インデックス
税務調査官も大変
税務調査において、税務調査官が、書類の隅から隅まで細かくチェックするかと言うと、そんなことはありません。
通常、税務調査は直近3期分について行われます。
3期分の帳簿や請求書等となれば、結構なボリュームになります。
でも、税務調査の日数や時間は限られています。
税務調査官も大変です。
税務調査官は、効率的にチェックをする必要があります。
「どのようなところが間違いやすいか」「税務上、問題となりやすい取引は何か」を、税務調査官は熟知しています。
調査対象がボリューミーになれば、当然、メリハリをつけたチェックになります。
全部チェックされていないということは?
調査対象期間の3年間であれば、色々とイレギュラーな取引があったはずです。
税務調査官が、その全部をチェック・検討したかどうかは分かりません。
間違った処理が行われていたとしても、それが見逃されている可能性があります。
ですから、税務調査の結果が「是認」となり、まったく問題を指摘されなかったからと言って、申告が100%正しかった、という訳ではないのです。
是認だったとしても、問題がないかの検証が必要
次の調査の時に、厳しい税務調査官が来た場合、その見逃されていた間違いが発見される可能性があります。
その時に、「前の税務調査では指摘をされませんでしたけど。」と言っても、それは通用しません。
前の調査の時に見つからなかっただけで、間違いであることには変わりがないからです。
他の会社でセーフだったからと言って、御社でセーフとは限らない
同業社長が過度な節税対策を教えてくれて、「大丈夫。税務調査でも問題にならなかったからね。」と言ったとしても、それが御社で通用するかは分かりません。
その社長様の会社の調査の時に、単に見つからなかっただけかもしれませんし、税務調査官があまり厳しくない方だったのかもしれません。
指摘された事項は別
同じように税金が取られなかったとしても、見つからなかったのと、見つかって指摘されだけれども、説明して税務調査官に納得してもらった、と言うのとでは、雲泥の差があります。
納得してもらい、その部分が修正の対象とならなかったのであれば、税務的に問題がない、という判断をされた、ということになります。
もちろん、次の税務調査の際、今度は厳しい税務調査官が来たら、また指摘されるかもしれません。
でも、一度、税務調査官が見て、問題ないと判断したのであれば、そう強気には指摘できないはずです。
その時に、その厳しい税務調査官相手に、「前回の調査では、この点については、こういう経緯で、このような判断で、問題がないということになった」ということをきちんと伝えられるようにしておきましょう。
うろ覚えではダメです。
税務署側に前回の調査記録が残っている場合もあります。
交渉の過程を記録しておくのです。
見つからなかった誤りを直しておく
「税務調査で問題にならなかった、よかった。」ではなく、「今回は助かった。でも、次の税務調査で突っ込まれたら大変だから、今のうちに直しておこう。」と考えてくださいね。