固定資産の移設費用。すべて修繕費でOKという訳ではない

資産計上するかしないかで、経費が変わり、税金が変わる

固定資産に対して修理や改良等のためにお金を投下した場合、それにより固定資産の価値が高まったり、耐久性が増すのであれば、実態は新しく固定資産を買ったのと同じ、ということで、その投下金額を資産計上する必要がある(一発で経費にならず、分割して各事業年度の経費にする)

逆に、そのお金の投下が、通常の維持管理のため、または、壊れた部分を元に戻すためということであれば、修繕費となり、その修理や改良等をした事業年度において一発経費となる

通達で経費OKと書いてあっても、細かいNG要件がある

建物や機械装置を移動するための費用は、移動したところで固定資産の価値が上がる訳ではないので、修繕費に該当する(と通達に書いてある)

ただし、下記の場合には資本的支出として処理する必要がある(とも通達に書いてある)
建物の解体移築→「旧資材の70%以上がその性質上再使用できる場合であって、当該旧資材をそのまま利用して従前の建物と同一の規模及び構造の建物を再建築するもの」に該当しない場合(例えば、旧資材の60%しか再利用しない場合)
機械装置の移設→「集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のため一の事業場の機械装置を他の事業場に移設した場合」や「多額の据付費を要する機械装置を移設した場合」

NGの中に細かいOK要件がある

機械装置の据付費は資産計上する必要があるが、移設した場合、「当初の据付」はその効果が無くなるので、資産計上額の中の当初の据付費部分は経費に計上しても可

移設費が機械装置の簿価の10%以下である場合には、移設費を一発経費可

主として新規の生産設備の導入に伴って行う既存の生産設備の配置換えのためにする移設の場合は、移設費を一発経費可

結構、細かい要件がありますので、ご注意を。