身内に対する支出は痛くない
親族を社員にした場合、他の社員よりも給与を高くすることがありませんか?
その高い理由は何でしょうか?
「身内だから」では、税務調査官は納得しません。
同族会社であれば、社長の思うように、給与を決めることができるかもしれません。
でも、その給与が「経費になるか」は別の話です。
金額に見合う仕事をしているか
他の社員よりも給与が高いということは、その分、余計に仕事をしている、ということです。
この「余計に」の部分がきちんと説明できるかがポイントです。
勤務実態の説明が曖昧になりがち
親族社員であったとしても、バリバリ働いている場合には、税務調査官も何も言いません。
将来の社長候補として様々な部門の仕事を任されていたり、社長の厚い信頼を得て、現場を1つにまとめているような場合などであれば、税務調査官も話せばそれがすぐに分かります。
その説明もラクなはずです。
それとは反対に、非常勤の勤務であったり、仕事の内容が見えにくい場合が危険です。
その社員についての勤務実態の説明が、「内向き(社内で完結しているもの)」なモノばかりだと、税務調査官はその実態を深く質問してくるでしょう。
社内の話であれば、何とでも言えるからです。
「社内で社員の教育や勤務管理をしている」「経営に関与している」「草むしりをしている」「掃除をしている」「突発的な仕事に対応している」
このような説明に対しては、それがどう「余計に」給与を支払うことに結びつくのか、税務調査官は、より具体的な説明を求めてくるでしょう。
問題は会社に対する貢献度
ポイントとなるのは、会社に対する貢献度です。
社員の教育や勤務管理は、会社では当たり前の仕事です。
それをして、「余計に」給与を支払うということは、どれだけスゴい教育や管理なのか。
会社の業績にどう貢献しているのか。
それを証明するものはあるか。
経営に関与している、という場合、それがどう経営改善に結びついているのか。
何からそれが分かるのか。
草むしりや、掃除については、「余計に」給与を支払う根拠とするには、かなり厳しいですよね。
他の社員も、仕事の合間に草むしりをしたり、掃除をしているかもしれません。
突発的な仕事に対応するのも、社員だったら普通にやりますよね。
他の社員との明確な違いがあるか
これが一般の社員だったら、税務調査官も細かく突っ込んできません。
「余計に」給与を支払うことなんてあり得ない、と分かっているからです。
親族社員に高い給与を支払う場合には、その明確な根拠をきちんと説明できるようにしておきましょう。