対象となります)。

ゴルフの練習は仕事ではありません!

取引先をゴルフ場で接待した場合、そのプレー代は会社の交際費になります。

あまり下手だと失礼になってしまうと考え、ゴルフ練習場で打ちっ放しの練習をした場合、その費用も会社の交際費になるかというと、そうはなりません。

ゴルフ場でのプレーは、一緒にゴルフを楽しむことにより、取引先を喜ばせているため接待等に該当し、その費用は会社の交際費になります。

ゴルフ練習場で打ち込みをしたところで、取引先は喜びません。

練習をしてうまくなったとしても、会社が直接何か得をする訳ではありません。

得をするのは社長自身です。

したがって、打ちっ放しの費用は、会社の交際費にはなりません。

会社が練習代を負担した場合には、社長(役員)に対する臨時的な給与=会社側は「経費にならない」+役員側は「源泉所得税課税」となります。

従業員の帰宅タクシー代の通勤手当適用の可否

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

飲食店を経営していますが、深夜まで営業しているため、退社時には電車などの交通機関が動いておらず、やむを得ずタクシー代を支給しています。

この場合、通勤手当の非課税限度額の範囲内であれば、所得税を課税しなくても良いのでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

タクシー代ではありますが、実際の通勤に必要な費用であり、一般の通勤手当代と同じように取扱って良いものと思われます。

通勤手当ですから、10万円までの非課税限度額があります。

それを超えると源泉所得税の対象となります。

日雇いのアルバイトの通勤手当代

税務調査におびえるネコ社長税務調査におびえるネコ社長

当社では多くのアルバイトを採用しているが、スポット的な仕事が多いため、日雇いの契約となっているニャ。

通勤手当も「1日当たりいくら」で計算しているが、通勤手当の非課税限度額を計算する場合には、出勤日数が少なくても、限度額10万円をそのまま使っても良いニャンか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

通勤手当の非課税限度額は、交通機関を利用して通勤する方の場合、「1ヶ月当たり10万円」と定められています。

この「10万円」は出勤日数とは関係なく定められていますので、日割計算等をすることなく、そのまま使っても大丈夫です。

ただし、合理的かつ経済的な通勤方法によった場合の「実費相当額」である必要がありますので、1日しか出勤していないアルバイトの方に、通勤手当として非課税限度額内の9万円を支払ったからといって、所得税を課税しなくても良い、ということにはなりませんよ!

従業員から徴収する社宅家賃

住宅を貸して、普通なら5万円もらうところを、3万円しかもらわない場合、ちゃんと5万円もらって、その後2万円上げたのと経済効果は同じです。

貸した相手が会社の従業員であれば、従業員に2万円上げたのと同じです。

従業員にお金を上げたということは、それは「給与」になります。

「給与」になるということは、そこに所得税がかかってきます。

会社としても、源泉所得税を徴収する手続が必要になってきます。

ただし、従業員から社宅家賃をもらう場合については、「この金額以上もらっているのであれば、所得税は非課税」という金額があります。

(通常の賃貸料の額)
その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%
+12円×当該家屋の総床面積(㎡)/3.3(㎡)
+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

上記の金額が「通常の賃貸料の額」とされ、社宅家賃として「通常の賃貸料の額×50%」以上もらっていれば、所得税は非課税となります。

注意すべき点を挙げます。

「通常の賃貸料の額」が「8万円」であれば、「4万円」(8万円×50%)以上もらっていれば、所得税はかかりませんが、
①全くもらっていない場合→「8万円」に対する所得税がかかってきます(「4万円△0万円=「4万円」に対する所得税ではありません)。
②3万円もらっている場合→「8万円」に対する所得税がかかってきます(「4万円△3万円=「1万円」に対する所得税ではありません)。

「社宅家賃が高過ぎだよ、いっぱい働いているんだから、もっと下げてくれないかな」と不満に思うことがあるかもしれませんが、会社が社員から儲けようとしている訳ではなく、社員に所得税がかからないように社宅家賃の金額を設定している場合がほとんどと思われますので、ご注意を。

グリーン定期券を購入した場合の非課税通勤手当適用の可否

税務調査が心配な老犬社長税務調査が心配な老犬社長

新幹線ではなく、普通列車のグリーン車用の定期券があるのだが、このグリーン定期券を購入した場合に、通勤手当の非課税限度額の範囲内であれば、所得税を課税しなくても良いワンか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

グリーン車を利用することにより、通勤による疲れが低減し、業務の質の向上に寄与するのであれば、グリーン車を利用することは合理的なのでは、とお考えになるかもしれませんが、「特別車両料金等」として、非課税通勤手当の対象外として定められています。

したがって、一般の通勤手当代との差額部分については、通勤手当としては認められません(源泉所得税の対象となります)。

徒歩通勤者に対する通勤手当

通勤手当の「非課税限度額」が改正され、例えば片道10㎞の自動車通勤の方の場合には、6,500円から7,100円に拡大されました。

では「徒歩通勤」の方の非課税限度額がどれくらい拡大されたかというと、実はもともと「徒歩通勤」については「非課税限度額」がありません。

つまり、徒歩通勤の方に通勤手当を支払うと、その全額が給与として源泉所得税の対象となります。

何となく不公平な感じがするかもしれませんが、電車や車で通勤する人は、徒歩の人に比べてお金がかかっている、その実費相当額を負担しているだけなので、給与所得には当たらない、という考え方に基づいています。

国税庁ホームページの非課税限度額の表を見ると、「区分」に「②自動車や自転車などの交通用具を使用している人に支給する通勤手当」とあります。

自動車と自転車は同じ扱いなんですね!

片道10㎞の場合、ベンツで通おうが、ママチャリで通おうが、非課税限度額は7,100円です。

ベンツで通おうとしたら、ガソリン代や車検代など、とても月7,100円には収まらないでしょうが、ママチャリなら、発生するとしてもパンクの修理代ぐらいでしょうか。

自転車通勤は環境だけではなく、財布にも優しいようです。

深夜勤務者にお金をあげても特例が認められます!

通常、食事代と称して従業員にお金をあげると、「給与を支払っているのと同じ」ということで、そのお金は給与として取り扱われます(所得税等を源泉徴収しなければなりません)。

ところが例外があります。

深夜勤務者に対して支給する夜食代については、下記の要件を満たせば、給与として取り扱われません。

①料理する場所がないので、夜食を提供できない
②給与等と一緒に支払っている
③勤務1回毎に定額で支給していて、1回当たり300円以下である

1回当たり300円を超えると(例えば350円)、その超える部分(50円)が給与として取り扱われるのではなく、全体(350円)が給与として取り扱われますので、ご注意を。

社員を喜ばせようとすると源泉所得税がかかってしまう「記念品」!

メモ魔税理士のメモ
会社の「創業30周年記念」とか「工場新築記念」などの記念行事の際に、会社の役員や従業員に記念品を支給するのが通例だが、金額や内容に気をつけないと、役員や従業員に「給料」を支払ったものとみなされて、役員や従業員から源泉所得税を徴収する必要が出てくる場合があるので注意!


会社からその役員や従業員にお金を渡すと、「それは『給料』なんだから所得税がかかるよ、会社は給料を支払う場合には所得税を差し引いて(源泉徴収して)支払わなきゃダメだよ」ということになります。

ただし、創業記念や工場新築記念というセレモニーの一環として記念品を渡す行為を、何でもかんでも「給料を支払った」とするのは違和感がありますよね。

そこで、下記の要件をすべて満たしている場合には、給料として源泉徴収をしなくても良いことになっています。

①お金を渡したものではないこと
 …記念「品」ではなく、お金を渡したのであれば、これは給料になります。

②例えば創業記念の場合、おおむね5年以上の期間ごとに渡していること
 …10周年ごとなら大丈夫という訳です。頻繁だとダメだということですね。

③役員や従業員が記念品を選べないこと
 …選択肢があると、お金をもらっているのに近くなっちゃいますから。

④記念品としてふさわしいものであること
 …社会通念上、常識の範囲内のものであれば大丈夫です。

⑤処分見込価額が税抜1万円以下であること
 …値段が高過ぎると「物」であってもダメということです。

「せっかくの記念なんだから、もっといいものを配ればいいのになあ」とか、「どうせだったらお金とか商品券をくれればいいのになあ」と思うかもしれませんが、それは、社員に税金(源泉所得税)がかからないように会社側が考えているからかも。

それでも、「税金がかかってもいいからお金でもらいたい」っていう社員さんもいると思いますけどね!

解雇する時に後々、税金で損したくない『あなた』へ!

イケメン税務調査苦手社長イケメン税務調査苦手社長

当社では、ある従業員を解雇することを検討しています。

その際、「解雇予告手当」を支払わなければならないと聞いたのですが、この「解雇予告手当」についても、所得税を源泉徴収しなければならないのでしょうか?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

会社が従業員を解雇する場合、30日前に解雇の予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。

この支払う「30日分以上の平均賃金」が解雇予告手当です。

解雇予告手当は、給与ではなく、「退職金(退職所得)」になります。

ですから、通常の給与のように所得税を源泉徴収すると間違いです。

退職所得として所得税を源泉徴収する必要があります。

退職所得に該当しますので、「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出してもらいましょう。

そうすれば、源泉所得税が0になるか、又はかなり安く済みます。

この「退職所得の受給に関する申告書」がないと、20.42%(!)の所得税(及び復興特別所得税)を源泉徴収しなければならなくなり、退職される方の手取りがかなり減ってしまい、トラブルの元となり得ますので、ご注意を。

愛する人との海外旅費を経費にしたい『あなた』へ!

まず役員分が経費になるかもきちんと検討する必要があります。

会社の業務遂行上必要であり(「必要です!」と言えば税務署が認めてくれる訳ではありません)、会社の業務に直接関連があることが大前提です。

その上で、「親族」又は「その業務に常時従事していない者」を同伴した場合で、その方の分が経費になるのは、
①その役員が常時補佐を必要とする身体障害者の方であり、その補佐をする場合
②国際会議への出席等のために配偶者を同伴する必要がある場合
③その旅行の目的を遂行するため外国語に堪能な者又は高度の専門的知識を有する者を必要とするような場合に、適任者が法人の使用人のうちにいないためその役員の親族又は臨時に委嘱した者を同伴する場合
など、明らかにそれらの目的を達成するために必要な同伴と認められる場合に限られますので、ご注意を。

従業員に販売奨励金を払おうとしている『あなた』へ!

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当社は、自動車会社S社の下請企業です。

従業員がS社の自動車を購入した場合、一定金額を販売奨励金として支払うことにしています。

この販売奨励金は、労働の対価として従業員に支払ったわけではないので、給与にはならないと思います。

そうなると、従業員に対する交際費になるのでしょうか?

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たとえ労働の対価として支払われるものではなくても、従業員としての身分を有する方に支払われるものは、税法上、給与として取り扱われます。

したがって、消費税の課税仕入れには該当せず、また、源泉徴収が必要となりますので、ご注意を。

非常勤役員にお中元を渡そうとしている『あなた』へ!

お中元の季節になりました。

お世話になっている方に毎年お中元を贈っている会社もあると思います。

送る相手を考えていて、非常勤の役員(例えば相談役)が頭に思い浮かぶかもしれません。

でも、非常勤とはいえ、「役員」にお中元を贈ったら、それは「給与」になりますので、ご注意を。

送り主と送り先の関係は、あくまでも「会社」と「役員」です。

役員に対する会社からの「現物給与」(この言葉は聞いたことがある方も多いと思います)です。

役員に対する臨時的な給与=会社側は「経費にならない」+役員側は「源泉所得税課税」のパターンです。

地方の営業所が本社役員を接待した場合に、社内交際費となる場合の事例を取り上げたことがありましたが、この事例と混同しないように、ご注意を。

会社からクオカードをもらって喜んでいる『あなた』へ!

社内の現場改善活動や永年勤続に対する表彰の贈呈品、または忘年会の景品として、クオカードを社員に渡すと、「給与」を支払ったものとして、源泉所得税の対象となります。

「クオカードを渡すということは、現金を渡したのと同じ、会社が社員に現金を渡したのなら、それは給与」ということです。

とは言っても、何でも給与になる訳ではありません。

例えば、結婚祝・出産祝については、現金であっても、高額でない限り、給与と考えなくて良いことになっています。

また、永年勤続表彰で旅行券をあげた場合、1年以内に旅行に行き、旅行先等についての報告書を会社に提出するなど、一定の要件を満たせば、こちらも給与と考えなくて良いことになっています。

社員を喜ばせるのも難しい?

35歳以上だけが受ける人間ドックの費用は給与扱い?

従業員などに対する支出が、「福利厚生費」(会社の完全経費)になるか、「給与」(もらった方が源泉所得税を取られ、役員に対するものだと、基本的に会社の経費になりません)になるかは、その対象が特定の者に限定されているかどうかで判断します。

社員全員が対象なら福利厚生費になります(あまり高いとダメです)が、例えば役員だけが対象だと、それは役員に対する給与になります。

人間ドックの対象を35歳以上に限定している場合は、どちらになるでしょうか?

35歳以上という特定の者に限定しているようにも見えますが、その会社でずっと働き続ければ、みんな35歳以上になりますので、この場合は特定の者に限定していることにはなりません。

人間ドックの性質上、より健康管理が必要とされる高年齢の方に対象を限定していることは、理にかなっていると言えますし、特定の者だけで会社のお金を使っておいしいことをやろうとしている訳(こういう場合は給与)ではないですからね。

残業時の夜食は給与?

税務調査が心配な老犬社長税務調査が心配な老犬社長

当社では、朝から夕方まで勤務する従業員が残業をした場合にコンビニ弁当を支給しているワン。

このコンビニ弁当代は、従業員に対する給与として、所得税を源泉徴収しなければならないのかワン?

転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

原則として、残業される従業員の方に食事を提供した場合には、所得税を課税する必要はありませんよ。

勤務時間外の残業や宿直、日直をした方への食事代については、「給与を支払っているのと同じ」とはなりません。