転ばぬ先のメモ魔税理士転ばぬ先のメモ魔税理士

★リバースチャージ方式って何?という『あなた』へ!において、リバースチャージ方式の概要について触れました。

実は、リバースチャージ方式を導入するためには、その前提として、消費税の根本から改正する必要があったのです。

消費税の「課税対象取引」の要件自体を改正!

国税庁HPタックスアンサー(消費税)No.6117「課税の対象となる取引」には、次のように書かれています。
「消費税の課税の対象となる取引は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と外国貨物の輸入です。」

輸入について割愛すれば、
①国内において
②事業者が事業として
③対価を得て行う
④資産の譲渡等(資産の譲渡・資産の貸付け・役務の提供)

という4要件を満たした上ではじめて消費税が課税されるのです。

この①の「国内において」については、消費税法施行令第6条「資産の譲渡等が国内において行われたかどうかの判定」において、
「情報の提供又は設計」は「情報の提供又は設計を行う者の情報の提供又は設計に係る事務所等の所在地」
と規定されています。

これだと、情報の提供者が国外にいると、国外取引に該当することから、上記①の「国内において」という要件を満たさないということになり、消費税の課税対象取引から除外されてしまいます(今までは除外されていました)。

そこで、平成27年10月1日以降においては、消費税法第4条において、
「電気通信利用役務の提供である場合」は「当該電気通信利用役務の提供を受ける者の住所若しくは居所(現在まで引き続いて1年以上居住する場所をいう。)又は本店若しくは主たる事務所の所在地」
という条文が追加されます。

つまり、国内事業者や国内消費者が役務の提供(配信サービス)を受けた場合には、提供側が国内であろうが国外であろうが、「国内において」に該当するということです。

これにより、やっと国外事業者に消費税が課税できることになった訳です。

国外事業者に消費税が課税されても、国内事業者が不利になる?!

上記の改正により、国外事業者が国内事業者・国内消費者に配信サービスを提供した場合には、課税対象取引となりますが、逆に国内事業者が国外事業者・国外消費者に配信サービスを提供した場合には、課税対象外取引(不課税取引)となります。

国内事業者にとっては大助かりのように見えます。

今まで課税だったものが、不課税になるんですから。

でも、話はそんなに単純ではありません。

★リバースチャージ方式って何?という『あなた』へ!でも書いた通り、事業者は、売上により預かった消費税から仕入れにおいて支払った消費税を差し引いて消費税を納めます。

ところが、不課税取引のための仕入れに係る消費税は、売上により預かった消費税から丸々引けない可能性が出てくるのです。

細かい説明は省略しますが、1事業年度内に100万円(+消費税8万円)の仕入れと、120万円(+消費税0円)の海外向け配信サービス売上しかなかったとします。

この場合、従来ですと、輸出免税の要件を満たせば、0円-8万円=△8万円(8万円の還付)だったのですが、改正後は、0円-8万円×課税売上割合0%=0円となり、消費税の還付はなく、仕入れの際に支払った消費税は、払ったままで終わりということになります。

税負担が増えるのは、国外事業者だけではなく、国内事業者もなのでした。