財産及び債務の明細書が変わります!(平成27年度税制改正大綱)

個人の確定申告書に添付する「財産及び債務の明細書」が「財産債務調書」に生まれ変わります。

提出基準は、「所得金額が2,000万円超」から、「所得金額が2,000万円超」かつ<「年末の財産の合計額が3億円以上」又は「以前の記事で書いた、国外転出をする場合の課税対象となる有価証券ベースで1億円以上」>となります。

財産が3億円をかなり下回る場合には、所得がいくら多くても添付しなくて済むようになりますから安心です。

ただし、提出基準に該当する方は、大変注意が必要です。

「財産及び債務の明細書」は、「財産の種類、数量及び価額」だけを記載すればよいということになっていましたが、それに加え、「財産の所在、有価証券の銘柄等、国外財産調書の記載事項と同等の事項」を記載しなければなりません。

さらに、「財産債務調書」は、税務調査の対象となります。

そして、きちんと書いて提出しないと、修正申告等があった場合に、過少申告加算税が加算されます。

「財産債務調書」は、それほど細かく書かなくても大丈夫な「財産及び債務の明細書」とは全く違うものに生まれ変わります。

ふるさと納税がパワーアップ!(平成27年度税制改正大綱)

ふるさと納税は、基本的には、寄附した金額から2,000円を引いた金額だけ税金が安くなり、なおかつ特産品がもらえる最高クラスの節税策です。
仕組みはこんな感じです。

<所得税及び復興特別所得税の税率が15%の人が30,000円のふるさと納税をした場合>

下記の①+②+③の金額だけ税金が安くなります(寄附金の限度制限に引っかからないという前提。詳しくは下記をご覧ください)。

①所得税の節税-所得(儲け)の軽減)の軽減
(寄附した金額(※1)-2,000円)を所得金額からマイナス → 28,000円所得が減るので、税率15%の人は、28,000円×15%=4,200円税金が安くなる
※上記の計算式に入れることができる「寄附した金額」は、総所得金額の40%が限度です

②個人住民税の節税(基本分)-税金の軽減
(寄附した金額(※2)-2,000円)×10%を税金からマイナス → (30,000円-2,000円)×10%=2,800円税金が安くなる
※上記の計算式に入れることができる「寄附した金額」は、総所得金額の30%が限度です

③個人住民税の節税(特例分)-税金の軽減
(寄附した金額-2,000円)×(90%-所得税の税率)を税金からマイナス → (30,000円-2,000円)×(90%-15%)=21,000円税金が安くなる

④ ①+②+③=28,000円

①②については、※のような限度制限があります。は、総所得金額の40%とか総所得金額の30%以上寄附をしても、超えた部分については控除が受けられません。
③については、計算結果(上記の場合21,000円)に対して限度制限があり、従来は個人住民税の所得割額の10%が限度でした。
これが、改正により20%に引き上げられます。
③の部分が最も節税効果がある訳ですが、この部分の限度制限が緩和されることにより、従来よりも多額にふるさと納税をしても、節税メリットが受けられる可能性が増えます。

「地方拠点強化税制」が誕生!(平成27年度税制改正大綱)

「①地方の本社機能を強化」したり、「②地方に本社機能を移転」した場合に、得する税制ができました。

<特別償却・税額控除>

①については、オフィスの建物等の取得価額に対して「15%の特別償却」又は「4%の税額控除」が受けられます。
②については、「25%の特別償却」又は「7%の税額控除」が同じように受けられます。

<雇用促進税制がパワーアップ>

通常は、増加雇用者1人当たり40万円の税額控除なのですが、
①については、「50万円の税額控除」、
②については、もっと大盤振る舞いで「80万円の税額控除」が受けられます。

とは言っても、勝手に建物を建てたり、人を増やしてもダメです。前提として下記の要件を満たす必要があります。

<地方自治体の要件>
〇一定の地域にあり、本社機能の受入促進策を講じた計画を策定し、国により認定を受けること

<会社の要件>
〇地方拠点強化実施計画を策定し、知事の承認を受けること

その他、「一の建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額」が2,000万円以上(中小企業者については1,000万円以上)の規模であることなども要件となっています。

しっかり盛り込まれた出国税!(平成27年度税制改正大綱)

国外転出をする時に株式等を所有している場合には、その株式等を転出時の時価により売却したものとして所得税が課税されることとなりました。

対象者は、その保有する株式等の時価が1億円以上で、かつ、転出日前10年以内に、日本に5年超住所等があった方です。

日本で株式を売ると税金がかかるのが嫌だから、株式を売った儲けに対して課税しない国に行って、そこで株式を売ろう、という戦法が使えなくなります。

空き家の敷地の税金に注意!(平成27年度税制改正大綱)

空家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)が昨年11月19日に既に成立しています。

住宅用地については、固定資産税を最大で1/6まで安くしてくれる決まりがあります。

空き家であったとしても、住宅が建っていれば、固定資産税が1/6になるのです。

空き家を壊してしまうと固定資産税が6倍に跳ね上がってしまうので、空き家のまま放置されている例が多くなっています。

しかし、安全面や防災面、衛生面で問題がある空き家もあり、これらの空き家に対しては、市などが取壊しや修繕の勧告をします。

この勧告の対象となった空き家の敷地については、固定資産税が6倍に跳ね上がります

太陽光が即時償却の対象外に!(平成27年度税制改正大綱)

太陽光発電設備を取得して全額経費計上!というのが、平成27年4月1日以降はできなくなります。

その代わりに、風力発電設備の取得価額全額経費計上は、平成28年3月31日取得分まで延長されます。

ちょっと楽になる所得拡大促進税制!(平成27年度税制改正大綱)

所得拡大促進税制は、給与(社員の所得)を増やした場合に、会社の支払う法人税を安くしてもらう制度です。

この税制の適用を受けるためには、
給与が
「①総額で平成24年度に比べて数%増加要件」
「②総額で前期より減っていない要件」
「③1人当たり平均で前期を超えなきゃダメ要件」
という三大要件をクリアしなければなりません。

①については、平成25年度以降は、平成24年度に比べて毎期2%以上・2%以上・3%以上・5%以上・5%以上と増やしていかなければなりませんでした。

これが、中小企業者等については、2%以上・2%以上・3%以上・3%以上・3%以上で良いことになります。
ちょっと楽になりますね。

ちなみに中小企業者等以外は、2%以上・2%以上・3%以上・4%以上・5%以上となります。
こちらは28年度だけ、ちょっと楽になります。

結婚・子育て資金まで非課税!(平成27年度税制改正大綱)

結婚・子育て資金の非課税贈与制度が新設されます。

①親や祖父母から20歳以上50歳未満の子や孫への結婚・子育て資金の贈与が非課税になります。

②教育資金の非課税贈与制度と同じように、金融機関を絡ませます。

③子や孫1人につき1,000万円(結婚費用は300万円)が限度です。

④子や孫が50歳になるまでにお金を使い切らないと、贈与税が課税されます。

⑤子や孫が50歳になるまでに親や祖父母がお亡くなりになった場合で、まだお金を使い切っていない場合には、その残額に相続税が課税されます。

⑥子や孫が50歳になるまでにお亡くなりになった場合で、まだお金を使い切っていなかった場合には、その残額には贈与税は課税されません。

⑦結婚資金は、結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む)に要する費用、住居に要する費用及び引越しに要する費用等です。

⑧子育て資金は、妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料等です。

贈与を受けて家を早く買うと損?!(平成27年度税制改正大綱)

父母や祖父母から自宅の新築や取得、増改築等に充てるためのお金をもらった場合に、一定金額まで非課税となる制度があります。

平成26年分贈与については、一般住宅であれば500万円、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで非課税でした。

これが、平成27年分贈与については、それぞれ1,000万円・1,500万円に増額されます。

平成28年以降は、段階的に非課税枠が減少していきます。

早く贈与をした方が、非課税枠が大きくて得だよ、と家を建てさせて、景気回復につなげようという魂胆です。

しかし、それに乗せられると損をする可能性が。

消費税率が10%になった場合には、非課税枠がそれぞれ2,500万円・3,000万円になる時期があるのです!

お金をいっぱい贈与して相続税の節税をしたい方、お子さんやお孫さんに大きな家を建てさせたい方は、ご注意を。

ただし、いっぱい贈与し過ぎて、手元のお金が無くならないように、ご注意を。

国内配当をもらう会社は注意!(平成27年度税制改正大綱)

会社が配当金をもらったら、儲かったんだから税金払うべきですよね。

でも、配当金を払った方の会社は、配当金を払っても経費になりません。

お金が出ていったのに経費にならないので、その分、税負担が増えています。

収入だからと言って、もらった方にも税金を掛けると、「払った方」「もらった方」どちらにも税負担を求めることになります。

1つの取引に二重に税金を掛けることになります。

「それはまずい」ということで、もらった方の税負担を軽くしてあげる制度があります。

そして、軽くしてあげる度合いが、持株割合によって違います。

①持株割合100%の場合

完全親会社の立場ですね。この場合には、100%税金がかかりません。

配当金の金額を丸々会社の儲けから除いて法人税を計算することができます。

100%株を持っているということは、実態としては親子会社で1つの会社のような一体性がありますからね。

内部でお金を動かしたようなものなので、課税関係は生じさせないのです。

②100%は持っていないけど、25%以上持っている場合

会社間の関係性はある程度ありますが、①程ではありません。

このパターンの場合は、ちょっとだけ①よりも厳しくします(税負担を求めます)。

借入金等の利息を支払っている場合には、配当金の金額から「その支払利息のうち、割合計算をして配当金を得るために支払ったとみなした金額(※)」を控除した金額を、会社の儲けから除きます。

※の金額(「控除負債利子」と言います)だけには、法人税がかかることになります。

ちょっとややこしいでしょうか?

実は、「配当金は100%税金がかからない」ということにしてしまうと、多額の借入をして株を買い、多額の配当を受取る、という行為により、超節税策ができてしまうからです。

仮に、100万円の利息を支払って借入をして株を買い、100万円の配当を受け取ったとすると、
「100万円の収入(配当)」-「100万円の経費(利息)」=0(儲けは無し)
になります。

ところが、配当に税金がかからないとなると、
「0」-「100万円の経費(利息)」=△100万円
となり、損していないのに赤字をつくることができます。
他に収入が100万円あっても、この赤字と相殺されて税金がかからなくなります。

こういうことを許さないように、配当金のうち、配当を得るために支払った利息を超えた金額だけに限定して、税金を掛けないようにしているのです。

③持株割合が25%未満の場合

会社間の関係性はあまり深くありません。

どちらかというと財テク(言葉が古い?)のために株を買って配当をもらったのでは?という感じなので、②の半分だけを会社の儲けから除きます。

上記の通り、現行は3パターンですが、改正後は4パターンになります。

(1)持株割合100%

①と同じ

(2)持株割合1/3超100%未満

②と同じ

(3)持株割合5%超1/3以下

半分だけ会社の儲けから除きます。控除負債利子をマイナスせずに、配当の総額の半分を儲けから除くので、③とはちょっと違います。

(4)持株割合5%以下

20%だけを会社の儲けから除きます。(3)と同じように、控除負債利子をマイナスしません。

教育資金の非課税贈与の使い勝手アップ!(平成27年度税制改正大綱)

教育資金の非課税贈与制度の使い勝手が良くなり、かつ、適用期限が延長されました。

①贈与資金の使途は「通学定期券代、留学渡航費等」でもOKになります。

②金融機関に領収書等を提出することにより贈与資金を受取り、教育資金に充当することができるのですが、領収書等に記載された金額が1万円以下のものについては、年間24万円までは、領収書等がなくても、支払先や支払金額等の明細を記載した書類を提出すれば、贈与資金を受け取ることができるようになります。

③平成27年までの適用期限が平成31年まで延長されます。

消費税率は必ず10%になる!(平成27年度税制改正大綱)

消費税率の10%への引上げは、平成29年4月1日からとなりました。

8%引上げ時にもあった工事等に係る経過措置も盛り込まれ、平成28年9月30日以前の契約であれば、8%税率の適用となります。

「経済状況を見て、消費税引き上げの是非を判断する」という「景気判断条項」が削除されたのも、注目すべき部分です。

海外からのネット配信に課税!(平成27年度税制改正大綱)

消費税の課税対象は、「国内において」「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」及び「外国貨物の輸入」です。

外国貨物の輸入については、「保税地域」というところから、外国貨物を引き取る必要があり、その引取りの時までに消費税を納付することになっています。

物の輸入であれば「保税地域」を通過する際に消費税を課税することができますが、国外からのインターネットを通じた音楽や電子書籍などの配信については、購入者のパソコンにダイレクトに届くため、消費税を課税することができません。

同じ音楽や電子書籍を国内の会社から購入した場合には、国外の会社から購入した場合に比べ、消費税の分だけ割高になってしまいます(不公平です)。

そこで、国外からの音楽や電子書籍の配信についても、消費税が課税されることになりました。

とは言うものの、課税するための理屈を整理する必要があります。

元々は、「売った人」が国外にいるため、上記の「国内において」の要件(「国内取引要件」)に該当しないため、消費税が課税できずに発生した問題です。

そこで、このような取引の場合には、「買った人」が国内にいるかどうかにより、「国内において」かどうかを判断することにしました。

それにより、「国内取引要件」が満たされ、消費税の課税対象となります。