海外の中古不動産で源泉所得税の還付を受けて節税。その仕組み

固定資産を買って貸して売る場合の損益の流れ

固定資産は、買っただけでは経費にならない

使い始めることにより、耐用年数に応じて経費化(減価償却費を計上)する

耐用年数が10年なら10年間で分割経費化する(使ってボロくなったぶんだけ経費になる)

中古資産を取得した場合には、中古の分だけモタない(長く使えない)ので耐用年数が短い(短いということは、その分、1年当たりの減価償却費が多額になる)

固定資産を貸すと、賃貸収入が発生する

その賃貸収入に丸々税金がかかる訳ではなく、減価償却費等が経費になるので、その経費を差し引いた残り(儲け=不動産所得)に税金がかかる(「最高約55%」)

固定資産を売ると、売った値段と固定資産の帳簿上の金額の差(儲け=譲渡所得)に税金がかかる(「最高約20%」)

この場合の「帳簿上の金額」は、最初に買った値段(=取得価額)から、減価償却費として経費化された金額の分だけ(減価償却費として経費に振り分けられた分だけ)少なくなっている

海外不動産は特殊だけど日本の税法計算を適用する

海外の建物は年数が経過してもボロくならない(高く売れる)

その中古の建物につき、日本の税金計算方式で多額の減価償却費を計上できる(ボロくなっていないのに)

ボロくなっていないのに多額の経費を計上でき、税負担が高い不動産所得を圧縮できる

中古不動産であることから、減価償却費を多額に計上でき、不動産所得をメチャクチャ少なくできる→「最高約55%」かかる部分が少なくなるので、大きな節税効果を生む

多額の減価償却費を計上する分、固定資産の帳簿上の金額がメチャクチャ少なくなり、反対に譲渡所得がメチャクチャ増えるが、「最高約20%」だから、増えても痛くない(その代償として「最高約55%」部分が少なくなるんだったらラッキー)

中古建物を5,000万円で購入

(海外中古不動産はボロくならないのに日本の税法計算だと中古不動産に対しては多額の減価償却費が計上できるので)4年間で減価償却費を4,000万円計上(4年後の固定資産の帳簿上の金額は1,000万円=5,000万円△4,000万円)

賃貸収入は400万円、不動産所得は3,600万円の赤字(=400万円△4,000万円)

この3,600万円の赤字は給与所得と相殺されて最高約55%で課税されていた源泉所得税が還付される

中古建物を4年後売却したら4,500万円で売れた(ボロくならないから高く売れる)

4,500万円△固定資産の帳簿上の金額1,000万円=3,500万円が譲渡所得

高く売れた分だけ譲渡所得が多くなっている

固定資産の帳簿上の金額がメチャクチャ少なくなっていることにより(本当はそんなにボロくなっていないので少なくなっているのはおかしいが)さらに譲渡所得が多くなっている

でも最高約20%の税金で済んでしまうので全然痛くもかゆくもない

という仕組み

おそらく、税制改正で、この節税はできなくなるものと思われます。